コロナ禍の「特別な夏」に勃発した帰省トラブル
「今年の夏は特別な夏」という小池都知事のメッセージどおり、コロナ禍での夏休みをいつもと違う雰囲気で迎えた人も多かったはず。私のところには、コロナ禍での帰省をめぐるトラブルによって夫婦間の危機が生じたケースについて、今なおさまざまな相談が舞い込みます。
つい先日も、仕事の都合でどうしても東京に出張しなければならなかった地方在住の男性からの相談を受けたばかり。その男性は、東京出張に猛反対だった妻と大喧嘩になり、妻の実家からも帰省を断られただけでなく、「そんな自分勝手な人間とは知らなかった。娘とは別れてほしい」と切り出されたといいます。
じつは、それだけではありません。相談者の男性が東京出張したことがご近所中に広まり、今まで仲良しだったご近所のあちこちからもお付き合いを断られてしまい、いわゆる“コロナいじめ”に遭ったご夫婦は四面楚歌の状態に。幸い、男性はコロナウイルスに感染せずに済んだものの、現在は、ますます夫婦関係が険悪な状態に……。
円満な関係を取り戻す3つの方法
コロナ禍の帰省をめぐって生じたトラブルの多くは、離れて住む親子間に「帰りたい」と「帰ってきてほしくない」、「帰ってきてほしい」と「帰るわけにはいかない」という対立構造が背景にあったようです。もしも、今年の夏休みの帰省をめぐって親子間にトラブルが生じてしまった場合でも、大丈夫。こじらせずに円満な関係をふたたび築くことができる可能性は、まだ残されているからです。
円満な関係に導くための、効果的なアフターフォローの方法は次の3つです。
アプローチ1. ビデオ通話で「顔の見えるコミュニケーション」を
LINEやメールの言葉だけでは、感情を伝えきれない部分があるため、誤解が生じることもあります。「本当は会いたかったのだけれど……」という気持ちを伝えるためにも、顔の見えるビデオ通話で残念がっている表情を見せてあげることが大事です。顔の見えるコミュニケーションは、言葉では伝えきれない多くの気持ちを乗せることができるものです。
アプローチ2. ちょっとした「贈り物で気持ちを伝える」
相手の好物やほしがっていたちょっとしたアイテムを後から贈ることも、もらった相手がよろこぶ行動です。「残念ですが……」という言葉だけでは物足りなく思ったことでも、後から贈りものが届くことで、「今年は会えなかったけれど、ちゃんと覚えていてくれたのね」と思ってもらえることも少なくありません。気持ちは形にして伝えることも重要です。
アプローチ3. あえてアナログに「手紙を書く」
デジタルデバイスがコミュニケーションの主流になっている今、あえてアナログなアプローチで手紙を書くのもおすすめです。気持ちを伝えられるだけでなく、手紙を受け取った相手は「娘家族からこんな手紙が送られてきたんですよ」などと、まわりの人に披露するという体で自慢することもできるからです。手紙を書くのは手間がかかることですが、かけた手間以上に相手に大きなよろこびを与えられるものです。
……これらの3つの方法は、いずれも夏休みが終わった今からでも行動できることです。「離れていても、ちょっとしたトラブルがあっても、やっぱり私たちは家族ですから」というあたたかい気持ちを示すことが、円満な関係に修復することにつながるのです。