近場で気楽に楽しめる「鉄道旅」はいかが?

田園地帯をのんびり走る小湊鐵道のディーゼルカー

田園地帯をのんびり走る小湊鐵道のディーゼルカー


春の行楽シーズン、遠くへ行く余裕はなく、どこか近場で楽しめる場所はないだろうか、と考えている人に朗報。日帰りで、ふらりと近場の鉄道旅はいかがだろうか? 今回は、首都圏での魅力的な鉄道をピックアップしてみた。予約不要の列車もあるので、今からでも遅くはないであろう。
 

千葉のローカル鉄道旅! いすみ鉄道&小湊鐵道

キハ28

いすみ鉄道の旧国鉄形ディーゼルカー、キハ28


首都圏では数少ない、非電化でディーゼル列車が走るローカル色豊かな路線。いすみ鉄道では、旧国鉄形のディーゼルカー「キハ28」と「キハ52」の2両編成の昭和を感じさせるノスタルジックな列車を運行している。急行として運転しているので急行券(300円)が必要だが、自由席もあるので、ふらりと出掛けても大丈夫だ。

新型車両には、ムーミンを車内に飾ったセミクロスシートの車両や国鉄形キハのレプリカのような車両もあり、急行以外にも乗って楽しい車両ばかりだ。絶景路線ではないけれど、かつてはどこでも見かけたのどかな田園風景は慌ただしい都会人には癒しとなるであろう。
里山トロッコ列車

小湊鐵道の里山トロッコ列車


一方の小湊鐵道は、SL風ディーゼル機関車牽引の里山トロッコ列車を、上総牛久駅~養老渓谷駅間で土休日は1日3往復、平日2往復(毎日ではないので運転日に注意)している。予約制ではあるが、列車によっては、まだ乗れる可能性もあるので、予約サイトで確認することをおすすめする。

トロッコ列車以外の普通列車もロングシートとは言え、のどかな田園風景や山間部を走行するのみならず、各駅も雰囲気のある駅舎などローカル線の魅力たっぷりである。

2つの鉄道を使って房総半島を横断するなら、房総横断乗車券(大人1700円、こども850円)が便利。五井駅または大原駅から乗車し、途中下車可能だが、後戻りはできない。

■いすみ鉄道
アクセス:JR外房線・大原駅乗り換え/東京駅から特急わかしおで大原まで約1時間15分
<いすみ鉄道1日フリー乗車券>大人1000円、こども500円
いすみ鉄道公式サイト 

■小湊鐵道
アクセス:JR内房線・五井駅乗換/東京駅から快速電車で約1時間5分
なお、出発地によっては、JRよりも高速バスやマイカーのほうが便利なこともある。マイカーの場合は駅前などに駐車場もあるので、各鉄道のサイトでチェックしておきたい。
小湊鐵道公式サイト 
里山トロッコ列車公式サイト 


永遠の憧れ・SL列車 秩父鉄道&真岡鐵道

SLパレオエクスプレス

長瀞付近の荒川を渡るSLパレオエクスプレス


全国各地でSL(蒸気機関車)列車の運転が行われているが、首都圏の近場では、秩父鉄道(埼玉県)と真岡鐵道(栃木県、一部茨城県)が有名だ。秩父鉄道では、大型のC58形牽引の「パレオエクスプレス」、真岡鐵道では小型のC12形あるいはC11形牽引の「SLもおか」が土休日を中心に1日1往復している。真岡鐵道は非電化路線で架線が張られていないので、広々とした情景の中を走る本来の汽車の姿が堪能できる。
SLもおか

真岡駅の「SLキューロク館」脇を走る「SLもおか」


いずれの列車も予約を行っていて残席があれば当日券も発行している。秩父鉄道の場合は運転区間が長く、秩父駅や長瀞駅で下車する人もいるので、往路の場合は、秩父駅~三峰口駅、復路の場合は、寄居駅~熊谷駅の区間乗車なら比較的整理券が取りやすい。

また、SL列車は乗車のみならず、走行シーンの撮影や見学も魅力的なので、整理券が取れなくても楽しみ方は様々だ。

■秩父鉄道
アクセス:秩父鉄道の始発駅熊谷へはJR高崎線、寄居駅からの乗車なら東武東上線、御花畑駅からの乗車なら西武秩父(徒歩数分)と使い分けることができる。
  • 東京からJR高崎線・熊谷駅まで約1時間10分
  • 池袋から東武東上線・寄居駅まで約1時間30分
  • 池袋から西武線・西武秩父駅まで約1時間20分
<SLパレオエクスプレス>SL座席指定券=720円、SL整理券(自由席)=510円(ともに大人、こども同額)
別途乗車区間の運賃が必要
秩父鉄道SLパレオエクスプレスの公式サイト 

■真岡鐵道
アクセス:真岡鐵道の始発駅・下館駅へは、JRなら小山駅で水戸線に乗換、あるいはTX(つくばエクスプレス)で守谷駅まで行き、関東鉄道常総線で下館駅へ向かう方法もある。
<SLもおか>SL整理券=大人500円、こども250円
別途乗車区間の運賃が必要
真岡鐵道公式サイト 
関東鉄道常総線

関東鉄道常総線の乗車も魅力的だ


常総線経由なら、常総線・真岡鐵道線共通一日自由きっぷ(大人2300円、こども1150円)もおトクである(ただし、真岡鐵道は益子までなので、終点の茂木まで行くなら追加料金が必要となる)。


小型車両に乗ってのんびり散歩 江ノ電&東急世田谷線

江ノ電

江ノ島をバックに快走する江ノ電


普通の鉄道ではなく、ややこぶりの路面電車風車両は、独特の趣があって楽しめる。首都圏で代表的なのは、江ノ電(神奈川県)と東急世田谷線、それに路面電車の都電荒川線だ。ここでは、江ノ電と東急世田谷線をご紹介しておこう。

江ノ電は、藤沢駅と鎌倉駅の間を海岸線に沿って進むので車窓も楽しめる。江ノ島駅付近に道路上を走る区間があるけれど、法規上は路面電車ではなく一般鉄道だ。
極楽寺トンネル

極楽寺トンネルから出てきた江ノ電


様々な車両が存在しているので、どの車両にあたるのかも楽しみの一つ。最近は、外国人にも人気で異常に混むこともあるので、午前の早い時間帯に現地に到着するのがいいだろう。沿線の見どころは、大仏、長谷寺、由比ヶ浜、極楽寺、江ノ島など多々ある。

■江ノ電
アクセス:JR横須賀線・鎌倉駅乗換/東京駅から55分
JR東海道本線・藤沢駅乗換/東京駅から50分
<江ノ電1日乗車券「のりおりくん」>大人600円、こども300円
江ノ電公式サイト
幸福の招き猫電車」

東急世田谷線を走る「幸福の招き猫電車」


東急世田谷線は、全線通しで乗っても17分というミニ路線。世田谷区の住宅地をのんびり進む。車内はバスのような一人がけクロスシートが中心で、2両編成のうちの前の車両がいつも進行方向を向いている。

松陰神社前近くにある吉田松陰を祀った松陰神社、上町駅からすぐの世田谷代官屋敷、宮の坂駅から歩いて数分のところにある招き猫で有名な豪徳寺など歴史散歩が楽しめるほか、線路際の洒落たカフェやレストランなども点在している。

世田谷線の前身である玉電から数えて開通110周年を記念した「幸福の招き猫電車」を、当初の予定だった3月末から半年間延長して9月末まで運行している。車体のかわいらしい招き猫のラッピングのみならず、車内も招き猫形の吊り手や床の肉球跡など愉快な仕掛け満載なので乗りに行ってはいかがだろうか?運行予定ダイヤも公表されている。

全区間均一料金で、おとな150円だが、1日乗り放題の「世田谷線散策きっぷ」は、わずか330円(こども170円)。沿線のお店で使える特典クーポン付きの「散策ガイド」も貰えるのでおトクに1日過せる。

■東急世田谷線
アクセス:東急田園都市線・三軒茶屋駅乗換/渋谷から5分
京王線・下高井戸駅乗換/新宿から10分(各停、快速のみ停車)


水戸岡デザイン列車で河口湖へ  富士山ビュー特急など面白列車がいっぱい

富士山ビュー特急

富士山ビュー特急


JR中央線の大月駅から分岐して河口湖へ向かう富士急行は、近年観光用の愉快な電車が続々と登場し、鉄道ファンや家族連れを楽しませてくれる。富士急行オリジナルの富士山を擬人化したキャラを車体に描いた「フジサン特急」のほか、JR九州の観光列車でお馴染の水戸岡鋭治氏がデザインした「富士登山電車」「富士山ビュー特急」が人気だ。
富士山ビュー特急の車内

富士山ビュー特急の車内


ほかにも元京王電鉄で活躍した5000系電車やNEX(成田エクスプレス)などJRからの直通電車も走りバラエティに富んだラインナップでどれに乗ろうか迷うほど。
フジサン特急

愉快なラッピングのフジサン特急


河口湖はもちろんのこと、沿線にはレジャー施設の富士急ハイランド、往年の寝台車を展示した下吉田駅のブルートレインテラス、禾生(かせい)駅からバスで数分のところにあるリニア見学センター、それに車窓から眺められる富士山と魅力たっぷりである。

■富士急行
アクセス:JR中央本線・大月駅乗換/新宿から特急で67分。
富士急行公式サイト 
禾生駅からのバス (運行本数が少ないので注意)


快適クロスシートで三浦半島へ 京急快特の旅

京急の快特

京急の快特


泉岳寺駅始発として品川、川崎、横浜を経由して三浦半島の三崎口駅まで走る京急の快特は、昼間は20分毎に運行し、特別料金不要のクロスシート列車として知られている。かなりのスピードで走り、起伏に富んだ車窓も楽しめて、気楽に乗れる行楽電車として貴重な存在だ。
横須賀の軍港

ヴェルニー公園から眺めた横須賀の軍港


横須賀中央で降りれば軍港横須賀の町歩きや港の風情や遊覧船でのクルーズも魅力的だ。終点三崎口からバスに乗れば、油壺マリンパーク、三崎港、城ケ島にも行ける。マグロが美味しいので、往復の運賃と現地での食事がセットになったおトクな「みさきまぐろきっぷ」を使ってのお出かけもおすすめだ。

■京急快特
アクセス:品川から横須賀中央まで約45分 
品川から三崎口まで約65分 
みさきまぐろきっぷ 
よこすか満喫きっぷ 


ほかにも気楽に行ける鉄道旅のコースはいくつもあるけれど、今回は以上5つを紹介した。近場の行楽プランを立てるときの参考になれば幸いである。

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