そもそもグリッドガールとレースクイーンって違うの?
モータースポーツの世界最高峰、F1のグリッドガール廃止が日本でも大きな話題になっています。そのニュースを受け「日本でもレースクイーンが廃止になるのではないか!?」と報じているメディアもありますね。とは言え、グリッドガールとレースクイーンは似て非なるもので、役割が違うのです。グリッドガールはレースのスタート前にマシンの前で車番が記されているグリッドボードを持つ女性のこと。レースクイーンはチームをスポンサードしている企業や商品の広告塔であり応援団です。
高校野球に例えるならグリッドガールは開会式の入場行進で学校名が記されているボードを持って先頭を歩く女性。レースクイーンはスタンドで選手を応援するチアリーダーのようなもの。
雇い主も大会主催者と各チームスポンサーと異なりますので、この二者を同一線上で語るには無理があります。(*ただしレースクイーンはスタート前にグリッドボードを持つのでグリッドガールを兼務しています)
なぜF1でグリッドガールが廃止されたのか?
しかし、せっかくの機会なのでこのニュースを掘り下げてみましょう。まず、F1でなぜグリッドガールが廃止されたのでしょうか?私は経営者の交代が大きいと見ています。これまでF1はイギリス人のバーニー・エクレストン氏が40年に渡り経営してきました。
ところが2016年1月にアメリカの企業「リバティ・メディア」が買収。マネージング・ディレクターのショーン・ブラッチズ氏はグリッドガール廃止について「グリッドガールの起用は、何十年もF1グランプリの定番だったが、この慣行は我々のブランド価値に共鳴せず、現代の社会規範とは明らかに矛盾すると感じている。これは、F1と世界中の新旧のファンにとって適切であるとは思えない」とコメントを出しています(コメントはF1通信より引用)。
いかにも性差別に敏感なアメリカらしい方針です。グリッドガール廃止は時代の潮流に寄り添いながらもF1が変わったことを世界中にアピールするひとつの手段だったのではないでしょうか。
日本でもレースクイーンは廃止される?
一方、日本のレースクイーンはバブル期に生まれた特有の文化であり、発祥から30年以上経った今、レースに関わる様々な人たちがレースクイーンによって利益を得るようになっています。実際にレースを見に行くと分かりますが、観客の3割はレースクイーン目当て。その多くが高額のパドックパスやピットウォーク券 を購入しているので主催者やサーキットにとって無視できない存在です。
≫≫レースクイーンの成り立ちから現在まではコチラの記事で
また、レースクイーンを採用するスポンサー企業、手配する広告代理店、提供するプロダクションにとってもレースクイーンは大きな収入源になっています。
サーキットを離れても車系のイベントや撮影会への出演や、車・バイク系さらにはグラビア誌への露出など、レースクイーンをやることによって得られる仕事はたくさんあります。もし、廃止などという動きがあった場合、それらから反発が起こることは間違いないでしょう。
今回、F1のグリッドガール廃止のニュースから思いがけずレースクイーンの存在が注目を浴びることになりましたが、その話題の広がりこそが日本でどれだけレースクイーンが浸透しているかを示していると思います。レースクイーンは無くならない! そう断言して良いでしょう。
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