たばこ1箱480円のうちの税金は何と300円!
たばこは本人や周囲の人の健康を害することから、世界的にも吸わない方向に進んでいます。たばこの価格が上がれば買う人が減って喫煙率も下がるので、たばこは簡単に増税されて価格が上がりやすいです。平成が始まった頃の一般的なたばこは1箱200円台でしたが、現在は1箱480円程度もし、平成時代だけで倍になっています。たばこは税負担が大きく、「たばこ税(国税)」「たばこ税(地方税)」「たばこ特別税」「消費税」の4つの税を負担します。税率(税の負担割合)は下記の通りです。消費税は現在8%です。
国税と地方税がかけられた後の価格に消費税率をかけるので、税金にも消費税がかかっている状況です。2019年1月現在の税率はたばこ千本あたり13,244円ですが、2018年9月までは12,244円でした。また2020年10月からは14,244円へ、2021年10月からは15,244円へ上がる予定になっています。では1箱(20本)あたりの税額はいくらなのか、1箱480円の場合で計算してみました。
たばこ1箱480円のうち実に300円が税金となっています。そのうち消費税が35.55円で、消費税抜き444.45円に消費税をかけて480円になります。たばこは税負担割合が62.6%にもなり、1本吸うごとに15円納税するわけですから、税負担は大きいと言えます。
喫煙率は男性29.4%・女性7.2%
たばこ税は吸わない人は関係なく、たばこを吸う(買う)人だけが納める税金です。昨今は価格が大きく上昇し、健康志向が強まっていることもあって喫煙率はかなり下がっています。2017年の喫煙率を世代別に表にしてみました。喫煙率は「毎日吸っている」と「時々吸う日がある」を喫煙者として計算しています。厚生労働省の平成29年国民健康・栄養調査によると、成人の喫煙率は17.7%で男女の差が大きく、男性29.4%に対し女性は7.2%で4倍の差があります。年代別の喫煙率では、男性は30歳代が最も高く女性は40歳代が最も高くなっています。
喫煙者はたばこで年間10万円程度納税している
最後に喫煙者がたばこで1年間に納める税額を計算してみました。1つ目の考え方は国や地方の税収から推測したものです。消費税はたばこ税(国税・地方税)とたばこ特別税の合計額から税負担割合で推測しています。各統計の時期が一致していなく、吸う本数や購入する銘柄に個人差があるので、計算結果はあくまで推計値と考えて下さい。1年間のたばこ税収はたばこ税(国税)9142億円、たばこ特別税1414億円、地方たばこ税1兆598億円で、合わせて2兆1154億円にもなります。税負担割合から消費税を2839億円とすると、たばこに関する税負担の合計額は2兆3993億円となります。これを成人喫煙者(人口×喫煙率)で割って納税推計額を求めたところ、喫煙者がたばこに関して納める税額は、1人当たり1年間で12.9万円になりました。
そしてもう1つ、より簡単に喫煙本数から計算してみました。厚生労働省の平成29年国民健康・栄養調査によると、喫煙者の1日あたりの喫煙本数は平均15.5本となっています。年間にすると5657.5本(283箱)になり、1箱当たりの税額が300.43円なので、計算すると1人当たり1年間で8.5万円になりました。
喫煙者は1日平均15.5本吸っている
計算方法を変えただけで4万円以上も変わってしまいましたが、大雑把に言えばたばこを吸う(買う)ことで年10万円程度の納税をしていると言えそうです。たばこ代を全て貯金していれば10年で100万円も貯められそうですが、吸う人は100万円の貯蓄よりも喫煙の方が、優先順位が上なのかもしれません。実際には吸うのを止めてもそのまま貯まるとは限りませんが、それよりも年間5千本以上吸うことで体にどれだけ悪影響を及ぼしているかが心配になります。喫煙が原因で病気になって、治療費負担が生じて借金をすることにならないよう願いたいものです。