「小さい」という新機能
日立アプライアンスは、ロボットクリーナー「minimaru(ミニマル) RV-DX1」を2016年11月19日に発売する。本体カラーはシャンパンゴールド(N)とブラック(K)の2色展開で、価格はオープン。想定市場価格は税別で10万円前後となっている。国内外さまざまなメーカーからロボットクリーナーが発売されるなか、最後発とも言える日立が打ち出したminimaruの新機能は「小さい」本体。同社が行った調査では、家庭内における狭い場所――テーブルセットのイス脚の間隔は30センチ以下が全体の90%を占め、低い場所――脚付き家具の脚高さは10センチ以下が80%を占めることがわかったという。そしてminimaruの本体サイズは幅25センチ・高さ9.2センチ。狭い&低いに対応しているのだ。
小さいことによるメリットは、イス脚や家具下への対応だけではない。どうしてもゴミが溜まりがちな部屋の隅にもminimaruは多くの従来機よりも深く入り込むことができる。たとえば、円の直径が35センチの場合、部屋の隅に対する未到達面積は66平方センチメートルだが、minimaruと同じ25センチであれば未到達面積は約半分の34平方センチメートルになるそうだ。
小さいボディを実現するためにminimaruにはさまざまな高密度実装技術が投入されているが、そのなかでもとくに注力したのが走行車輪およびサスペンション部分のチューニングとなっている。
小さなモーターで大きなトルクを出すためには減速機構が必要で、多くのロボットクリーナーでは、ギヤを横並びで構成して車輪を回す“平歯ギヤ方式”を採用しているが、ギヤが横並びになるため本体内でそれなりの長さを要してしまう。そこでminimaruでは、車輪内部でギヤを構成する“サイクロイドギヤ方式”を採用。コンパクトながら平歯ギヤ方式と同じ減速比を実現したという。
サスペンションでは“ストラット式”という直動動作で車輪を出し入れする方式を新開発。回転動作で車輪を出し入れする“回動式”と較べて、タイヤ前後の長さをコンパクト化することに成功した。
動作はキビキビ、お手入れも簡単
「小さい」が目玉機能のminimaruだが、一方で本体サイズが小さいと掃除面積も小さくなるデメリットもある。minimaruではソレをカバーするために“キビキビ”とした動作にも注力。ロボットクリーナーの動作のキモとも言えるセンサーには、毎秒250回のセンシングで周囲状況をす早く判断し、100以上の行動パターンからつぎの動作を選択する“minimaru AI”を搭載。最初にごみが溜まりやすい隅や壁際から掃除を始め、その後全体をす早く丁寧にカバーする。
また、壁との距離変化を瞬時に捉えるセンサーで、スピーディーな壁際走行を実現。テーブル・イスの脚周りといった掃除しにくい場所では、周囲を一周する“脚周り制御”と、別の脚を探索し、検知したらその周りを一周する“繰り返し制御”で徹底的に掃除してくれる。
掃除機としての集じん力にも妥協はない。新開発の「小型ハイパワーファンモーターR」で強い吸引力を生み出し、回転ブラシとかきとりブラシが一体になった「ダブルかきとりブラシ」がゴミをしっかりと捕らえる。「床質センシング」機能も搭載されているので、カーペット、たたみ、フローリングといった床質の変化に合わせて吸引力を自動調整することも可能だ。
お手入れに手間がかからないのもminimaruの特徴のひとつ。「ごみプレス」機能は、充電台に戻るたびに強い気流でダストケース内のごみを圧縮してくるというもの。1日1グラムのごみを集めるとして、約2週間分溜めることができる。また、圧縮されているのでケースから捨てるときも塊出てくるため取り出しも簡単。ケース自体の出し入れも片手で引っ張り出せる設計で、丸ごと水洗いができるので清潔に利用することができる。
日立:minimaruリリース