ロードスター

平成元年(1989年)発表の初代ユーノス・ロードスター。パカっと上向きに開くリトラクタブルヘッドライトが特徴的で、今でも中古車市場では100万円以上の値段が付くクルマがあるほど
 

「将来、子どもの手が離れたら乗りたいクルマ」として、アラフォー自動車ライターの私がイチオシするのは、平成の始まりに登場したオープン2シーター。ファミリーカーが要らなくなったら、こんな一台はいかがでしょう?

   

巻き髪OLが乗りこなす姿に一目惚れ

平成の幕開けと同じ頃に高校生になり、ガソリンスタンドでアルバイトを始めた私が、あの日、あの時、あの場所でこのクルマに会えなかったら、今の仕事をすることはなかったでしょう。時は1990年代前半。クリスマスキャロルが流れるバイト先に、それまでカローラIIに乗っていた常連客の女性が突然、真っ赤なオープンカーでやってきました。真冬の晴れた日曜日に、幌を開けて。

その流れるようなボディラインと、彼女のゆるく巻かれた髪が醸し出す「自分で稼ぐ大人のオンナ感」が衝撃的で、「大人=オープンカー」という方程式が単純な女子高生の脳ミソに刷り込まれた瞬間でした。

 

モデルチェンジのたびに洗練され、乗りやすくなっていく

ロードスター

初代(一番奥)からモデルチェンジを重ね、現行モデル(一番手前)は4代目。今年で生誕から30周年を迎える
 

この初代モデルを社会人2年目に中古で手に入れた私は、運転の楽しさにすっかりハマりました。夜の首都高速を走り出せば、まさに自由になれた気がした24の夜。早朝の箱根路で幌を開け、明けてゆく紫色の空を眺め、大観山のレストハウスでモーニングコーヒーを飲んだりもしました。

その後、初代ユーノス・ロードスターはマツダ・ロードスターへと名前を変え、最新装備とデザインは次々とアップデートされていきます。

 

出産で2シーターはあきらめたけど、いつかまた乗りたい

20代で手に入れた私の愛車も、結婚、出産で家族が増え、「楽しい」より「実用性」を重視し、泣く泣く手放すことに。しかし、マツダはこのモデルを売り続けてくれると信じています。私のようなユーザーが「子育てが終わったら乗りたい」と戻ってくるはずですから。
ロードスター

4代目(現行型)ロードスターのインテリア。肌で季節を感じるドライブを楽しめるのは贅沢の極み
 

また運転を楽しみたい人や、子どもが巣立った後に楽しみが見つけられるか心配な人はもちろん、「DRIVEに連れてって」といつかは言われたい人、ブレーキランプ5回点滅させて、「ア・イ・シ・テ・ルのサイン」を今さらリアルにやりたくなった人、オバさんになってもオープンカーの屋根をはずして、かっこよく走ってくれる男性とドライブしたい人……などなど、平成という時代に青春っぽいことをやり残した男女にも、ぜひ一度は乗っていただきたい一台なのです。

「ドライブ」という言葉が令和の時代には死語になるかもしれません。ドライブが立派なレジャーであり、文化であった時代「平成」を懐かしみながら、オープンカーを運転してみるのはいかがでしょう。特別な日にレンタカーで利用するのもオススメですよ。

 

DATA
マツダ│マツダ・ロードスター

サイズ:全長3,915×全幅1,735×全高1,235mm
エンジン:1.5L 直列4気筒
燃料タンク容量:40L
車両重量:990~1,060 kg
乗車定員:2名
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