トランポノミクス期待で米国株3指数は揃って最高値更新
ナスダックは高値を順調に2017年初から更新してきたものの、ニューヨークダウの方は2016年12月初めからフラット型の調整ベースを続けていました。この間、トランプ相場の肝であった米10年債利回りが、16年12月15日の2.60%という高水準から下落して2.3%台まで下がっていました。こうした地合いを反映し、銀行株が直近で下げ、代わって公益株が上昇するということにもなり、相場は下落転換とまでは言わないものの、やや防御的になっていました。
しかし、17年2月9日から状況は変わってきたように思います。トランプ大統領が米国航空業界のリーダー達と会談した際、今後2~3週間以内に「Phenomenal(目を見張るような)」な減税を含む「経済リバイバルプラン」を発表すると発言すると、ダウはこれまでの高値ラインを力強く上にブレークしました。翌日の日経平均も+471円高と飛び上がり、ドルが上昇して一気に円安ともなりました。
トランポノミクスで米国株はどこまで上がる?
トランポノミクスで株価はどこまで上がる!?
債券利回りもごく緩やかに調整をしている様子です。しかし、将来的にはニューヨークダウの水準と歩調を合わせ、上がり続けていくのではないかと思います。つまり、経済と物価が共に上昇していくイメージで、そうなると株価は上がり続ける方向で動く可能性が高いと考えます(デフレで物価・景気・株価が沈むのと反対です)。このままいけば17年年末のニューヨークダウは、現在一般的に予想されている株価よりも、高い地点に達している可能性があると思います。
その原動力はトランポノミクスであり、世界の大資本経営者が次々と米国に兆円単位の投資と百万人単位の雇用を打ち出してきたなか、ソフトバンクやアリババ、トヨタやフォード、アマゾンなどに続き、インテルも米国内工場に8千億円近い投資をすると発表しました。そこへ新幹線やリニアを含む兆円単位の交通インフラ構想も持ち上がってきている模様です。
もちろん、トランプ大統領就任前から、主要国の金融政策が強化されていたことや、これまで長らく緊縮財政をとっていた主要国が2016年から積極財政に、静かに軸足を移しつつあり、世界的な経済や株価の動きは2016年半ばに既に底を打っていたという流れがあることもポイントです。
また、主要メディアで唯一トランプ勝利予想を伝えた世論調査を出していたIBD/TIPP社の調べた景気楽観指数は、17年2月に12年来の最高値を叩き出しました。調査対象である米国の企業経営者達は、トランポノミクスに期待し、楽観的になっている事が明らかだと思います。
参考:米国株通信
※記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告無く変更される場合があります。また、資産運用、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、御自身の責任でお願い申し上げます。