日本企業が高性能マイニング機器を開発・リリース開始
これまでビットコインのマイニング機器市場は中国企業ビットメインの寡占状態にありましたが、日本企業や中国の競合企業によるマイニング機器開発の報道がここにきて相次いでいます。まずは、日本企業の取り組みを見てみましょう。半導体開発を行う日本企業のトリプルワンは、ビットコインのマイニングマシン用半導体チップ「KAMIKAZE」の開発に成功したと9月に発表しました。
最先端技術により従来16mmが主だったチップサイズを高密度の7mmとし、マイニング用半導体シェアトップのビットメイン社製品より約2倍の計算能力を誇るとしています。
さらに、性能評価テストでは、主流マイニングマシンの消費電力の約半分で同レベルのハッシュレート値を保つことができるという結果を出すことにも成功、11月には出荷を見込んでいます。
今年の5月には、同じく日本企業であるGMOインターネットが自社開発のマイニングマシン「GMOマイナー B2」の販売をスタートさせています。同機も「KAMIKAZE」と同様に、最先端7nmプロセスを用いた半導体チップを搭載、出荷は10月末から順次行われる予定です。
ビットメイン社優勢の勢力図に変化が?
中国国内でも最大手ビットメイン社の勢力を崩すかもしれない動きが出ています。マイニング機器競合企業であるEBANG社は9月、10nmプロセスの新機種ASIC(マイニングに利用される集積回路)の新シリーズを発表。同機種がビットメイン社のASICよりもハッシュレート値が高く省電力の高性能マシンであると公表しています。
しかし、ビットメイン社も7nmプロセスの新ASICを発表予定であるとの情報もあり、中国企業間での開発競争も今後より一層激しくなっていくと思われます。
ただし、これまでは中国のビットメイン一社の寡占状態だったマイニング機器市場そのものが、日本企業や他国の参入により国際的な競争激化の様相を見せていくかもしれません。
マイニングはビットコインの新規生成過程でなくてはならない作業であり、高性能機器の開発競争が今後市場にどのような影響を与えていくのか注目されます。