境内は猫だらけ! 約1万体の招き猫は見もの
徳島県阿南市にある「お松大権現」。境内は猫だらけ、そして地元では受験や訴訟などの「必勝」祈願の神社としても親しまれています。
鳥居の横にまず、大きな招き猫が鎮座しています。そして、境内に足を踏み入れると、とにかく猫、猫、猫。徳島県阿南市にある「お松大権現」は、通称“猫神様”として知られています。
また、お松大権現は、猫好きにとってまさに聖地ともいえる場所としても近年、注目を集めています。
境内にある猫の大仏は全長が約2メートル。ほかに、猫不動や猫の七福神などもあって見どころ多数。
特に、お松大権現の社殿には、約1万体もの招き猫が収められ奉られています。また、境内には、全長2メートルもの巨大な猫の大仏、狛犬ならぬ“狛猫”、拝殿上には守り猫がいて、さらに、猫不動や猫の七福神も。社務所では猫がデザインされた必勝祈願、商売繁盛、受験合格といったさまざまなお守りも手に入ります。
猫神社の由来は「阿波の化け猫伝説」
お松大権現の境内。小じんまりとした広さながら、狛猫や守り猫をはじめ、たくさんの猫たちが見られます。
お松大権現では、なぜ「猫」が神様なのでしょうか。
今から約300年前の江戸時代、この地の奉行による一方的な裁きによって無念の死罪となり、正義を貫いて命を落としたお松という女性がいました。そのお松が、とてもかわいがっていて遺恨を伝えた三毛猫も殺されてしまいました。その後、荒ぶる神となった猫がその奉行の家などを代々祟り続けた結果、主人お松の仇を討ったとの言い伝えが残されています。
境内で見られる絵馬には、お松と愛猫だった三毛猫が描かれています。
お松大権現には、お松の墓所、そして、拝殿の隣にはお松の愛猫だった三毛猫を祀る猫塚もあります。境内にある資料館では、お松伝説の切り絵も見学できます。
有馬(福岡)、鍋島(佐賀)の猫騒動とともに“日本三大怪猫伝”としても有名で、猫が仇を討ったのは阿波の伝説のみ。昭和時代には芝居としても演じられました。
ご利益は訴訟必勝、受験合格、商売繁盛も
境内に飾られている、招き猫がずらりと並んだ場所は壮観です。
地元では、仇討ちを無事に果たした猫にあやかり、訴訟必勝、受験合格、商売繁盛、選挙当選、スポーツ必勝などに霊験ある神社、パワースポットとして信仰を集めています。
特に、受験シーズンには、受験生が足繁く通い、大学への合格などを書いた多くの絵馬が境内にかけられているのが見られます。正月には地元で約2万人が初詣に参拝します。
お松大権現の社務所で手に入るお守りにも、しっかり猫がデザインされています。
また、お松大権現の宮司さんによると、猫が好きな人々が訪れるのも年々増えているといい、全国各地をはじめ、台湾や香港といった海外からやってくる若い女性たちもいるとのことです。
お松大権現の境内で見かけた猫。近くで飼われている猫を一緒に見かけることができるかもしれません。
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お松大権現
所在地:徳島県阿南市加茂町不ケ63
アクセス:徳島ICから車で約50分、JR阿南駅から阿南バス加茂谷行きで約40分
参拝時間:境内参拝自由
電話番号:0884-25-0556