悩んでも時間のムダ?不安の正体は何かを考える
近年は「老後破綻」「老後難民」「下流老人」なる言葉がメディアに出てきて、老後のお金の問題を極端に不安視する人が少なくないと言います。しかし現実には、不安に感じていることの9割は起こらないともいわれていますし、悩んだところで事態が改善するわけでもないので時間の無駄です。大切なのは悩むことではなく、その問題の本質を洗い出すことです。そうすれば、悩みや不安は課題として可視化され、解決方法が見えてきます。不安の正体は何か。お金か、健康か、孤独なのか。お金だとしたら、たとえば年金給付の削減に備えて確定拠出年金や個人年金に加入しておくとか、医療費がかからないよう生活習慣を改善する、定年退職後も収入が得られるよう、起業の準備をしたり資産運用したりするなど解決方法が思いつく。解決方法がわかればあとは取り組むだけです。
子どもが不登校になって悩んでいる、というケースも同じで、「困った」と頭を抱えるのではなく、なぜ学校に行きたくないのか、原因を突き止める。いじめがあるのなら学校に相談するとか、転校するという方法もある。勉強が面白くないというなら、ではどうすれば面白くなるかを考える。あるいは「別に学校なんて行かなくてもいいじゃん」と、無認可でものびのびと学べる施設に行かせてもいい。
そうやって悩みを課題に変え、解決方法を考えるようにすれば、人生で起こる問題のほとんどは解消できるはずです。もしその解決方法を実行できない場合は、実はそれよりももっと重要なことを選んでいるだけ。
たとえば「今の会社の人間関係が悩み。でも転職はできない」というなら、転職のリスクリターンよりも、今の職場で我慢するほうが自分にとっては重要だということ。ならば今の仕事に不平不満を言うのはまったく意味がない行為だということがわかります。