ハーレーに似合うヘルメット選びのポイント!
国内・海外合わせると無数とも思える種類が揃うバイク用ヘルメット。ハーレーダビッドソンという特別な一台を手に入れたのだから、その愛車を引き立てるようなヘルメットを選びたいと思うのはオーナーとして当然のことです。他のバイクとは違う“ハーレーならでは”のヘルメットの選び方と、それに基づいた最新のおすすめヘルメットブランド5つをご紹介しましょう。<目次>
ポイントは「アメリカの匂いがすること」
「自分が気に入ったヘルメットをかぶる」のと「バイク&オーナーに似合うヘルメットをかぶる」のとでは、意味合いがまったく変わってきます。前者はハーレーに似合うかどうかに関わらず「自分がいいと思った」というオーナー本位であるのに対し、ハーレーダビッドソンというバイクが伝えようとする世界観に基づいたヘルメット選びになっているのが後者です。自己満足か、万人から認められるか。ここでは後者の方針に基づいてご紹介します。端的に言えば「アメリカの匂いがするかどうか」。
半世紀以上に及ぶアメリカのヘルメットの歴史を鑑みつつ、同じアメリカの匂いを持つハーレーダビッドソンの各モデルとどうマッチングさせていくかが、ハーレーライダーのヘルメット選びの醍醐味と言えるのだと思います。
1950~1960年代は創世記ということもあって、ホワイトやベージュ、ブラック、シルバーといったシンプルな単色のものが並びましたが、1960年代後半から普及し始めたカラーテレビの影響もあって、1970年代になるとカラーやデザインがかなり派手なものが増えてくるのです。
そして1980年代に入ると、バイクの進化に伴って機能性の高いヘルメットが台頭してきて、またロードレースに出場するライダーの個性を投影したものや、スポンサー広告をイメージしたものなど、デザインそのものも多岐に渡って展開されました。
クラシカルなイメージを色濃く残すハーレーダビッドソン、そんなブランドに似合うのはやはり1950年代から1970年代、1980年代あたりのグラフィックやカラーリングになるでしょう。それこそ、ギラギララメラメなグラフィックのハーレーダビッドソンに、1960年代風の単色ヘルメットをかぶって乗っていると、「……あれ?なんか違う?」なんて思われることも。
そのヘルメットがどの時代を意識したものか、そして自分のハーレーダビッドソンにはどの年代グラフィックが似合うのか……を考えながら、以下のおすすめ5ブランド & 7製品をチェックしてみてください。
ハーレーダビッドソン
言わずと知れたハーレーダビッドソンの正規製品です。取り入れられているデザインには、100年以上に渡るハーレーダビッドソンの歴史が吹き込まれています。
▼ フレーム
燃え盛る炎をデザイニングした、いわゆる「フレイムス」はアメリカングラフィックそのもの。またこのデザインは、1980年に登場した名車ワイドグライドのタンクに描かれていました。そう、ワイドグライドのスピリットをそのまま継承しているのです、ハーレーに似合わないわけがありません。
ギラギラしたものや複数カラーのマシンより、シンプルな単色カラーのハーレーによく映えると思います。
▼ クラシックレトロタンク
その名のとおり、1950年代のハーレーダビッドソンに用いられていたタンクバッジをヘルメットデザインとして取り入れたものです。往年のバッジがそのままグラフィック化してしまうところは、いかにもハーレーといったところでしょうか。
こちらもギラギラ系よりはマットなカラーのものに似合うでしょう。また、ソフテイルデラックスやヘリテイジ、ロードキングといったラインナップ歴が長いベストセラーモデルにマッチしますね。
BELL(ベル)
アメリカに起源を持つ老舗ヘルメットメーカーで、ビンテージハーレー愛好家の愛用者が多い人気ブランドです。現在、商標を獲得している日本メーカー「アクティブ」によるBELLと、本場アメリカに本拠を置くBELLと、それぞれが独自の開発技術を持って手がけたヘルメットを世に放っていますが、アメリカBELLは日本のSG規格製品ではないため、ここでは日本製BELLについてご紹介します。
▼ 500-TXJ
ビンテージハーレー愛好家の間でダントツの人気を誇る1960年代ヘルメット「BELL 500TX」の復刻モデルがこちら。現代ヘルメットは安全性という点で進化してきた一方、その安全性のために帽体(ヘルメットの型そのもの)が大きくなってしまい、着用するとまるでマッチ棒のようなビジュアルになってしまいます。
この500-TXJは安全基準であるSG規格をクリアしつつも、1960年代のシャープなシルエットを保ったデザインに収まっているのです。クラシカルなエクステリアをアイデンティティとするハーレーダビッドソンの雰囲気を高めるのに、これほど最適なヘルメットはないでしょう。単色ながらカラーバリエーションが増えた500-TXJ、スポーツスター・フォーティーエイトやソフテイルスリム 、ストリートボブといったモデルに似合いそうですね。
開発陣のこだわりが凝縮した逸品、個人の頭のサイズによっては着用が難しいものもあるので、ぜひ量販店などで試着してみてください。
▼ STAR2
500TXと同じく1960~1970年代におけるBELLの代表的フルフェイス「BELL STAR2」の復刻モデルです。顔全体をしっかり覆いつつもライディングに不可欠な視野を確保しているのが特徴的。この復刻モデルは当時のBELL STAR2のスタイルを踏襲しつつ、現代の道路事情に対応できる視野となるようデフォルメされているのです。
アライやショーエイといった日本を代表するヘルメットメーカーの最新モデルと比べると、機能面という点では大きく劣るヘルメットですが、そもそもかっ飛ばすことを目的としないクラシカルなハーレーダビッドソンに当てはめれば「必要にして十分」なもの。ハーレーならストリートロッドやスポーツスター・ロードスターといったストリートレーサーモデルにぴったり似合いますね。
Buco(ブコ)
BELLと並んでアメリカで人気を博したヘルメットブランド「Buco(ブコ)」。こちらは日本のモーターギアブランド「トイズマッコイ」によって復刻、充実のラインナップを誇ります。最近復刻モデルが登場したBELLよりも、日本のハーレーライダーの間では親しまれているブランドですね。
Bucoによるプロダクトは、往年のデザインを踏襲するだけでなく、アメリカンカルチャーをしっかりと汲み取ったニューデザインを取り入れているところ。プレーンのシンプルなBucoを軸に、年々バリエーションを増やしていっているところが魅力的です。
▼ スマイルブコ
1960年代、アメリカの芸術家ハーベイ・ボールさんがキャンペーン用に手がけた黄色い笑顔「スマイリーフェイス」、見たことがあるという方も少なくないでしょう。このスマイルブコは、1970年代のBucoヘルメットにも採用されたデザインで、アメリカらしい可愛くてキャッチーなデザインが魅力的。
以前もこのスマイルブコはラインナップされていましたが、今回のモデルは以前のコンパクトサイズヘルメットだとかぶれなかった方のために、62cmまでサイズアップした仕様となっているのです。ハーレーの最新モデルには真っ黄色のものもあるので、そんなカラーリングとマッチさせるのも面白いですね。
この愛らしいデザイン、マットブラックが映えるスポーツスター・アイアン883や70'sモデル・アイアン1200、883スーパーローといったモデルに似合いそうですね。
SIMPSON(シンプソン)
BELLやBucoと同じアメリカブランドながら、それらブランドとは一線を画するほど戦闘的なマスクに仕上げられているSIMPSON(シンプソン)。このビジュアルを見れば、余計な説明が不要だということがお分りいただけるかと思います。
シンプソンの創業は1959年、レーシングシーンに特化したメーカーとして展開、BELLやBucoよりもハイエンドなブランドという地位を確率させました。アメリカンのみならず、他メーカーのレーシングバイクを駆るライダーにも愛されている老舗ブランドです。
▼ M30
老舗メーカーとして数々のヘルメットを手がけてきたシンプソン、その中でも特に人気が高い「M30」の復刻モデルがこちら。上の世代の方には映画『MAD MAX』(1979年公開)でのイメージが強いかと思います。このM30人気、アメリカよりも日本での高さが上で、この復刻モデルも日本の輸入代理店がイチから作り上げた量産ヘルメットなのです。
やはりレーサーテイストのマシンに似合うヘルメットですね。ハーレーで言えばスポーツスターのロードスターやフォーティーエイト、ストリートロッド、ソフテイルスリム 、ファットボブがぴったりというイメージ。
TT&Company(ティーティーアンドカンパニー)
純国産ブランドとして広く展開している東京・江戸川区のTT&カンパニー。かつてハーレーダビッドソンのカスタムショップとして活動していたこともあり、日本におけるハーレーの世界観をしっかりと掴んだプロダクトがずらり並びます。
とりわけ人気を博しているのはそのデザイン。BELLやシンプソンの人気モデルをインスパイアしつつ、TT&カンパニーならではのアイディアやデザインが描きこまれたヘルメット群はカスタムショーなどのイベントでも注目を集める存在で、また著名なハーレーカスタムショップでも取り扱い店が増えているのです。
▼ スーパーマグナム
BELL 500-TXJでも申し上げましたが、SG規格のヘルメットは帽体が大きくなってしまいマッチ棒のような見た目になる……という難点がありました。TT&カンパニーもこの課題に立ち向かい、規格をクリアしつつバランスよく理想のスリムシェイプを実現したのがこのスーパーマグナムなのです。
ポイントは「目深にかぶれること」。そう、グッと頭にフィットしつつおでこが見えないかぶり心地を生み出しています。私が理想のジェットヘルメットとして選ぶとしたら、BELL 500-TXJかこのスーパーマグナムですね。そう言ってしまうほど理想的なシルエットを描いているアイテムです。
シンプルな単色モデルからエイジング加工が施されたモデル、独創性の高いグラフィックが描かれたモデルと、オーナーの好みに合わせて選べるところも嬉しいポイント。1970年代風のラメラメボディーのハーレーにはギラギラヘルメットが、ワンカラーのハーレーには同じ単色仕様か、もしくは派手なグラフィックのヘルメットで目立たせてみる、というコーディネートも面白いですね。
まとめ
「好きなものをかぶればいい」と言えばそれまでですが、せっかくのハーレーダビッドソンですので、憧れたアメリカンな薫りが漂うもので演出したいですよね。そして「ハーレーダビッドソン」「ヘルメット」とアメリカテイストで統一したら、さらにファッションもアメカジでまとめたくなってくるもの! そんなハーレーファッションも合わせて楽しんでみましょう!
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