マネーtips!お金持ちになるための365日/岩井俊憲さんのアドラー心理学から分析する成功&お金持ちになる法則

アドラー心理学から考える!お金持ちになれる人の自信

周囲の人に認められたい──。誰もが持つ承認欲求も、ひとたびボタンを掛け違えると大変なことに!本当にお金持ちになれる人や成功者は過剰な承認欲求を持たないといいます。アドラー心理学から見る、本当に自分を信頼し、成功するために必要なことを解説します。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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お金持ち&成功者は過剰な承認欲求を持たない

「私たちは自分で人生を作っていかなければならない。」「私たちは自分自身の行動の主人公である」とアドラーは著書の中で言います。アドラー心理学に詳しい岩井俊憲さんに、人間の心の持ち方とお金&成功の法則について聞きました!(第1回『アドラー心理学から分析する!お金持ちになる法則』から続きます)
 
お金持ち&成功者は過剰な承認欲求を持たない

お金持ち&成功者は過剰な承認欲求を持たない



他人に認められたい──。心理学的には「承認欲求」と呼び、誰しもがこの欲求を持っています。しかし成功する人、お金持ちになる人はこの承認欲求が少ないのです。承認欲求自体がすべて悪いものではありません。人間は社会的動物ですから、自分が何らかの形で社会やコミュニティーの中で役割があり、実際に役に立っているという実感はとても重要です。いわば本能に近い欲求でもあります。

社会のためになっている、人々の役に立ちそれによって周囲から自分は認められているという実感は、人が生きる最大のモチベーションになります。

ただし、余りにそれが先行し過ぎるのは問題です。人に認められたいばかりに、周囲の意向を気にし、他人の意見に合わせてしまう。それによって本当の自分を殺してしまう人がいます。
 

親の期待に応えすぎな現代の若者たち

たとえば親の期待にこたえ、親を喜ばせたいために一生懸命勉強する。自分の本当に好きな道を選ばず、親や周囲の評価に従って進路を選択してしまう。そんなケースは意外に多いのではないでしょうか? 

とくに最近は親子の関係がいい意味でも悪い意味でも親密です。一昔前は思春期になると親に反発し、親の意向に従わない子供が多かったと思いますが、いまは反抗期という言葉すら死語のようです。それだけに親の意向に合わせて、本当の自分を殺してしまっている子どもが増えているのではないでしょうか。

成功している人は社会の役に立ちたい、認められたいという承認欲求はもちろんありますが、だからと言って他人の意向や意見に自分を無理に合わせ、自分を殺してしまうことはしません。あくまでも人生の選択権は自分にあり、自分に素直に生きているのが成功者の特徴です。

それは傍若無人に自分の好きなように生きるということではありません。人生の選択権は自分にあるということ。そしてそれに責任をもつということ。最後の最後は自分の考えと良心に従うということです。
 

人生の価値基準、モノサシを自分の中に持つ

同じ承認欲求を持っていても、それゆえに他人におもねってしまう人と、自分を大切にし、主体性を失わない人、その違いはどこからくるのでしょうか?

おそらくいくつか要因があると思いますが、根本的には人生の価値判断や尺度を自分の中に持っているか、持っていないかでしょう。持っていない人はどうしても他人の持っている価値判断に合わせてしまう。

アドラー心理学ではそのような人生は他者の人生を生きているにすぎないと捉えます。それはもったいないことであり、本当の意味で成功もなければ、幸せにもなれないというのです。

自分の中で自分なりの尺度を持つには、知識や教養、それに経験も必要でしょう。しかし根本にあるのは自分に対する信頼と自信がなければなりません。
 

自分をごまかして生きているうちは本当の自信は生まれない

では自分に対する信頼と自信はどこから生まれてくるのか? 幼い頃の親の教育や愛情も大きい。ただしこれに関しては追って詳しく触れるとして、それ以外で大事なこととして、自分をごまかさないこと、自分に嘘を付かないことが挙げられます。

ここで話は第1回の「AだからBできない」という言い訳の話に関連してきます。問題が起きた時、何かに直面した時、楽な方に流され過去の自分にかこつけて問題から逃げたとします。そういうことを繰り返している人は、果たして自分に自信を持つことができるでしょうか?

表面的には自分をごまかせても、無意識では自分自身を欺いて逃げた自己を責めています。そして嘘をついている自分を認めておらず、信頼することができません。

このような人は自信が持てないので、自分の価値判断、尺度も信頼できない。そうなるとそれを補うために他人の尺度に頼るようになります。他人の評価や他人の目が気になり、他者からの評価や賞賛がないと不安になるのです。
 

ちょっとした勇気をもって人生の課題にぶち当たる

逆に少しの勇気を持って自分と向き合い、前向きに改善したり努力し成長した実感を積み上げている人はどうでしょうか? 自分に対する信頼感は自分をごまかす癖が付いている人よりはるかに高いものがあるでしょう。

これを仏教では「身・口・意の三業(しん・く・いのさんごう)」という言葉で表現します。自分の行動、言葉、意識が一致していること、つまりは「自己矛盾」がない状態といってよいかもしれません。

そういう人は他者の評価に振り回されず、自分の価値観や意見に従って行動することができます。アドラーの言う自分の人生を自ら選択できる、本当の意味で人生の主役になれる人なのです。

持続的に成功する人、それによってお金を稼ぐことができる人は、まず例外なく自分を本当の意味で信頼できる人であり、自分に自信がある人です。そのためには、自分をごまかさない勇気、自分の課題や問題に向き合う勇気が必要だと言うことになるのです。

自分を信頼できるかどうかというのは、「自己受容」ということと密接に関係します。じつは成功している人、お金を稼ぐ人は決まって「自己受容力」が高い。次の第3回ではその自己受容について詳しく見ていきましょう。

★第3回『アドラー心理学の「自己受容」でお金持ち体質に』に続きます

教えてくれたのは……

岩井俊憲さん
 
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1947年、栃木県生まれ。1970年早稲田大学卒業。外資系企業の管理職などを経て、1985年有限会社ヒューマン・ギルドを設立、代表取締役に就任。アドラー心理学カウンセリング指導者。上級教育カウンセラー。おもな著作に『勇気づけの心理学 増補・改訂版』(金子書房)、『失意の時こそ勇気を 心の雨の日の過ごし方』(コスモス・ライブラリー)、『2時間で折れない心を手に入れるアドラー心理学』(宝島社)、『働く人のためのアドラー心理学 「もう疲れたよ…」にきく8つの習慣』 (朝日文庫)など多数

取材・文/本間大樹
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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