レギュラーとハイオクの違いとは?
ガソリンには「レギュラー」と「ハイオク」の2種類がありますが、これは「オクタン価」の違いによるもの。オクタン価が高い=ハイオクタン、これが「ハイオク」と呼ばれるガソリンです。オクタン価とは「ガソリンの点火しやすさ」の値のことです。この数値が低いほど、エンジンのピストン内でガソリンを燃やすときに「異常燃焼(ノッキング)」が起こりやすくなります。最近のクルマのエンジンは、点火のタイミングをコンピューターが制御していますが、ハイオクはレギュラーよりも異常燃焼が起きにくく、効率よく燃えてくれるので、パワーの大きなエンジンや高級車のエンジンは大抵このハイオク指定です。ハイオクは生成の過程で、添加剤なども含まれていて手間がかかっているので、レギュラーよりも単価が10円/l程度高くなります。
軽油とガソリンの違いとは?
軽油もガソリンも、同じ原油からできていますが、原油を蒸留するときの温度によって分かれます。ガソリンは軽油よりも低い温度で抽出するので、同じ原油から抽出しても、その沸点には差が出てきます。軽油の沸点は180℃~、ガソリンは30℃~と言われていますので、軽油の方が圧倒的に高圧、高温で燃えます。そのため、ディーゼル(軽油)のエンジンは、ガソリンよりもより高い圧力をかけて高温で爆発させるので、エンジンで発生するパワーはより大きくなります。
だから、トラックや大型SUVのような、粘り強いパワーが必要なクルマにはディーゼルエンジンが採用されているのです。
ディーゼルエンジンは排気ガスが汚いと言われてきましたが、最近では排気ガス中の有害物質を減らしたクリーンなディーゼルが主流になり、乗用車にもたくさん採用されています。最近では、ガソリンスタンドで軽油を入れているコンパクトカーも珍しくなくなりました。
間違った燃料を給油したらどうなるのか?
■ハイオク指定の車にレギュラーを入れた場合同じガソリン車なので、走ることは可能です。しかし、エンジン内で異常燃焼が起きたり、効率よくパワーが出なかったりするので、燃費も悪くなり、エンジンが本来持っている力を発揮することはできません。「ハイオク専用車」と書かれたクルマであれば、レギュラーを給油することでトラブルの原因にもなりかねないので、レギュラーの給油はあくまでも「緊急用」と思っていた方が良いでしょう。
■ガソリン指定の車に軽油を入れた場合/軽油指定の車にガソリンを入れた場合
そもそも、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンは、エンジン内での燃焼方法がまったく違います。
- ガソリンエンジン=ガソリンと空気を圧縮させて、点火プラグで爆発させる
- ディーゼルエンジン=空気だけを圧縮させ、そこへ軽油を吹きかけて爆発させる
もし、ディーゼルエンジンにガソリンを給油してしまったら、しばらくは燃料ポンプに残った軽油で燃焼できるかもしれませんが、燃料がガソリンに切り替わってしまうと、燃料噴射ポンプが壊れてエンジンが動かなくなります。
ガソリンエンジンに軽油を給油してしまった場合は、エンジン内で不完全燃焼が起こってしまうので、同じようにエンジンは壊れて動かなくなります。
どちらにしても、誤って給油してしまったらエンジンは絶対に始動せず、ガソリンスタンドで燃料をタンクから全て抜いてもらうか、ロードサービスなどへ連絡して誤給油であることを伝え、対応してもらいましょう。
また、軽自動車は「軽油で走る」と思っている人もいるようですが、軽自動車の「軽」は軽油の軽ではありません。ほとんどの軽自動車は「レギュラーガソリン」で走りますので、絶対に間違えないようにしてください。
軽自動車の「軽」は「軽油」の軽ではありません。