三天皇が産湯に用いた霊泉と「三井の晩鐘」で有名な
「園城寺(三井寺)」
琵琶湖南西の長等山中腹にある天台寺門宗の総本山で、天智・天武・持統天皇が産湯に用いたとされる霊泉(井戸)があることから、御井(みい)の寺と呼ばれ、のちに三井寺の愛称で呼ばれるように。弘文一年(672)に建立ののち、幾多の争乱に遭いながらも、その度に不死鳥のように蘇ってきた再生の寺でもあることから、成功や再生を願う人々も多く訪れます。
注目すべきは、御本尊の弥勒菩薩が安置される金堂を始めとした国宝10件と、重要文化財42件を有しいること。全国屈指の価値ある文化財をもつ寺としても貴重といえるでしょう。
鐘楼では、近江八景のひとつ「三井の晩鐘」として親しまれている梵鐘にも出合えます。平等院、神護寺とともに日本三名鐘のひとつに数えられ、音色の美しさと、唯一つくことができる点で大変貴重です。百八煩悩にちなんだ数の乳を持つ梵鐘としては、かなり古いものとなります。
一方、霊鐘堂の梵鐘は奈良時代のもので「弁慶の引き摺り鐘」伝説でも知られ、その際に刻まれたとされる傷跡や破目を目にすることもできます。
境内では体験メニューも各種用意され、伝統ある天台止観が体験できる座禅体験(45~60分、1000円)、写経・写仏体験(60分~、1000円)、木や石の念珠玉を組み合わせてオリジナル念珠を製作するビーズブレスレット体験(30~45分、1000円)などで、楽しみながら心を律することもできます。
売店では、オリジナルグッズに必見。三井寺広報僧のキャラクター「べんべん」グッズは、ストラップやぬいぐるみ、トートバッグ、文具など充実した品揃え。近頃人気の白色顔料「胡粉」が用いられたネイルには、境内に咲く桜をイメージした三井寺限定色が4色も用意されています。
園城寺(三井寺)
住所:滋賀県大津市園城寺町246
TEL:077-522-2238
拝観時間:8:00~17:00(指定文化財収蔵庫は8:30~16:30 ※受付終了16:00)
定休日:無休
入山料:大人600円
交通:京阪石山坂本線井寺駅より徒歩10分