東名高速道路で起きた追突死亡事故
2017年6月、神奈川県大井町の東名高速道路下り車線で起きた多重衝突事故が報道だけでなく、SNSでも話題になっている。
今回の逮捕容疑は、「過失運転致死傷罪(7年以下の懲役または禁錮もしくは100万円以下の罰金)」で、「危険運転致死傷罪(死亡事故で1年以上20年以下の懲役、負傷事故で15年以下の懲役)」でなぜないのか、あるいは未必の故意による殺人罪の適用も視野に入れるべきなど、専門家でも意見が分かれている。
ここでは、こうした事態に遭遇したらどうすればいいのか、それ以前に遭遇しないためにはどうすればいいのか、について考えたい。
類似した事故は過去にも起きているが、そうそうあるわけではない。しかし、ここまで酷くなくても煽られる、急に割り込まれるなど危険な思いをしたことがある人は少なくないだろう。
まず、逆ギレされた契機となったパーキングエリアでの注意は、被害者(父親)の方の気持ちは分かるものの、こうした予測不可能な人間がいる以上、残念ながら身を守るためには、関わらない方がいいと再認識した方も多いはず。
高速道路のパーキングエリア(PA)、サービスエリア(SA)でこうした交通の流れを妨げる違法駐車を発見した場合、あるいは、障害者や妊婦などの専用駐車枠に明らかに対象外の人が駐車している際も直接注意するのは、やめた方がいいかもしれない。管理者である各高速道路会社や警察に通報するのが無難だ。
煽り行為は犯罪!?
危険な車とは関わりたくないもの
煽り運転は、パッシングしたり、クラクションを鳴らしたり、幅寄せや車間距離を詰めたりする行為などがそれにあたる。最近は見なくなったがウインカーを右に出す嫌がらせをするドライバーもいて、これも煽り運転の一種であろう。
煽り運転は、道路交通法26条で禁じられている「車間距離不保持」に該当する可能性はあるが、では実際にどれくらい車間距離を詰めたら煽り運転になるかなど、明確な規定はない。安全運転義務違反に問えるかも現行犯でない限り難しい可能性が高い。
煽り運転をされたらどうすればいい?
走行中に煽られた場合は、その多くが追い越し車線であるはずで、走行車線に移動し、それでも収まらない場合はできればパーキングエリア/サービスエリア、高速バスのバス停、最悪でも路肩に止めて鍵と窓を閉めて絶対に相手にしないことだ。同乗者がいる場合には、警察に通報。こうした異常者がクルマから降りてきたら電話をしている姿を見せるか、即発進して関わらないという姿勢に徹するしかないだろう。煽られた場合にブレーキを踏むのも危険なうえに、故意に急ブレーキを踏むと煽られた方にも過失が生じる可能性がある。
なお、複数車線がある高速道路で追い越し車線を走り続けると、通行帯違反になる。つまり、追い越し車線で煽る方はもちろん、煽られる方もずっと追い越し車線を走り続けていると(もちろん工事中などはのぞくが)通行帯違反になるわけだ。
第三者が後から振り返るからこうしたことが言えるが、被害に遭われた方の当時の状況を考えると、まさかこんな常軌を逸した人間が運転しているとは思わなかったはず。しかし、過去には類似の事故(事件)もある。いろいろな人間がステアリングを握っているということを再認識したい。