レディースファッション

ファッションで「身を守る」時代に!自分らしいおしゃれを再発見

これまでは「見栄え」が重視だった、ファッションの役割が変わりつつあります。環境問題への配慮や、快適さを保つ機能、さらに2020年注目されている「ウイルスから身を守る」目的まで。ニューノーマル時代の、おしゃれの楽しみ方を考察します。

宮田 理江

執筆者:宮田 理江

レディースファッションガイド

「ニューノーマル(New Normal)」時代に求められる服とは?

おしゃれのありようがガラリと変わる年になりそうです。2020年に入って、「街に出る」「人に会う」といった、これまで当たり前だった出来事が減り、ファッションの意味合いも書き換えが進んでいます。

新しい状況は装いの「かたち」を、どう変えていくのでしょうか。長く続きそうな「ニューノーマル(新しい日常)」に見合った着こなしをはじめ、未来に向けて思い描いてみます。
   

「見た目のおしゃれ」から、「意識のおしゃれ」へ

 
mina perhonen(ミナ ペルホネン)

2019年11~2020年2月に開催された「ミナ ペルホネン」の展覧会は「100年続くブランド」がコンセプト。設立当初から今季までの服が並び、錆びることのない愛らしさから、サステナブルなものづくりが見て取れます(c)Rie Miyata


これまでファッションは、主に見栄えが重視されてきました。もちろん、清潔感や好印象は大前提。

他に期待されていたのは、居場所になじむ、他人を不快にさせない、スタイルがよく見えるなどの役割です。自己表現や楽しみでもありましたが、周囲との折り合いを付けるような存在だったとも言えます。
 
ところが、数シーズン前から、世界の有力ブランドが積極的に打ち出しているのは、環境汚染等に対しての取り組みを踏まえた、地球に優しいファッション。いわゆる「サステナブル(sustainable)=持続可能」なおしゃれです。食べ物や美容と同じように、衣服についても、製造過程などを気にする人が増えてきたからです。

 

外出時に「サバイバルシックなアイテム」が注目

KURO(クロ)

デニムブランド「KURO」から登場した抗菌加工を施したシリーズ。第1弾としてデニムジャケットが発売されました (c)KURO


また、現在のファッションには、快適さを保つ機能がこれまで以上に求められています。

たとえば、ここ数シーズンでは、アウトドアやスポーツ系ウエア、風通しがよく体が締め付けられないワンピース、脚裁きのよいワイドパンツなどが支持されています。近年は天気がいっそう不安定になってきたせいで、風雨をしのぎやすいウエアも評価を得るように。

さらに、2020年から新たに浮上してきたのが「身を守る」という、プロテクション(防護)の機能です。医療現場の防護服やガウンほどではないにしても、ウイルスの感染を防ぐための、いくらかの抗菌やブロック効果が期待されるようになっています。
 
near.nippon (ニアーニッポン)

日本ブランド「near.nippon」の2020春夏コレクションで発表した服の余り布でつくられたおしゃれマスク。 (c)Rie Miyata


マスク着用が日常化する中、鼻と口をしっかりカバーする装いの需要も高まってきました。ファッション性の高いマスクは、既に新たなおしゃれ小物に昇格。今後は、鼻から首にかけて覆う、中東のヴェール風フェイス小物も転用が進みそうです。
 
外出する際は、大ぶりの帽子や日傘がソーシャルディスタンシングの確保に役立ちます。ひじまで覆うロンググローブ、大きめのサングラスなども、皮膚接触を避けつつ、レディーライクな雰囲気をまとわせてくれるツールに。

秋以降は襟が高く、あごを隠すようなハイカラーのアウターも出てきそう。パーカ(フーディ)やマフラー、ネックゲイターにもマスク兼用タイプが相次いで登場すると見込まれています。抗菌仕様も広がりを見せるでしょう。
 
 

おうち時間を有意義に過ごせるウエアがさらに充実

 
Temperley London

オンライン会議やビデオトーク、リモートワークにもおしゃれを生かしてみては。「Temperley London」の2020年春夏コレクションはロンドン店で、居間でくつろぐような雰囲気で発表されました(c)Rie Miyata


格段に長くなった家ごもりの時間は、逆に他人の目を気にせずに済む時間でもあります。

従来は職場や集まりで、シチュエーションごとに異なる「ルール」や「約束事」に目配りした装いを選ぶ必要がありました。

でも、自宅では周りのまなざしから自由。映画『セックス・アンド・ザ・シティ2』では、肌を隠した服装で外出していた中東女性が、家では華やかな服を楽しむ姿が描かれていました。そこまで極端ではないにしても、自宅はもっと自分らしいおしゃれの場になり得るのではないでしょうか。

本当に好きな服や、勇気が出ずに人前では着られなかった服も「おうちコーディネート」なら安心してトライできます。家ごもりは、本当に自分好みの装いを見付けるチャンスにもなることでしょう。
 
 

心の健康に繋がるおしゃれへ 自分自身のために

 
Snow Peak(スノーピーク) YAMAI(ヤマイ)

アウトドアブランド「Snow Peak」からデビューした新ブランド「YAMAI」は、「豊かな自然に似合う服」をテーマに、上質な天然素材を使用 (c)Rie Miyata


外出しない時間が続くと、曜日感覚が崩れたり、気が滅入ったりしがちです。でも、おしゃれをすることによって、気持ちが切り替えられ、背筋も伸びるような感覚が得られます。

例えば、寝間着兼用のルームウエアから、お気に入りのワンピースに着替えるだけで華やいだ気分に。リモートワークでは軽いジャケットやシャツで、キリッと仕事にスイッチできるでしょう。
 
人に見てもらうためではなく、自分の気持ちを整えるためのコーディネートは、気持ちを穏やかにしたり、ポジティブにしたりという点で、心の健康にも繋がるように思えます。新しい役割やメリットを意識しながら、ニューノーマル時代は、自分自身のためにおしゃれを楽しんでみてはいかがでしょうか。

 
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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