日本人が食べ親しんでいる中国料理
日本人にとって最も身近な外国料理は中国料理です。中国料理は主に、ラーメンや焼き餃子、炒飯といった日本風にアレンジされた中華料理として親しまれてきました。もちろん、こういった庶民的な料理もよいですが、本物の中国料理ではありません。日本人が最も慣れ親しんでいる中国料理だからこそ、本場の醍醐味を一度は味わってみたいものです。そして、本物の中国料理を味わいたいのであれば、ホテルの中国料理が非常にお勧めします。
何故ならば、ホテルには中国や香港で研鑽を積んだ料理人がたくさんいたり、落ち着いて食べるに相応しい広い空間があったり、親類や友人との会食や重要な設定で利用できる個室が設けられていたりするからです。
多くのホテルに本格的な中国料理店がありますが、中でもお勧めしたい極上の3店を紹介しましょう。
INDEX
チャイナブルー(コンラッド東京)
コンラッド東京28階「チャイナブルー」でシェフを務めているのは、エスコフィエ協会のカリナリー アート マスターの称号など数々の賞を獲得しているアルバート・ツェ氏。アルバート氏の料理は、斬新なプレゼンテーションとモダンで洗練された味わいが特徴的で、広東料理にシンガポールのニュアンスを融合させています。圧倒的な眺望
高さ8メートルもあるワインセラーが設けられており、それよりもさらに高い天井高と広い窓、そこから見渡せる東京ベイの眺望は圧巻です。目の前に広がるレインボーブリッジや浜離宮恩賜庭園の景色は印象深いでしょう。ラウンドソファも設けられているのでカップルに特にお勧めしたいです。また重厚感のある3種類の個室があるので、親類との食事、接待や会食にも相応しいです。他にはないモダンチャイニーズを体験できる「チャイナブルー」で特にお勧めしたいのが、最先端をいく「慶(20,000円、税・サービス料は別途)」です。
ドラピエ カルト・ドール ブリュット(別料金)
自然派シャンパーニュの代表格です。ピノ・ノワール85%、シャルドネ10%、ピノ・ムニエ5%という配合なのでブラン ド ノワールのような豊かな芳香があり、ブドウ本来の果実味とスパイシーなアクセントも楽しめます。お通し
押し豆腐と、XO醤で味付けしたザーサイ。穏やかな味わいの押し豆腐と、ピリ辛のザーサイは、よいコントラストです。シャンパーニュにもよく合うでしょう。鴨肉と湯葉、パインの自家製クレープ包み
アルバート氏のシグネチャーディッシュで、説明されなければ中国料理と思わないようなモダンな北京ダック。自身で巻いて完成させるのが面白い試みです。スイートチリソース、ピスタチオ片、鴨肉のロースト、パイナップルのロースト、揚げ湯葉、黒胡麻のライスクレープといった構成で、季節によって生地も中身も変わります。
烏骨鶏とナマコ、浮き袋のとろみスープ
烏骨鶏で作った上湯のスープ。ナマコや浮き袋は細かくカットしているので、とろみのあるスープによく溶け込んでいます。コリアンダーと菊の花、北京ダックで提供されたクレープの皮は好みで加えて。柚子のピールが心地よいアクセントです。伊勢海老の蒸し物 自家製XO醤で
チリソースにはXO醤が加えられているので味に奥行きがあります。干し貝柱と干し海老が使われているので、旨味もたっぷりと感じられることでしょう。青豆から作った板春雨による独特の食感も印象的。タマネギ、ネギも薬味として伊勢海老のおいしさを引き出しています。白トリュフオイル香る 活鮑の姿煮
活鮑は3時間もかけてせいろ蒸しにして、柔らかい食感に。日本よりも濃度が低いシンガポールのたまり醤油を使って、はっきりとした色合いに仕上げています。白トリュフの艶やかな香りが意外にも鮑に合いますが、このような取り合わせもアルバート氏ならではの発想でしょう。蟹肉と黄韮入り 魚のすり身麺
魚のすり身で作ったカマボコの麺は、味わい深いです。太くてちぢれているので個性的な食感。上にはたっぷりの蟹肉と、力強さを携えた黄ニラ。本日のおすすめデザート
右下にあるのが、アルバート氏のシグネチャースイーツである「アボカドムース ココナッツの器で」。アボカドムースが自然な甘味で、ココナッツのアイスクリームは優雅な食味。甘いソースにからめた中国風のカリントウも添えられています。■チャイナブルー
住所:東京都港区東新橋1-9-1 コンラッド東京 28F
TEL:03-6388-8745(直通)
営業時間:ランチ 11:30~14:00、ディナー 17:30~21:00
定休日:なし
アクセス:「汐留」駅から直結
地図:Yahoo!地図情報
URL:http://conradtokyo.co.jp/
※データは記事公開時点での内容です
桃花林(ホテルオークラ東京)
ホテルオークラ東京「桃花林」は1962年のホテル開業時から続いており、ホテルのレストランで初めてとなる広東料理を採用したことでも有名です。2011年から中国調理総料理長を務める陳龍誠氏は、定番200種類以上、裏メニューを含めると全600種ものア・ラ・カルトを常時用意し、日本系のホテルらしく日本人の舌に合った中国料理を作り上げています。シティビューも楽しめる
全92席、個室2部屋があり、ゆったりとした造りとなっています。本館から別館に移転する際にほとんど全ての調度品も携えていったので、これまで通り格式ある品のある雰囲気となっています。移転して新たにシティビューも加わったので、さらに楽しみが増えたと言ってよいでしょう。日本人の味覚にあった広東料理を提供する「桃花林」で最も食べてもらいたいのは、その歴史の叡智が詰まったコース「菊(20,000円、税・サービス料は別途)」です。
BVソーダ(別料金)
ブルーベリーシロップとビネガーをソーダで割ったノンアルコールドリンクです。2017年9月から提供を開始し、お酒が飲めない人や女性に人気を博しています。特製盛り合わせ冷菜(銘々盛り)
9種類もの前菜が盛り合わされているのは、他の中国料理店と比べても多いでしょう。前菜は、下から時計回りの順番に、トマトと葱油の蒸し鶏、チャーシュー2種(カリカリの豚バラ肉 塩山椒で窯焼き)、ピータン、卵巻き、野菜巻き、海老、ミル貝とヤマクラゲ、ボイルした水ダコとキャビアで、最後に真ん中にあるのが、刺身クラゲにオリーブオイルとネギ。
基本的にどの前菜も味が付いています。
干し貝柱入り特上ふかひれの姿煮込み
ヨシキリザメを使った贅沢なフカヒレの姿煮。フカヒレの姿煮に干し貝柱が入っているので、スープに力強さが増しています。ホテルオークラ伝統の製法で、フカヒレを上湯につけて蒸し、上からソースをかけています。途中で窒素を加えることによって、フカヒレがふっくらと密に仕上げる製法は特許を取得しているので他では体験できません。北京ダック
目の前でデクパージュしてもらえるのは、今では珍しいことでしょう。通路幅が広くてワゴンが通れること、客に最高の状態で提供しようという自負があるからこそ、行えるオペレーションです。使われているのは、北京ダック用に皮がおいしくなるように大きく飼育された鴨。大連の北300キロの極寒地で育ったので脂ものっています。
※青い手袋をしているのは衛生面や異物混入への配慮です
蝦夷鮑と帆立貝柱の炒め
大きな蝦夷鮑と帆立貝柱の炒め物です。蝦夷鮑の食感と、帆立貝柱の甘味が印象に残ります。野菜はさり気なく飾り切りされていたりするので、気に掛けてみてください。和牛サーロインとぎんなんの炒め
和牛のサーロインは肉厚で柔らかく、脂がとてものっています。副菜の生シイタケや銀杏の炒め物と合わせるとちょうどよい塩梅となるでしょう。ロブスターのマヨネーズソース炒め
ロブスターの殻によるプレゼンテーションで迫力満点です。ロブスターはカラッと衣揚げされており、身に包まれた滋味とマヨネーズソースの甘酸っぱさがよい取り合わせ。つゆそば
塩や日本の薄口醤油などを使ったシンプルなそばです。卵を使った中華麺で、つゆとよく絡みます。フレッシュフルーツ入り杏仁豆腐、カスタード入り白玉団子
杏仁豆腐にはイチゴ、メロン、パイナップルが加えられており、口の中が非常にさっぱりとします。白玉団子は、卵の風味豊かなカスタードクリームを弾力ある白玉で包み込み、手頃な大きさで食べ易いです。■中国料理 桃花林
住所:東京都港区虎ノ門2-10-4 ホテルオークラ東京 12F
TEL:03-3505-6068(直通)
営業時間:ランチ 11:30~14:30、飲茶 13:30~15:30、ディナー 17:30~21:30
定休日:なし
アクセス:「神谷町」駅出口4bから徒歩10分、「六本木一丁目」駅から徒歩10分、「虎ノ門」駅出口3から徒歩15分
地図:Yahoo!地図情報
URL:http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/
※データは記事公開時点での内容です
ヘイフンテラス(ザ・ペニンシュラ東京)
ザ・ペニンシュラ東京の中国料理「ヘイフンテラス」では香港やマカオ、広州、上海などの星付きホテルや名立たるレストランでの輝かしい経験を持つディッキー・トォ氏が料理長を務めています。ディッキー氏は中国料理で重要とされる鍋振りの技術にも長けており、素材への火の通し方に精通しています。中国古典庭園をイメージした洗練された空間
アーチ状に形作られる店内は中国江蘇省・蘇州の中国古典庭園をイメージしており、非常に洗練されています。ゆったりとした間隔で118席があり、個室も3部屋あります。特筆するべきことは、中国料理店でシェフズテーブルが1室設けてられていることでしょう。「ヘイフンテラス」では、その季節における最高の食材を余すところなく堪能できる「秋の味覚スペシャルディナー(26,980円、税・サービス料は別途)」を体験してもらいたいです。
※季節によってコース名が変わります
ザ・ペニンシュラ シャンパン ドゥーツ(別料金)
10軒のザ・ペニンシュラホテルズ全てでハウスシャンパーニュとして提供されています。他にも「ザ・ペニンシュラ シャルドネ ケラーエステート 2015」「ザ・ペニンシュラ ピノノワール ケラーエステート 2014」など、ペニンシュラオリジナルのワインもあるので、是非試してみましょう。胡桃の飴炊き
最初に提供される胡桃の定番の一品。生の胡桃を砂糖に溶かした水で煮詰め、じっくり揚げられたものです。カリカリとして香ばしく、食欲がかき立てられます。コンディメント
コンディメントにはXO醤と豆板醤が用意されています。実はこのXO醤はペニンシュラ発祥の調味料です。1980年代にザ・ペニンシュラ香港の中国料理レストラン「スプリングムーン(嘉麟棲)」で生み出されました。今では中国料理に欠かせない存在となっているだけに、画期的な発明であったと言えるでしょう。※XO醤は別途料金が必要
秋刀魚の香味焼き入り広東式前菜の盛り合わせ
4品の前菜が美しくまとめられています。左上から時計回りの順番で、季節のモミジの葉を添えて燻したような豊かな香りが広がる旬のサンマ、ナスの胡麻味噌と八角の香りをまとわせた栗の甘露煮、釜焼きチャーシューと香り豊かなローストダック、クラゲと大根の甘酢漬けにいちじくシロップ漬け。
味も食感も見た目も異なる前菜で楽しく食べられます。
燕の巣と蟹肉入り上海蟹味噌スープ
上海蟹を使った濃厚な蟹味噌スープ。燕の巣もたっぷりと使われています。プレゼンテーションも美しく、蟹味噌の色彩がとてもよく引き立てられているでしょう。ブルーロブスターお勧め二種盛り合わせ 豆板醤辛み揚げ 茎レタスと百合根の煮込み
ブルーロブスターを使った贅沢な一品。フランス料理などで使用される高級食材のブルーロブスターが中国料理で使われるのは珍しいことです。身はシンプルに炒めて、ツメはしっかりと揚げて。豆板醤の辛味が刺激的です。飛騨牛サーロインと山芋の滋味醤蒸し
脂がしっかりとのった飛騨牛は厚みがあって柔らかいです。柱侯醤とブレンドした豆板醤がベースになっており、隠し味に陳皮を忍ばせています。山芋と一緒に蒸し上げているので、滋味のある味わい。上には希少な食材である冬虫夏草の細切りをトッピングしています。ベビー白菜の松茸香り蒸し
中国語で「娃娃菜」と呼ばれる、甘味があって柔らかいベビー白菜と香り高い松茸が付合されています。主菜に負けないくらいの付け合せでしょう。吉備まる豚のロインと秋栗入り炒飯
希少な沖縄のきびまる豚をチャーシューにして、秋栗と合わせています。炒飯にしては珍しくジャスミンライスが使われていて、サラサラしています。タピオカ入り銀杏と南瓜のスープと安納芋の焼きパイ
小豆、タピオカ、銀杏が入った南瓜のスープは甘味がありながらも後味がさっぱり。安納芋の焼きパイはサクサクしており、穏やかな甘味を讃えています。■ヘイフンテラス
住所:東京都千代田区有楽町1-8-1 ザ・ペニンシュラ東京 2F
TEL:03-6270-2738(直通)
営業時間:ランチ 平 11:30~14:30、土日祝 11:00~14:30、ディナー 平土 18:00~22:00
定休日:日ディナー(祝日、公休日を除く)
アクセス:地下鉄「日比谷」駅・「有楽町」駅A6・A7出口から直結、「銀座」駅C4出口から徒歩3分、JR「有楽町駅」日比谷口出口から徒歩2分
地図:Yahoo!地図情報
URL:http://www.peninsula.com/heifungterrace/jp
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