好奇心旺盛で気が利くので出会いのチャンスも多くモテる
HSS型HSPとは、HSP(人一倍敏感な人)のなかでも「刺激追求型」といわれるタイプです。HSPのうち70%は内向型と言われ、残りの30%は外向型とされています。外向型のHSPの人のことを、HSEともいいます。このHSE(外向型HSP)のことを、イコール「HSS型HSP」と書いている記述を多く見かけますが、個人的には微妙な差があると感じています。外向型が全員「刺激追求型」とは限らないのではないでしょうか。
そして、実際に以下のような記述を、以前にも紹介したアーロン博士の日本語訳サイト内の「内向型、外向型そしてHSP」というページで見かけました。「大半の」という言葉からわかるように、厳密には「同義」ではないと解釈できます。細かいようですが言葉を扱う仕事を長年してきたことから少し気になり触れてみました。
15. 大半のHSEはHSS(刺激追求型)である可能性が高い(http://hspjk.life.coocan.jp/HSS-Test.html)。
HSPは人口の20%を占め、そのなかの30%が外向型HSPであることから、人口の6%が「HSS型HSP」と書かれていることが多いようです。そして、上記を考慮すると、実は、HSS型HSPは人口の6%を下回るマイノリティなのではないかと考えられます。
HSS型HSPタイプは、繊細でありながら人に対する好奇心も強いので、傷つきやすいくせに人と交流しようとします。新しい世界に果敢に飛び込みます。興味のアンテナを張っているので、趣味がある人も多く、いろいろな分野に顔を出してしまうのではないでしょうか。出会いのきっかけは多いはずです。気配りや配慮ができるためモテる女性も多いのではないでしょうか。
恋愛のきっかけが多そうなHSS型HSPが、恋愛やパートナーシップにおいて気をつけたいポイントとはどんなことでしょうか。当事者としての見解を書いてみたいと思います。
point1. ダメ男や危険な男からのお誘いに注意!
「刺激」という魅力に弱いHSS型HSPは、ダメな男(女)やダメな関係に弱い可能性があります。繊細さでサポートしてあげることもできるでしょう。ただし、受け身でいるとどんどん振り回されてしまいます。
特に、自己肯定感の低いHSS型HSPは要注意。HSS型HSPはとにかく誤解されやすいため、実の親にさえ理解されずに育ってきた方も多い可能性があり、それゆえに自己肯定感が低めの可能性も高いと予想できます。退屈な安定よりも、つい刺激を求めてしまうとはいえ、お金のトラブルや不倫などといったトラブルに巻き込まれないよう、繊細さのアンテナを活かして最初から避けることも重要です。
point2. 自分と真逆のタイプに「共感」を求めすぎない
「刺激」を求めてしまうHSS型HSPは、似た者同士で穏便に過ごすよりも、「え~、この人、どうしてそんなこと思うんだろう?」と自分とは違う考えや趣味嗜好の人に惹かれます。真逆のタイプを好きになってしまうことも。
最初から刺激を求めている、つまり、自分にない魅力に惹かれることを自覚して、「共感」や「理解」よりも、「受容」をできるかどうかをいつも大切に、パートナーシップを育むことをお勧めします。
「共感」と書きましたが、本来の共感とは「私も!」や「わかるわかる!」という「賛同」や「同意」ではなく、「あなたはそう思うのね(なるほど)」と想像すること。
HSS型HSPの場合、相手に対して、この本来の「共感」ができれば大丈夫。大切なのは、「異なる相手」を「違うんだな」と思うだけ。喧嘩して寂しさを見出してしまう日々も訪れるかもしれません。それを避けるには、日々、自己肯定感を高める努力を惜しまないことも大切です。
自分がダメだと思ってしまうと、相手が正解のように感じ、対等の関係が築けなくなって関係性も崩れてしまいかねません。真逆のタイプとは、違いを認めあえる関係を築いていくことが重要です。
point3. 誤解されやすい自分の特性を伝える
まず第一印象で、どちらの側面を見せる傾向にあるか、自己分析しておきましょう。好奇心旺盛でわくわくする側面と、繊細でちょっとした一言に傷ついてしまう側面。どちらを表に出しやすいでしょうか。筆者は若いころは繊細さんのほうが前面に出ていました。おかげで好みの繊細な男性よりも、「俺が守ってやるよ」タイプの熱い男性が寄ってきやすかったものです。
今、HSS型HSPのあなたがもしも「なんか好みじゃない人ばっかり寄ってくる」と思っているなら、どちらかの側面がうまくアピールができていないということかもしれません。隠れているほうの自分を上手にアピールする機会を持つと、意外性が魅力に映る可能性もあります。
好奇心旺盛のイメージからつきあい出すと、外向的だからと繊細さに配慮してもらえないことがあったり、繊細さが前面に出ているときにつきあい出すと「好奇心旺盛」な面について理解を得られなかったり。どちらにしても、「人の性格はひとつ」と思い込んでいる人が多いなか、HSS型HSPは誤解をされやすいので、「どちらの性質も持っているのだ」ということを、しっかり相手に理解してもらう必要があります。
そして、両方の面があるからこその自分の魅力を理解してもらうことが、パートナーシップを育むポイントです。
point4. 聞き役になり過ぎないよう境界線を築く
HSS型HSPは、好奇心があるので全然知らない分野の話でも「面白そう!」と感じたら相槌をうちながら丁寧に聞こうとします。そのため年齢性別問わず、話し相手として評価されやすく、異性からも「あなたに話をしたい」とよく声をかけられてしまうはずです。
本当に仲良くなりたい相手ならそれも恋のきっかけになりますが、そうではない相手なのに、何度も誘われて話を聞くうちに、相手からは一方的に好かれてしまう……ということが出てきてしまいます。仮に恋愛に発展したとしても、相手からあなたへのエネルギーがどんどん流れ込み、こちらは受け取るばかりという一方通行な関係になってしまいがちです。
聞いてあげる、そして、聞いてもらう。このエネルギーの循環ができる相手を選びましょう。
そして、そうではない相手、特に、異性にはバウンダリー(境界線)を築けるようなコツをしっかり身につけておくことが大切です。「自分に興味を持ってもらっている!」と感じ、それを「きっと俺のことが好きなんだ!」と誤解する男性は多いもの。「NO」と言える勇気と技術を身につけましょう。
point5. 長く続けたいなら「向上心のある人」を選ぶ
刺激を求めるHSS型HSPは、飽きやすいといわれます。そして、安定していたとしても淡々と日々を生きる堅実なタイプとは恋に落ちにくいのではないでしょうか。
当事者である筆者も、高校時代の恋愛においては3ヶ月ごとに「やっぱりやめてみようかな」と言っては友人に「信じられない! トラブルもないのにどうして?」と言われていました。ついつい、何か新しいものを求めてしまうのです。
そんなHSS型HSPでも飽きない相手とは、どんどん自分をアップデートしていく「向上心が強い」タイプ。向上心があり、変化していく彼なら、エンドレスで好きでいられるはずです。ただし、向上心がある男というのは、好奇心もある。つまり、あなたと同じで気があちこちに向いてしまうので、新しい恋に発展する危険性も多くなるでしょう。このあたりの見極めと許容についてはまた別の問題ですので、また次の機会に書いてみたいと思います。