鉄道ガイドが食べて選んだ!東京駅で買えるおすすめ駅弁
日本の鉄道の中枢ともいえる東京駅は、利用者が多いだけあって駅弁の種類も豊富、東京駅オリジナルのものだけではなく全国の有名駅弁も常時販売している。その中で、特色あるもの、人気のものをピックアップして紹介してみたい。01_老舗の味を堪能!「東京弁当」
「老舗の味」と謳っているように、浅草・今半の牛肉たけのこ、人形町・魚久のキングサーモン粕漬け、築地・青木の玉子焼、日本ばし大増の野菜のうま煮といった名料理を少しづつとはいえ、箱の中に詰め込み贅沢な駅弁となっている。ご飯も「あきたこまち」の中でもこだわりのお米として有機認証米が使われ、口に運ぶだけで美味しさを堪能できる。
おまけとして東京駅赤レンガ駅舎の昔の絵葉書が入っているのも東京駅の駅弁らしくてよい。人気もあるので、遅い時間に売店をのぞくと完売のこともある。1650円(税込)。
02_下町の味わいを再現した東京名物「深川めし」
江戸の下町・深川(現・江東区)の名物あさりのうま味と生姜の効いた深川煮や穴子を詰め込んだ漁師好みの味わいで、茶飯もぴったり合う。
東京駅の庶民的な駅弁であり、リーズナブルな和食弁当を探しているならおすすめ。900円(税込)。
03_天皇陛下のお気に入りとして話題に「チキン弁当」
東海道新幹線が開業した1964年から長く販売されている歴史ある駅弁。コミカルな鶏のイラストが描かれたオレンジの箱を開けると、白いケースが2つ入っている。左側が、グリーンピースと卵をまぶしたトマト風味のチキンライス、右側がチキンのから揚げでスモークチーズ、マカロニサラダ、それにレモン果汁が添えてある。
癖のない味わいで誰でも安心して食べられる。天皇陛下のお気に入り弁当として話題となったことも。850円(税込)。
04_お酒との相性抜群!「まぐろいくら弁当」
辛みのきいた漬けまぐろと、いくらの醤油漬けを酢飯に盛付けた駅弁。まぐろはビンナガマグロを使用している。午後遅い時間以降の列車に乗って、ビールとともに食べたい。
この駅弁は東京駅限定ではなく上野駅や大宮駅でも買うことができる。1250円(税込)。
05_ヘルシーで女性人気の高い「30品目バランス弁当」
こってりした肉や揚げものメインの駅弁を避けたい人向き。ヘルシーな味わいゆえとりわけ女性に人気がある。
煮物(春雨入り巾着、人参、牛蒡、南瓜、こんにゃく)、菜の花のお浸し、きのこの柚香和え、鶏肉の和風マスタード焼き、いんげん、赤パプリカ揚、飾り人参煮、湯葉あんかけ(帆立、茄子、筍、そら豆)大学芋、野菜入り玉子焼、蓮根金平、赤魚白醤油焼、ひじきご飯(国産米)刻み梅、白飯(国産米)青菜小エビふりかけ、とお品書きにある通りバランス良く食材が盛り込まれている。900円(税込)。
06_仙台名物といえばこれ!「極撰 炭火焼き 牛たん弁当」
仙台名物の牛たん弁当。黄色いヒモを引き抜くと発熱して5~6分待つと温かくなる。冬場でアツアツのものを口にしたくなる人向き。特製の塩ダレで熟成させ、厚めにカットした牛たんが、宮城県産のひとめぼれを使用した麦めしの上に乗っていると絶妙な味わいとなる。
注意書きにある通り、膝の上に載せないでテーブルをセットして操作すること。テーブルのない列車内では危ないので気をつけたい。1350円(税込)。
07_人気商品を一つで2度楽しめる「どまん中百選」
山形新幹線の停車駅米沢(山形県)の名物駅弁「牛肉どまん中」。東京駅でも販売していて人気商品である。ストレートに紹介してもいいのだが、ちょっと趣向を変えて、関連商品の「どまん中百選」を取り上げてみた。
これは、オリジナルの「牛肉どまん中」と牛たん、うなぎ、海鮮のいずれかと組み合わせたもので、私が入手したのは「うなぎどまん中」とのセット商品だった。2つとも通常の弁当を半分にしたくらいのサイズで、2種類の味が楽しめる。あるいは、女性など少食の人や、それほどお腹がすいていないときに1つ購入して、2人で分けあうという食べ方もできる。
パッケージが2つに分解できるし、箸も2膳ついているのでありがたい。肉は定評ある味わいで食べやすい。なお、どまん中とは山形県のブランド米の名前だ。ちなみに、この2種類の味が楽しめる「どまん中百選」は東京駅限定発売とのことである。1450円(税込)。
08_バラエティ豊かな味を食べ比べ!?「東海道新幹線弁当」
東海道新幹線の青と白の車体をイメージしたパッケージを開けると、東京、静岡、名古屋、関西という沿線のバラエティに富んだ味を詰め込んだ弁当である。すなわち、深川めし、穴子蒲焼(以上東京)、黒はんぺん(静岡)、みそかつ、エビフライ(以上名古屋)、芋、タコ、南瓜(関西)といった食材で、夕方以降なら酒の肴にもぴったりだ。
その名の通り、東海道新幹線の改札内やホームでしか販売していないので、通勤帰りに東京駅構内で購入して在来線の車内や自宅で食べることはできない。新横浜、名古屋、京都や新大阪、「のぞみ」「ひかり」の車内販売でも入手できる。1000円(税込)。
09_日本初のサンドウィッチ駅弁「大船軒サンドウヰッチ」
その名の通り東海道本線の大船駅(神奈川県鎌倉市)で販売している日本初のサンドウィッチ駅弁として知られるもの。1899年より販売が続いているというから120年近い歴史のある弁当だ。サンドウヰッチという表記が歴史を感じさせる。東京駅でも売っているので、ご飯ものでは重たいとか、テーブルが装備されていない在来線の普通列車で気楽に食べるのに適している。
ご当地の鎌倉ハムとチーズがパンにはさまれている。サラダはついていないので、栄養のバランスを取るなら、コンビニやキオスクでサラダを別途購入するとよい。530円(税込)。
10_子供に大人気!E5系はやぶさ、E6系こまち、E7系新幹線弁当など
新幹線の車体がパッケージとなっている駅弁で、子供や鉄道ファンに人気がある。中身よりも食べ終わってからプラスティックの容器を持ち帰って保存したくなる。食材は、子供が好きそうなウィンナーや揚げ物が多く、また量もやや少なめ。大人には物足りないかもしれない。はやぶさ、こまち=1200円、E7系=1300円(いずれも税込)。
何か所もある東京駅の駅弁売り場
東京駅の駅弁売り場は、何か所もある。中央のコンコースにある「駅弁屋 祭」が一番巨大で品ぞろえは充実しているが、常時混雑していて、レジの列も長い。乗車する列車の発車時間まで余裕がないときは乗り遅れる可能性もあるので要注意。
「駅弁屋 踊」は、新幹線改札に近いカウンター形式のもので、店員さんに商品名を告げて渡してもらう。
そのほか、新幹線ホームにも売り場がいくつもある。東海道新幹線の改札内やホームの売店は、上記の「駅弁屋 祭」「駅弁屋 踊」とは品ぞろえが異なる。
東京駅から鉄道旅行を始めるときはもちろん、旅気分を味わうために通勤や買い物帰りに駅弁を買って帰宅するのも楽しいかもしれない。