鉄道/青春18きっぷ・パス

「休日おでかけパス」はどう使う?お得な活用術

休日おでかけパスとは、JR東日本が発売している特別企画乗車券で、東京都と隣接する6つの県のJRの路線(一部)に乗り放題のきっぷである。青春18きっぷに準じた価格設定ではあるものの、別料金を払えば特急や新幹線にも乗れる使いやすいパスである。その使い方と利用範囲、使用例をご紹介しよう。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

「休日おでかけパス」とは?

休日おでかけパス

休日おでかけパス


休日おでかけパスとはJR東日本が発売している特別企画乗車券で、東京都と隣接する6つの県のJRの路線(一部)に乗り放題のきっぷである。「休日おでかけパス」の名称のように、きっぷを使えるのは、土休日、GW期間(4月29日~5月5日)、夏休み期間(7月20日~8月31日)、年末年始(12月29日~1月3日)のうちの1日(始発から終列車まで)である。

2012年3月まで発売していた「ホリデーパス」の後継商品で、ホリデーパスの乗車可能区間を見直して発売となった。


「休日おでかけパス」のフリーエリア内の路線


「休日おでかけパス」のフリーエリア内での乗車可能区間は以下の通り。

【東端】
土浦駅

常磐線は土浦駅までがエリア内だ


常磐線:土浦駅まで
総武本線:成東駅まで
成田線:佐倉駅~成田駅~我孫子駅、成田駅~成田空港駅
外房線:茂原駅まで
内房線:君津駅まで(久留里線は全線)

【西端】
小田原駅

東海道本線は小田原駅までがエリア内だ


東海道本線:小田原駅まで
横須賀線全線
相模線、横浜線全線
中央本線:大月駅まで
青梅線、五日市線全線

【北端】 
八高線:寄居駅まで
川越線全線
高崎線:神保原駅まで
上越新幹線:本庄早稲田駅まで
東北本線:自治医大駅まで
両毛線:小山駅~足利駅
水戸線:小山駅~下館駅

【JR以外で乗車可能な路線】
りんかい線(全線)
東京モノレール(全線)
東京モノレール

東京モノレールは羽田空港まで全線で利用可能だ



【乗れない路線】
JR東日本が発売するきっぷなので、JR東海の東海道新幹線には全く乗れない。


「休日おでかけパス」で乗車できる列車、値段、発売場所

普通列車

パスで乗る機会が多い普通列車


休日おでかけパスのみで乗車できるのは、普通列車(快速列車を含む)普通車自由席。特急券や指定券、グリーン券を別途購入すれば、特急列車、新幹線、グリーン車、指定席車に乗車できる。これは、青春18きっぷとの違いだ。

JR東日本の新幹線

JR東日本の新幹線はエリア内であれば特急券を追加して乗ることができる


ホリデーパスは、青春18きっぷの1日分と同額であったが、休日おでかけパスは、乗車可能範囲を若干広げたため値上がりとなり、2670円である。(青春18きっぷの1日分は2370円)。こども用があり、1330円。

購入できるのは、フリーエリア内のJR東日本の駅のみどりの窓口、びゅうプラザ、指定席券売機など。パスで乗れるりんかい線と東京モノレールの駅では発売しない。

東京駅から乗るとどれだけお得? 往復運賃と損得勘定

八高線

八高線は、高麗川で乗り換えて寄居までがエリア内だ


東京駅からエリアの末端の駅まで単純に往復すると、(※紙のきっぷでの運賃)

東京⇔小田原 片道=1490円、往復=2980円(310円トク)
東京⇔久里浜 片道=1250円、往復=2500円(170円損)
東京⇔大月  片道=1490円、往復=2980円(310円トク)
東京⇔奥多摩 片道=1250円、往復=2500円(170円損)
東京⇔武蔵五日市 片道=920円、往復=1840円(830円損)
東京⇔寄居 片道=1660円、往復=3320円(650円トク)
東京⇔本庄早稲田 片道=1490円、往復=2980円(310円トク)*必ず特急券必要
東京⇔神保原 片道=1490円、往復=2980円(310円トク)
東京⇔足利(小山経由) 片道=1940円、往復=3880円(1210円トク)
東京⇔自治医大 片道=1660円、往復=3320円(650円トク)
東京⇔下館(小山経由) 片道=1660円、往復=3320円(650円トク)
東京⇔土浦 片道=1140円、往復=2280円(390円損)
東京⇔成田空港 片道=1320円、往復=2640円(30円損)
東京⇔成東 片道=1320円、往復=2640円(30円損)
東京⇔茂原 片道=1320円、往復=2640円(30円損)
東京⇔上総亀山 片道=1940円、往復=3880円(1210円トク)
東京⇔君津 片道=1490円、往復=2980円(310円トク)

上総亀山駅

久留里線の終点・上総亀山駅


単純往復するだけでトクになる区間もあれば、ほかにあれこれ乗車しないと単純往復するだけでは損してしまう区間もある。


「休日おでかけパス」 おすすめの使い方、旅行先


1.真岡鉄道のSL列車に乗りに行く、撮りに行く
真岡鐡道のSL

真岡鐡道では複数のSLに逢うことができる


東京駅から上野東京ライン直通電車で北上し、小山で水戸線に乗り換え。鬼怒川を渡り、下館で途中下車。この先の真岡鉄道はJRとは別運賃である。

2.富士急の「楽しい電車」に乗りに行く
富士急の車両

フジサン特急など富士急の車両は楽しい


中央本線の大月まで快速や特急で往復する。310円ほどトクになる。
※富士急線は別運賃

3.熊谷からお台場に遊びに行く
国際展示場駅

幌馬車をイメージした国際展示場駅の駅舎


熊谷駅から大宮駅を経て、埼京線経由でりんかい線直通電車に乗る。池袋駅、新宿駅、大崎駅からはりんかい線に入り国際展示場駅で下車。りんかい線の運賃が高いとはいっても苦になる範囲ではない。さらに、国際展示場駅から新木場駅まで乗り、さらに京葉線で舞浜駅まで行き、ディズニーリゾートのショッピングモールを散策。

熊谷⇒国際展示場 1650円
国際展示場⇒舞浜 430円
舞浜⇒熊谷 1320円

4.八王子から成田山新勝寺へ
成田山新勝寺の大本堂

成田山新勝寺の大本堂


片道1940円
中央線特別快速で東京駅へ行き、乗り換えて総武線快速で成田駅へ。参道を歩いて成田山新勝寺にお参りする。


以上は、ほんの一例である。首都圏を縦横に走るJRの路線を上手く利用して、休日のおでかけを実りあるものにできればと思う。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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