アラフィフ男たちの再婚……ハードルは高い

再婚のハードル

2017年の人口動態調査(厚生労働省)によると、結婚総数606,866組のうち、夫婦とも、または夫か妻のどちらかが再婚の件数は161,243組。結婚したカップルの約27%、4組に1組以上が再婚カップルだとわかる。年代別にみると、40代後半で再婚カップルが初婚カップルの数を上回るのだ。とはいえ、誰もが再婚していくわけではなく、したくてもできない人も多いようだ。

 

子どもたちが敏感な年頃なので

「再婚ねえ、したい気持ちはあるけど、うちはまだ無理だとあきらめています」

そう言うのは、ヨウタさん(48歳)だ。30歳のときに2歳年下の女性と結婚したが、42歳で離婚。離婚時、10歳と6歳の子がいたが、ふたりは妻がひきとった。離婚の原因は「不明」だという。

「とにかく妻が離婚したいの一点張り。子どもふたり連れて実家に戻ってしまったんです。わけがわからないまま、先方の両親からも離婚してやってほしいと言われました。子どもには自由に会うことを条件に離婚したんですが、2年後、妻の実家から子どもを預かってほしい、と。元妻が再婚したそうです。腹が立ちましたね、子どもがかわいそうでたまらなかった」

ヨウタさんは子どもたちを引きとった。以来4年間、シングルファーザーとしてがんばっている。高校生となった長女の弁当は毎日作り続けてきた。

「夕飯の下ごしらえはして出社するんですが、長女がそれを料理してくれることも多いですね。負担をかけて悪いなと思っているんですが、長女はいつも明るく弟のめんどうをみている。それがせつなくてね……。週末は友だちと遊びに行ってこいと送り出しています。無謀なことをする子じゃないと信じていますから」

今は仕事と子どものことで精神的にも肉体的にも精一杯だというヨウタさんだが、心にひっかかる女性がいないわけではない。

「高校時代の同窓会で再会した、当時好きだった女性とはときどきメッセージのやりとりをしています。彼女も離婚していますが子どもがいない。何かできることがあったら手伝うよと言ってくれるんですが、僕は関東、あちらは北陸、なかなかすぐ会える距離でもなくて。ただ、話ができる女友だちがいるのは大きいですね。彼女が僕をどう思っているかはわかりませんが」

下の子が18歳になるまであと6年。それまでは再婚したくてもしないほうがいいとヨウタさんは考えている。

「これ以上、大人の身勝手に子どもを巻き込みたくない」

 

再婚したいけど経済的にできない

養育費が重くのしかかって、再婚したいと思いながら経済的にできない人もいる。離婚して4年後に再婚しようと思ったものの、相手の女性に「専業主婦になりたい」と言われて、泣く泣くあきらめたのは、シンイチさん(52歳)だ。

30歳で結婚、3人の子をもうけたが15年後に離婚。当時、13歳、9歳、6歳の子がいた。離婚は「性格の不一致」だが、実際には妻の束縛や支配的な性格にシンイチさんが疲れ果てたのだという。そんなとき、たった1回の浮気を理由に離婚を切り出された。

「どうやらその浮気も、妻の策略だったらしいんですけどね、あとから考えると。妻が知り合いの女性に私を誘惑させたんですよ。それに乗った私が悪いんですが」

慰謝料と養育費で首が回らなくなり、自宅を売却、親からも借金をした。今も月々の養育費で給料の半分以上をもっていかれている。

「子どもたちは全員、母親についていきました。いきなりひとりぼっちになって、最初は解放されたような気分で独身生活を楽しんでいたんですが、1年もたつと寂しくてたまらなくなった。行きつけのバーで知り合った7歳年下の女性といい感じになってつきあい始めたのが離婚から3年たったころですね」

手元に残る収入が少ないことを、彼女にはなかなか言い出せなかった。言い出せないままに彼女を本気で好きになり、プロポーズまでしてしまったのだという。

「甘かったですね。彼女はずっと独身で仕事をしてきたんですが、もう疲れ果てて仕事を続けたくないというタイミングだった。だから専業主婦になりたいと。そこでようやく離婚して収入がこういう状況なので余裕がないと告げました」

彼女は自分も働かなければいけないとわかり、ひどくがっかりした様子だったという。もちろん、それを見たシンイチさんも落胆した。

「彼女は私ではなく、養ってくれる男だったら誰でもよかったんでしょうね」

実際、40代女性の平均年収は400万円ほど。一方、男性は567万円と大きな違いがある。彼女が仕事に疲れたという気持ちもわかる。男女の賃金格差がなくなれば、「結婚に逃げたくなる」女性も減るに違いない。

シンイチさんは、今も再婚したいという願望をもっている。あと5年でいちばん下の子も18歳。そうすれば養育費や学費支援も終わる。そうしたら再婚して、心置きなく新たな人生を歩みたいと、ほんの少しだけ笑顔を覗かせた。


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