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X-ADV試乗インプレッション ガンダム世代に響く外見!?

近未来的なデザインのX-ADVは見た目はまさにモビルスーツ!ガンダム世代の私にはガンダムにしか見えません!ですが装備は超豪華装備が整っています。果たして走破性はどのようなものか?一週間試乗してインプレッションします

相京 雅行

執筆者:相京 雅行

バイクガイド

アドベンチャー・スクーター X-ADV

X-ADV フロントビュー

X-ADV フロントビュー


ホンダはNC750XやNC750Sに使用しているエンジンとデュアルクラッチトランスミッション(オートマ感覚で運転できる技術)を使って、様々なバリエーションモデルをリリースしてきました。
 
バイクのインテグラ

バイクのインテグラ


スクータータイプのインテグラ、見た目のインパクトが強烈なNM4、クルーザータイプのCTX700Nなどです。インテグラがカタログ落ちとなり、NC750ベースのスクータータイプは一時カタログから姿を消しましたが、更に強烈なインパクトのバイクを発表してきました。

もはやスクーターとはいえない車体設計ながら、デュアルクラッチトランスミッションを採用することでオートマチック。大き目のシート下にはロードバイクにはない大容量ラゲッジスペースを確保しています。前後に長いストロークのサスペンションを採用し、タイヤはブロックタイヤ。ジャンルとしてはオフロードバイクとスクーターを足して二で割ったような車体構成です。
 
前から見るとガンダムっぽい!

前から見るとガンダムっぽい!


見た目は角ばったフォルムで、ガンダム世代の私としては特に、デジタルシルバーメタリックに塗装された仕様がモビルスーツを彷彿とさせます。この近未来的なデザインを採用したバイクは、X-ADVという名前でリリースされました。

見た目のデザインや装備もとても目を引くX-ADVですが、実際に走ってみるとどうなのか? いつも通り都内の通勤で試乗してインプレッションします。
 

まずはX-ADVの装備をチェック

X-ADVサイドビュー

X-ADVサイドビュー


どのジャンルに属しているか断言しにくいX-ADVですが、オフロードバイクらしいデザインや装備を採用していることから、個人的にはアドベンチャーバイクのカテゴリだと感じました。このカテゴリは長距離を快適に走行可能な快適性と、ちょっとした砂利道ぐらいであれば走行できちゃう走破性が求められるジャンルです。
 
X-ADVのフロントフォークは倒立タイプ

X-ADVのフロントフォークは倒立タイプ


X-ADVの装備を見れば期待値は充分に満たしてくれそうです。前後のサスペンションは長めで、フロントは倒立タイプを採用。前後共にあらかじめスプリングを縮めることで硬さの調整が可能なプリロードの調整を備えつつ、フロントフォークは縮んだ後の動きを変更する伸び側ダンパーの調整機構が採用されています。

前後のサスペンションは乗り心地や操作性に直結するので一週間試乗していると途中で調整してみることが多いのですが出荷時の状態でも町乗りでは快適だったので今回はサスペンションの設定を変えることはありませんでした。
 
X-ADVの灯火類は全てLEDを採用

X-ADVの灯火類は全てLEDを採用


X-ADVの灯火類は全てLEDを採用。以前は広範囲を照らすことが難しいと言われていたLEDですが一般的なバルブと遜色のない範囲を照らしつつ、明るくハッキリとした白い光で夜道を照らすヘッドライトは夜間の視認性だけでなく高級感を感じさせます。ウインカーもLEDですがホンダのLEDを採用している車種は共通のデザインを採用していることが多くX-ADVもCBR250RRやCRF1000Lアフリカツインなどと共通デザインのLEDウインカーが採用されています。
 
X-ADVはスポークホイールを採用しているがチューブレスタイヤを使えるように工夫がなされている

X-ADVはスポークホイールを採用しているがチューブレスタイヤを使えるように工夫がなされている


前後ホイールはスポークタイプを採用しておりチューブタイプのタイヤと組み合わせるのが一般的ですが構造に工夫がされておりパンク修理などのメンテナンス性に優れたチューブレスタイヤが採用されています。
 
X-ADVのラゲッジスペースundefined最近の小型テントやキャンプ用の椅子なら余裕で収納可能

X-ADVのラゲッジスペース 最近の小型テントやキャンプ用の椅子なら余裕で収納可能


X-ADVのシート下ラゲッジスペースは狭めですが、インテグラに比べると広くなっており、私が使用しているフルフェイスヘルメットはおさまりました。またラゲッジ内にはアクセサリーソケットも装備されておりスマホなどの充電が可能です。自己責任にはなりますが、雨天時などにもあまり雨が入ってこないラゲッジスペースにアクセサリーソケットがあるのは使い勝手が良さそうです。
 
X-ADVのメーターは視認性が非常に優れている

X-ADVのメーターは視認性が非常に優れている


豪華で充実した装備のX-ADVですが、スピードメーターの見やすさも特筆すべきポイント。まず装着されている位置が視認性に優れています。更にひさしが装着されいるので天気が良くて日差しが強い日も見やすい。表示される情報はエンジン回転数や速度、時間などはもちろんですが、日付まで表示されます。私が試乗してきたバイクの中では日付が表示されるのはX-ADVのみでした。
 
X-ADVのウインドスクリーンは調整機構付

X-ADVのウインドスクリーンは調整機構付


さらにX-ADVのウインドスクリーンは調整機構付き。町乗りではそのままでも充分なウインドプロテクション効果を実感することができますが、更に高いポジションにも調整可能なので長距離のツーリングや高速走行時、更に雨天時などにも役に立ちそうです。

最後に足つき性ですがシートが広いのでどの位置に座るかでかなり変わってきます。シート高は790mmと決して高くはないX-ADVですが、後ろの方に座るとシートが広いので股が広がってしまい数値よりも足つき性が悪く感じます。ですが逆に前の方に座ってみると身長165センチの私でも足つき性に全く不安はありませんでした。装備が整っておりユーティリティー面では使い勝手が良いX-ADVの走りはどうか? 通勤で使った感触をお伝えします。
 

X-ADVは車重は重いが走り出せばバツグンの快適性

X-ADVはスマートキーを採用している

X-ADVはスマートキーを採用している


X-ADVはスマートキーを採用していて、ポケットなどに鍵を入れておけばスイッチを捻るだけでハンドルロックの解除やエンジンの始動操作が可能となっています。早速メインキーを捻りエンジンスタートしてみると、思っていたよりも迫力のあるドコドコといった排気音が響き渡りました。

最近リリースされたバイクに関しては共通のことですが、排気ガスの新しい規制に対応した事で若干パワフルになり勇ましい排気音になっている印象です。クラッチがないのでスロットルをすっと空けてみると思っていたよりもトルクフルに走り出し、恥ずかしながらちょっとバランスを崩しそうになりました。

低回転時のトルクは充分で走り出しからしっかりと加速します。エンジンのベースはNC750XやNC750Sですが、走り出しのトルク感はX-ADVの方が優れている印象です。ただこれは好き嫌いが分かれるところ。クラッチがないので走り出しにガツンとトルク感があると慣れないとバランスを崩す可能性もあります。
 
手元のスイッチでドライブモードを変更可能

手元のスイッチでドライブモードを変更可能


X-ADVはデュアルクラッチを採用しているので基本的にはギア操作はなくオートマチックですが、標準のDモードの他にスポーティーなSモード。更にボタンでギア操作が可能なマニュアルモードに変更が可能です。個人的に感じることですがX-ADVだけでなくほかのデュアルクラッチ搭載車両全般でマニュアルモードはあまり街中では使用しません。

またX-ADVはDモードでも比較的低いギアを使って回転数高めで走行する感じだったのでSモードの必要性もあまり感じませんでした。山道などではSモードのほうがしっくりくるシチュエーションはあるかもしれません。

ストロークの長い前後のサスペンションは乗り心地もバツグン。私の体格で町乗りするシチュエーションではサスペンションのセッティング変更は必要ありませんでしたが、前後共に調整できる機構が搭載されているので乗り心地に違和感を感じた人はセッティングを変えてみると良いでしょう。
 
ナックルガードは便利だけど邪魔になることもあるかも

ナックルガードは便利だけど邪魔になることもあるかも


ナックルガードは手を保護し寒い時期には風除けの効果もありますが、街中を走行するシチュエーションでは邪魔になるケースもありました。ブレーキは4ポッドの対向ブレーキにダブルディスクをラジアルマウントする豪華装備でABSも搭載しています。これだけ豪華なブレーキですがタッチはナチュラルで「ガツン」と効く感じではありません。

デュアルクラッチ搭載車両の場合、Dモードだとエンジンブレーキの効きが甘く減速時に思ったよりも減速に時間がかかることがありますが、アフリカツインなどにも採用されているこのブレーキシステムはNC750Xなどのブレーキシステムに比べて制動能力が高い印象です。

乗車スタイルは前に足を投げ出すスクータースタイルですが、コーナリングも一般的なバイクを運転している感覚で違和感無く走ることができます。ただ足を乗せるステップが若干狭いような印象も受けました。
 

X-ADVはツーリングにこそ最適な一台

X-ADVは慣れれば街乗りからツーリングまで快適に走る事ができる

X-ADVは慣れれば街乗りからツーリングまで快適に走る事ができる


X-ADVは車重が238kgと重く車体も大きめです。そのため街中を気軽に流すような車両ではないと思っていました。走り出しがトルクフルなので混雑した街中を走ると若干疲れてしまいますし、やはりX-ADVの性能が生きてくるのはツーリングの時という印象だったのです。しかしX-ADVの運転に慣れてくると街中も快適に走れちゃう事に気がつきました。実は2、3度X-ADVはお借りして乗っていますがDCTの挙動や走り出しのトルクに慣れてしまえば、街中を会的に走れるようになります。

ただ基本的にはX-ADVはツアラーとしての性能が高いバイク。乗り心地の良い前後足回りや位置の調整が可能なウインドスクリーン、更に冬場に便利なグリップヒーターや高速道路で便利なETCまで標準装備となっています。

燃費性能にも優れており、信号の少ない田舎道では40km/L近くの燃費でした。普通のビッグスクーターでは気が引けてしまうような荒れた道でもX-ADVの走破性なら問題ないでしょう。オプションのリアキャリアを装備してシート下ラゲッジスペースとリアキャリアにキャンプ道具を積んで週末にキャンプツーリングに出かけるのにも最適な一台ではないでしょうか。
 

X-ADVのリコール情報

走行中にギアが変わらなくなる事がありました

走行中にギアが変わらなくなる事がありました


X-ADVをお借りして下道ツーリングに出かけた際に帰り道で警告灯が点灯してギアが変わらない症状が発生しました。近くの店で用事があったのでエンジンを切って、用事を済ませて再スタートすると症状は改善して普通に走れるようになりました。

その数日後にホンダはX-ADVのリコールを発表。どうやたらお借りしていた車両もリコール対象車両だったようです。症状としては私のように変速ができなくなるか、最悪の場合クラッチが切れて駆動力が伝わらなくなり走行不能になる事もあるそう。対象車両は以下の通りです。

■対象車の車台番号の範囲及び製作期間・台数
・通称名:「X-ADV」
  型式:2BL-RC95
  車台番号:RC95-1000014~RC95-1000977
  製作期間:平成29年3月8日~平成30年3月7日
  対象台数:964台

・通称名:「X-ADV」
  型式:2BL-RC95
  車台番号:RC95-1100005~RC95-1100294
  製作期間:平成30年3月9日~平成30年7月11日
  対象台数:290台

■X-ADV関連リンク
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