鉄道

JRに乗り降り自由!夫婦2人でリッチな鉄道旅が叶う「フルムーン夫婦グリーンパス」

コロナが落ち着いたら、少し遠出した旅行にでも行きたい気分。旅行作家の野田さんのイチオシは、全国のJR線に乗り降り自由というおトクなきっぷ「フルムーン夫婦グリーンパス」。グリーン車にも乗れて、意外とリーズナブルにリッチな鉄道旅が楽しめるそう。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

グリーン車

東海道新幹線のグリーン車

全国すべてのJR線のグリーン車(一部列車を除く)を利用でき、しかも乗り降り自由の「フルムーン夫婦グリーンパス」。「ななつ星」などの高額な豪華列車に比べると、意外にリーズナブルにリッチな鉄道旅が楽しめるおトクなきっぷなのです。

シニア用のきっぷかと思いきや、夫婦2人の年齢合計が88歳以上という条件のみなので、40代の夫婦でも利用できますし、年の差カップルなら30代でも該当する人がいると思います。意外に知られていない「フルムーンパス」(以下、この略称を使用)の使い方を紹介します。
 

おトクな「フルムーンパス」の購入方法

「フルムーンパス」は夫婦2人用ですが、きっぷは1枚のみ。つまり、常時2人一緒に行動し、同じ列車に乗ることが条件です。

年齢確認が必要なため、ネット予約はできず、JRの駅窓口でのみ販売。

購入時は身分証明書を提示しますが、戸籍抄本などの書類を提示する必要はなく、運転免許証や保険証などで大丈夫です。事実婚でも特に問題はないようですが、兄妹や親子での利用はできません。
 

「フルムーンパス」の種類と料金

「フルムーンパス」には、5日間用(84,330円)、7日間用(104,650円)、12日間用(130,320円)の3種類があります。(料金はいずれも2人分・税込)

また、夫婦のどちらかが70歳以上の場合は、若干安くなるシルバー用きっぷもあります。
 

「フルムーンパス」の利用方法

使うときは、自動改札は通過できないきっぷなので、有人改札でチェックを受けます。

いずれも連続する日にちで利用し、途中で列車に乗らない日があっても日数にカウントされます。

使用期間は毎年10月1日から翌年6月30日までの任意の連続する日数ですが、年末年始、学校の春休み期間、大型連休期間中は利用できません。
 

グリーン車に乗り放題! でも注意事項が

「白いソニック」のグリーン車

JR九州「白いソニック」のグリーン車


この「フルムーンパス」はグリーン車を利用できますが、例外があります。

東海道・山陽新幹線「のぞみ」と山陽・九州新幹線「みずほ」には自由席を含めて乗れません。この区間は「ひかり」「こだま」「さくら」「つばめ」で移動することになります。

そのほかの列車のグリーン車は、乗車区間が短くても利用可能です。東北新幹線などのグランクラスは運賃のみ有効で、特急券とグランクラス券は別途購入が必要です。
 

「フルムーンパス」はどれだけおトク?

たとえば、5日間用の84,330円は、ぱっとみると高額に思えます。

しかし、東京駅から広島駅まで「のぞみ」普通車指定席で移動すると、大人1人片道19,440円(通常期)なので、2人で往復すると77,760円。グリーン車なら106,800円なので、これだけでもおトクさが分かるかと思います。

「のぞみ」には乗れないため、岡山までしか行かない「ひかり」に乗ると、途中で乗り換える必要がありますが、急ぐ旅でなければ、関西や岡山で途中下車して観光することも可能。そうすれば、それほど苦痛ではないでしょう。

「のぞみ」も「ひかり」も同じ車両を使っているので、ゆったりできるグリーン車はおすすめです。
 
N700系のグリーン車車内

東海道新幹線N700系のグリーン車


「フルムーンパス」は、JR在来線にももちろん乗れますし、広島の宮島に渡る「JR西日本宮島フェリー」もJRの路線なので、追加料金なしで宮島観光も楽しめます。

指定券の回数制限はないので、埼玉県在住の人が大宮駅から東京駅まで東北新幹線などのグリーン車に乗り、東京駅から「ひかり」のグリーン車で西に向かうということもできます。

2人の年齢合計が88歳以上の夫婦は、一度「フルムーンパス」を使って優雅な鉄道旅を楽しんでみてはいかがでしょうか?
 
DATA
JR┃フルムーン夫婦グリーンパス
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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