何問正解?コンテストでネスプレッソを鑑定
スタイリッシュで洗練されたデザインのコーヒーメーカーとバラエティに富んだグラン・クリュ(カプセルコーヒー)から生まれる本格的なコーヒーが、世界中の人々に愛されているネスプレッソ。2016年12月に、ネスプレッソブティック 表参道店で、「ネスプレッソ ゴールド カプセル コンテスト2016」が開催されました。
24種類のグラン・クリュ(カプセルコーヒー)の中から7種類をテイスティングし、コク、香り、味を評価し、正確性をポイントで競うものです。 コンテストに先立ち開催されたプレス向けの発表会に参加させて頂きました。
もともとは、全世界のネスプレッソ社員のコーヒーテイスティングの質を高めることを目的に社内コンテストとして始まったもの。
日本では2014年から毎年、一般参加型のコンテストとしても実施して今年で3回目。実際に飲み比べ、その味わいや香りの違いから、どのグラン・クリュなのかを当てるテイスティング試験と、ネスプレッソとコーヒーに関する筆記試験で優勝者が決定します。
優勝者には「Nespresso Connoisseur ネスプレッソ コノサー」(コノサー=鑑定家、目利き)の称号と、ゴールドカプセルコンテスト特製のスペシャルテイスティングボックスおよび名前の刻印入り「リヴィールグラス」が授与されます。
同じコーヒーでも、クレマ(泡)の上からと下からの香りは表情が違う
酸味や苦み、香りの特徴などを軸に、それぞれを鑑定していきます。グラン・クリュの飲み比べはかなり難しかったですが、普段何気なく飲んでいたコーヒーの味や香りと真剣に向き合うことが出来、その本質に触れられた貴重な時間でした。
そして、同社のコーヒーアンバサダー上野里佳さんから、沢山の貴重なお話を伺うことが出来ました。
まず、飲み比べて違いを感じるには、ランチやディナーの後よりも感覚が研ぎ澄まされている午前中が適しているそうです。
さらに興味深かったのは、世界中のコーヒー農園で生産されるコーヒー豆のうち、豊かで繊細な味わいを持つ可能性を秘めた1~2%の高品質のものを慎重に選んでいるという同社のこだわり。
例えるなら、ダイヤモンド原石の中からほんのわずかしか採取出来ない良質なダイヤモンドを厳選するようなものだとか。なるほど、あの香り、味わい……。それほど厳選された貴重なものだから、あんなにも特別の時間が訪れるのですね。
地域社会の実情に合わせたグローバルな取り組み
このイベントを通じて、ネスプレッソでは「The Positive Cup(ポジティブ・カップ)」という取り組みがあることも知りました。「世界とつながり地球環境や社会に貢献する一杯のコーヒー」を掲げ、コーヒーの原料調達や社会福祉、気候変動に対するリジリエンス(耐久力、回復力)を高めるといった目標を持っています。具体的には2020年までに、以下を成し遂げることを目標としているそうです。
企業として排出するカーボンフットプリント(二酸化炭素などの温室効果ガス)をさらに10%削減するとともに、企業として事業を行っていく上で生じる二酸化炭素の排出量を、森林農業プログラムによって実質的に相殺すること。定番グラン・クリュに使用されるコーヒー豆を、ネスプレッソAAA サステイナブル・クオリティ(持続可能品質)プログラム™から調達したコーヒー豆を100%使用することです。
ちなみに、AAAプログラムにおける第1の「A」は「品質」です。
世界で生産されるコーヒー豆のうち、豊かで繊細な味わいを持つ可能性を秘めた1~2%の高品質なものだけが、ネスプレッソのグラン・クリュ コーヒーの原料に選ばれます。世界各国のコーヒー農園で生産されるコーヒー豆のうち、およそ30%がこの厳しい水準をクリアします。残りのコーヒー豆については、コーヒー生産者の方々が、高品質なサステイナブルコーヒーとして他のバリューチェーンへと販売しています。
森林農業を通じて二酸化炭素削減に取り組んでいる
第2の「A」は「持続可能性」 。
持続可能性に関しては、NPO団体 レインフォレスト・アライアンスとサステイナブル・アグリカルチャー・ネットワーク(SAN)の定める社会的、環境的なクライテリアの水準に則っています。コーヒー生産者の方の労働水準の向上に注目し、環境や社会について厳しい基準を設定しています。
収穫されたコーヒー豆
第3の「A」は「生産性」。
コーヒー生産者の方々が生産性を向上させ、コスト削減対策を実施し、利益が増えるように同社がサポートをしているのです。
そして、このAAAサステイナブル・クオリティプログラムをエチオピア、ケニア、南スーダンへ広げ、水資源の管理や生物多様性、コーヒー生産者の生活保障などにおいて高い水準を設け、支援までも行うという目標を掲げています。
また、日本国内では法規制等の関係上、カプセルのリサイクルを実施していませんが、1991年には使用済みのカプセルのリサイクルをスイスで開始。アルミニウムは100%リサイクル可能な素材であるため、回収されたカプセルは溶解され別の高品質の製品の原料として再利用され、2013年時点で使用済みカプセルは全世界で75%がリサイクルされているそう。
地球環境や農園で働く人々、コーヒーの品質のことを考えた壮大なプロジェクトが行われているのですね。
コーヒーの苗木から1杯のコーヒーになるまで一括管理している「From cherry to cup」という考え方はネスプレッソだからこそ
遠く離れた地で生まれたコーヒー豆が様々な人の手や想いを経て、私達の元にたどり着く過程は、本当に壮大なプロジェクト。
昨今のコーヒーブームで様々なブランドが誕生しましたが、持続可能性あるプログラムを実施するのは、歴史があり世界中の人々から愛され続けているネスプレッソならではの取り組みを改めて知ることが出来、とても感動しました。
今後は、この原石から磨かれて光輝いているダイヤモンドのようなグラン・クリュを、このプロジェクトに関わっている全ての人々に敬意を表しながら、大切に味わいたいと思います。
取材協力:ネスレネスプレッソ
<関連サイト>
The Positive Cup(ポジティブ・カップ)
ネスプレッソ ゴールド カプセル コンテスト2016