スマホはなぜ熱くなるのか
スマートフォンを長い間使っていて、とても熱くなってしまったという経験は、比較的多くの人がしていることかと思います。発熱しやすいスマートフォンは、本体にさまざまな問題を抱えている可能性もあることから、放置しておくことは危険でもあるのです。ではなぜ、スマートフォンの異常発熱が起きるのでしょうか。その原因は大きく分けて2つに切り分けることができます。1つはバッテリーに関連して起こる発熱、そしてもう1つはCPUに関連して起こる発熱です。
<目次>
熱くなる原因1:充電しながら端末の操作など、バッテリー負荷
最初のバッテリーに関連した発熱というのは、要するにバッテリーに負荷がかかることによって起きる発熱です。なかでも充電は、バッテリーに負荷がかかる作業の1つと言え、急速充電する際に本体が熱くなることもありうるのです。それゆえ例えば、充電しながらスマートフォンでゲームをしたりするなど負荷の高い作業をさせると、放電と充電を繰り返すこととなるため、バッテリーに大きな負荷がかかり、発熱しやすくなるのです。またバッテリーの性能が落ちてくると、バッテリーの持続時間が短くなるため充電する回数が増えてしまいます。それゆえ一層バッテリーに負荷がかかり、発熱しやすくなってしまうのです。
熱くなる原因2:CPUへの強い負荷も発熱を起こしやすくなる
そしてもう1つ、CPUに関連した発熱というのも、やはりCPUに負荷がかかることによって熱が発生してしまうことが主な原因となります。例えば3Dのゲームなど、CPUに非常に負荷のかかるアプリを使っていたり、多くのアプリを立ち上げたままにしていたり、バックグラウンドで負荷のかかるアプリを動かしていたり、そもそもスマートフォンを長い時間操作していたり……と、CPUに負荷がかかる状況が続くほど、それだけ発熱しやすくなるといえます。一部機種では構造上、発熱しやすいスマホも
また最近では減少傾向にありますが、一部機種においては、CPUが構造上発熱しやすく、その影響を受けて本体も発熱しやすくなったというケースも見られます。例えば2015年に発売されたソニーモバイルコミュニケーションズ製の「Xperia Z4」や、HTC製の「HTC J butterfly HTV31」などに搭載されていたクアルコムの「Snapdragon 810」などは、発熱しやすい構造であったことから、それを採用したスマートフォンの多くが「熱くなりやすい」と話題となったことがあります。
スマホが熱くなるとどんなリスクがあるの?
では、スマートフォンが発熱すると、そもそも何が問題なのでしょうか。1つはパフォーマンスの低下で、発熱によって本体の性能がフルに発揮できなくなり、アプリ自体が終了してしまうこともあるのです。最悪の場合、熱によって本体が“暴走”し、勝手にリセットしたり、フリーズしてしまったりすることもあるので注意が必要です。また発熱はバッテリー性能にも影響を及ぼします。多くのスマートフォンに採用されているリチウムイオン電子は、そもそも熱に弱いことから、スマートフォンが高い熱を持ったまま使い続けると、バッテリー性能が落ちてしまう可能性も高まってしまうのです。
そしてもう1つの問題は、本体や人体に影響を及ぼしてしまうことです。異常な発熱が続けば本体の内部に何らかの損傷が起きる可能性もありますし、手に持てない程熱くなってしまえば、やけどをしてしまうことがあるかもしれません。最悪の場合、熱によるバッテリー損傷でスマートフォンが爆発してしまうこともあり得るので、異常に熱くなる状態を放置しておくのは危険なのです。
スマホが熱くなった時の対策・発熱させないための心掛け
それゆえ熱くなってしまったスマートフォンは、一度使うのを止め、冷やしてから再度利用するのがよいでしょう。といっても水や氷につけるなどして急速に冷やすことは、内部が結露して故障する原因にもなるので、決してしてはいけません。まずは充電しながら使うのを止める、熱くなる原因となっているアプリを終了させる、あるいは電源自体を落とすなどして発熱の元を断つことが重要です。後は自然に冷えるのを待ってから再度使い始めるのがよいでしょう。
一度冷やして、またスマートフォンを使い始めてもすぐ発熱する場合、購入してしばらく経過したスマートフォンであれば、まずはバッテリーの劣化が疑われます。同じ端末を使い続けるならバッテリーの交換をするのがベストですが、買い替えを検討しているなら、思い切って新しい機種に買い替えてしまうのも手です。
原因不明の発熱は初期不良の可能性も
一方、購入した直後から、負荷のかかる操作をしていないにも関わらず発熱が激しいという場合は、初期不良の可能性が高いといえます。2016年、日本で販売されていないにもかかわらず大きな問題として取り上げられたサムスン電子の「Galaxy Note 7」のように、初期不良による異常発熱が重大事故に発展する可能性もあることから、異常に熱くなりやすいと感じた場合は、購入したメーカーやショップに問い合わせるなどして、早めに確認してもらうのがよいでしょう。 【関連記事】