亀山早苗の恋愛コラム

別居2年。離婚もつきつけたけれど、夫は何もわかっていない

別居して2年、夫は何もわかっていない。そこで妻は弁護士を通して夫に離婚をつきつけた。それでもまだ夫は何もわかっていない。そんな妻の思いとは。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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弁護士を通し、離婚をつきつけたのに……

離婚したい

別居して2年、夫は何もわかっていない。そこで妻は弁護士を通して夫に離婚をつきつけた。それでもまだ夫は何もわかっていない。そんな妻の思いとは。

 

 

借金も暴力もないと言い張る夫

ミカさん(46歳)は、結婚して18年たつ夫と離婚協議中だ。17歳の息子、15歳の娘も離婚には賛成しているという。

「2年前に子どもたちを連れて家を出ました。夫は何が起こったのかわからないと言っていたけど、子どもたちが小さいころから私はずっと夫への不満を小出しにしてきたんです。もっと子育てをしてほしい、子どもと関わってほしい、と。夫は『時間があればやるよ、忙しいんだよ』と口癖のように言っていました。だけど実際には時間があっても、ごろごろしていて子どもと関わろうとしなかった。本人は関わった“つもり”でいたようですが」

夫は自分では「誰もが平等だというつもりで家族に接してきた」と言っているそうだ。だがミカさんから見ると、何度も「女子どもがそんなこと言うな」とか、「女のくせにこんなこともできないのか」という言葉を浴びせられてきた。

「別居直前に夫と話したとき、夫はそんなのは冗談だったと笑い飛ばしたんです。借金も暴力もないのに、どうしてオレを責めるんだ、と。この人は結局、自分のことは棚に上げて人を非難するだけ、女を下に見てるだけなんだなと思いました。それが別居の引き金となりました」

息子は当初、父親に同情的な側面もあったという。

「私が別居を決断したとき、子どもたちにどうするか聞いたんです。娘はすぐ私と一緒に出ると言ったんですが、息子はしばらくは残る、と。夫には置き手紙をして、あらかじめ借りていたアパートに1日で引っ越しを決行しました。でも1週間後に、息子が自分の荷物をもってやってきたんです。『おとうさんはおかあさんの悪口ばかり言ってる。反省がないんだよね、一緒にはいられない』と」

父は息子にも見放されてしまったのだ。

 

 

夫への情もなくなった

ミカさんは最初、共働きを望んでいた。だが、子どもが生まれると夫は家庭に入ってほしいと懇願した。

「自分が働く母親に育てられたので、家にいてほしいと思っていたようです。でも私は受け入れなかった。子どもはいずれ大きくなる。自分の人生は貫きたかった。子どもが小さいときは時短とか週休3日にしてもらうとか、いろいろ工夫をしました。会社も対応してくれた。それでも当時、夫はほとんど協力してくれなかったんですよね」

そのことを夫は覚えていないそうだ。自分だって保育園のお迎えはしていたというのだが、ミカさんは当時の日記から、夫がお迎えにいったのは月に1回程度だと論破した。

「夫は自分がすごく家庭に関わっていたという認識があるようなんですが、日記を見ると全然関わっていない。仕事だと言って自分だけ友人と遊びに行って、あとからバレたりもしている。どうしてそういう記憶の塗り替えが起こってしまうんでしょう。夫は自分が正しいと思い込んでいるからじゃないでしょうか」

別居から2年、彼女はとうとう離婚届をつきつけた。夫は離婚には同意しない姿勢を見せているそうだ。

「私は財産分与をして早く離婚したいんですが、夫はこちらの弁護士との話し合いもしないという態度。調停、審判へと進むしかないかもしれません」

夫とは話し合いにならない、もうすでに情もないと突き放しているミカさんだが、夫は「妻と直接、話したい」の一点張りだとか。

夫の記憶は夫の中では正しいのかもしれない。妻からの再三のサインも、夫は気づかなかったのかもしれない。ただ、最後にミカさんが言ったように、「自分は正しい」という思い込みが強すぎるのではないだろうか。夫が素の自分を出して妻と話し合っていれば、ここまで問題がこじれることはなかったのかもしれない。
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