300万円前後で買える最新SUVを5台ピックアップ
新車の中でも勢いがあるのがSUVだ。クロカン系から流行のクロスオーバー、プレミアムモデルまで国産、輸入車を問わず多彩に揃っている。
ベースのハッチバックやワゴンなどよりも背を高くする分、空間効率、積載性に優れ、走りもSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)の名に恥じないモデルも多い。
今回は車両価格、諸費用込みで「300万円前後」で買えるSUVを5台ピックアップした。
2017年も残すところ1カ月あまりとなり、SUVナンバー1の座が気になるところ。2016年は、ホンダ・ヴェゼルが暦年で販売台数1位を獲得。なお、ヴェゼルは2014年から3年連続で1位となっている。
2017年のSUVナンバー1はトヨタC-HRで当確か!?
トヨタC-HRは、2,516,400円~2,905,200円。全長4360×全幅1795×全高1550~1565mm
その座を奪い去るのが確実と思われるのがトヨタ・C-HRだ。2017年1月から10月までSUVでは首位を独走。
プリウスと同じ「TNGA」と呼ばれる新しいプラットフォームとクルマ作りの手法を採用し、大胆に攻めたエクステリアデザインとスポーティな走り、そして子ども2人までならファミリーユースでも十分に使える居住性、積載性を確保している。
後席は着座位置(お尻の位置)がやや低めで、前方の前席の背もたれが大きめということもあって少し圧迫感を覚えるのも確かだ。しかし、後席のバックレストも大きいなど、欧州市場も見据えたシート設計ともいえる。
スポーティなデザインを優先し、ある程度、後方視界を「見切っている」が、トヨタ社内の後方視界に対する基準値(要求値)はクリアしているという。
■C-HR 車種情報(ハイブリッド/ガソリン)
・駆動方式:2WD/4WD
・全長×全幅×全高(mm):4360×1795×1550/1565
・車両重量(kg):1440/1470
・定員(人):5
・総排気量(cc):1797/1196
・エンジン種類:直列4気筒DOHC/直列4気筒インタークーラー付ターボ
・最高出力(kW(PS)/rpm):72(98)/5200/85(116)/5200~5600
・最大トルク(Nm(kgfm)/rpm):142(14.5)/3600/185(18.9)/1500~4000
・JC08燃費(km/l):30.2/15.4
・新車価格(オプション除く):251万6400円~290万5200円
ヴェゼルの広さや積載性の高さは一級品
発売から4年近く経ち、来年春くらいのビッグマイナーチェンジの噂も流れているホンダ・ヴェゼル。スタイリングや走りが好みという人もいるだろうが、ヴェゼル最大の魅力は、後席の広さと積載性の高さだろう。
ホンダ自慢のセンタータンクレイアウト(前席下に燃料タンクを配置)により、床面は低く、しかも後席の足元はフラット。
トヨタC-HRは、間違いなくヴェゼルを意識し、徹底して研究したはず。C-HRとヴェゼルの大きな違いは、ホンダ自慢のセンタータンクレイアウトの恩恵によるもので、低くて広い後席だけでなく、低くて広いラゲッジにも現れている。後席座面の跳ね上げ機構やフラットに倒せる後席など、多くの(大きな)荷物を積むニーズに応えてくれるはずだ。
■ヴェゼル 車種情報(ハイブリッド/ガソリン)
・駆動方式:2WD/4WD
・全長×全幅×全高(mm):4295~4305×1770~1790×1605
・車両重量(kg):1270~1390/1190~1270
・定員(人):5
・総排気量(cc):1496
・エンジン種類:水冷直列4気筒横置DOHC
・最高出力(kW(PS)/rpm):97(132)/6600/96(131)/6600
・最大トルク(Nm(kgfm)/rpm):156(15.9)/4600/155(15.8)/4600
・JC08燃費(km/l):21.6~27/19~20.6
・新車価格(オプション除く):192万0000円~288万6000円
4WD、安全性、SUBARUらしさに満ちたXV
2017年4月に発表されたSUBARU XVも外せない選択肢。全高を1550mmに抑えながら(ルーフレールなしの場合)、最低地上高をライバルよりも高めの200mmとしているのは先代同様の美点。
さらに、全車4WDなのはもちろん、新型は「X-MODE」を搭載することで、悪路走破性を高めている。雪国の方はもちろん、普段は都市部にいてスノーシーズンにレジャーや帰省などをするニーズにも応えてくれる。
後席は頭上空間が少し狭く感じるものの、足元空間は十分に確保されていて、大人4人が無理なく乗れるのはもちろん、荷室は奥行き、幅がボディサイズを考えるとかなり広い。後席の背もたれを倒さなくてもゴルフバッグ(9インチを2セット横積み可能)やベビーカーを積み込める。
■SUBARU XV 車種情報(1.6L/2.0L)
・駆動方式:4WD
・全長×全幅×全高(mm):4465×1800×1550
・車両重量(kg):1410~1440
・定員(人):5
・総排気量(cc):1599~1995
・エンジン種類:水平対向4気筒1.6L DOHC/水平対向4気筒2.0L DOHC
・最高出力(kW(PS)/rpm):86(115)/6200/113(154)/6000
・最大トルク(Nm(kgfm)/rpm):148(15.1)/3600/196(20.0)/4000
・JC08燃費(km/l):16.2/16~16.4
・新車価格(オプション除く):213万8400円~273万2400円
待望のガソリンエンジンを追加したマツダCX-3
C-HRやヴェゼルよりもコンパクトで、価格を抑えたいのならマツダCX-3も見逃せない。2015年の登場時は、1.5Lのクリーンディーゼルのみだったが、2017年6月に2.0Lガソリンが追加された。
CX-3はデミオをベースとしながら、SUBARU XVと同様に、高さ1550mm以下の立体駐車場にも入庫できる。自宅などの駐車場はもちろん、狭い都市部での取り回しなどを考えると、この機動力の高さは大きな武器になりそうだ。
外観に惚れて購入する人も多いというエクステリアデザインはもちろん大きな魅力で、走りもマツダらしい軽快なフットワークが味わえる。ロングドライブも多いならトルクフルな1.5Lのディーゼル、街中中心なら2.0Lガソリンを選ぶのがいいだろう。
後席や荷室は確かに狭いので、この点を重視するなら実車で確認したいところ。狭いといっても大人でも実用になる後席だし、荷室も日常の買い物程度なら何ら問題ないはず。
■CX-3 車種情報(ディーゼル/ガソリン)
・駆動方式:2WD/4WD
・全長×全幅×全高(mm):4275×1765×1550
・車両重量(kg):1240~1340
・定員(人):5
・総排気量(cc):1498/1997
・エンジン種類:水冷直列4気筒DOHCターボ/水冷直列4気筒DOHC
・最高出力(kW(PS)/rpm):77(105)/4000/109(148)/6000
・最大トルク(Nm(kgfm)/rpm):270(27.5)/1600~2500/192(19.6)/2800
・JC08燃費(km/l):21~25/16.6~17
・新車価格(オプション除く):210万6000円~303万4000円
多彩なバリエーションを用意する日産エクストレイル
本格SUVでありながらハイブリッドも設定し、さらに高速道路同一車線自動運転技術である「プロパイロット」も設定する日産エクストレイル。少しサイズは大きめだが、そのぶん居住性、積載性には余裕がある。
しかも、車両価格で2WDが250万円超、4WDで280万円超となるものの、3列シート仕様も用意。大型SUVやミニバンまでは要らないけれど、非常用として3列目も欲しいというニーズにも応えてくれる(なお、3列シート車はガソリンエンジンのみで、ハイブリッドは2列シート車のみ)。
雪が滅多に降らない街中中心なら2WDでも十分だろう。ハイブリッドは、2WDはもちろん、4WDも設定されているから静粛性の高さを求めるならハイブリッドを選択する手もある。
■エクストレイル 車種情報(ハイブリッド/ガソリン)
・駆動方式:2WD/4WD
・全長×全幅×全高(mm):4690×1820×1730/1740
・車両重量(kg):1450~1630
・定員(人):5、7(3列シート車)
・総排気量(cc):1997
・エンジン種類:DOHC筒内直接燃料噴射直列4気筒
・最高出力(kW(PS)/rpm):108(147)/6000
・最大トルク(Nm(kgfm)/rpm):207(21.1)/4400
・JC08燃費(km/l):20~20.8/15.6~16.4
・新車価格(オプション除く):219万7800円~309万8520円
今回は、この5台をピックアップしたが、三菱自動車のRVR、コンパクトな日産ジューク、スズキ・SX4 S-CROSS、エスクードの2台も十分にこの価格帯に収まってくる。
さらに、アウトランダー(ガソリン仕様)、新型にスイッチしているマツダCX-5、モデル末期に入ってきたSUBARUフォレスターなども一部ではあるが、トータル300万円超で手に入るグレードも設定されている。
予算やデザインはもちろん、2WDや4WDの有無(必要性)、ガソリンかディーゼルかハイブリッドか。そしてボディサイズや広さ、取り回し、運転のしやすさ、燃費などを吟味して納得できる1台を選びたいところだ。