激減した子どもの虫歯率、一方で歯磨き習慣には不安も
フィリップス エレクトロニクス ジャパンは、充電式電動歯ブラシ フィリップス ソニッケアーの子ども向け新モデル“ソニッケアー キッズ HX6321/03”を2016年10月上旬より日本輸入代理店の小泉成器を通じて、全国の家電量販店、通信販売などで順次販売を開始する。この発表に合わせて、都内にある同社オフィスで商品説明会が開催された。 フィリップス エレクトロニクス ジャパンのパーソナルヘルス ビジネスディベロップメントマネージャーの河本幸子氏によれば、日本の子どもの虫歯は近年急激な減少傾向にあるという。6歳児で比較した場合、昭和62年には91%あった虫歯率が、平成23年時点では42%と、24年間のあいだで約半分になっていることがわかる。その背景には、保護者の意識と行動の変化にあるそうだ。子どもを歯医者へ連れていく目的と言えば、虫歯を始めとした“治療”を連想しがちだが、フィリップスの調べによれば、現在の保護者が歯科へ通院する主な目的は“定期健診”や“フッ素塗布”といった歯のメンテナンスが主。また、大人から子どもへ虫歯菌が移る原因のひとつであった、スプーンや箸といった口に入る食器類の共有を控える保護者が増えたことも、虫歯率の激減に影響しているようだ。
その一方で、河本氏は「歯磨きが上手になったわけではない」と話す。実際、多くの保護者が子どもの歯磨きについてさまざまな懸念を抱えていることが、フィリップスの調査で明らかになっている。今回発表されたソニッケアー キッズは、そういった“子どもの歯磨きに対する不安”を解消すべく開発されたものとなっている。
アプリと連動して正しい歯磨き習慣を啓蒙
ソニッケアー キッズはソニッケアーシリーズの特徴である“音波水流”の搭載はもちろん、それに加えてゴム素材のブラシヘッドや8種類のパネル用ステッカー、大人用と比較してやさしい運転モード(2種)など、子ども向けにさまざまなカスタマイズが施されている。そして最大のウリが、無料のオリジナル歯磨きアプリ“ソニッケアーキッズアプリ”(iOS版は2016年10月上旬、Android版は2017年1月よりそれぞれ提供開始予定)との連動だ。日本のソニッケアーシリーズとして初めてBluetoothを搭載した本体と、アプリをインストールしたスマートフォンやタブレットと連携させることで、「アプリで遊びながら楽しく歯磨き習慣を身につけることができる」(河本氏)仕組みの本商品。
アプリを起動すると画面に登場するのは、オリジナルキャラクターの“スパークリー”だ。毎日、歯磨き前に上手にブラッシングするためのポイントを説明してくるほか、ブラッシング時には画像と音声でブラシの動かし方をガイドしてくれる。河本氏いわく「子どもは見て真似をする」ことを好むので、こういったガイダンスはとても有効だという。
ちゃんと歯磨きをするとアプリ内でスパークリーに使用できるごほうびも貰える。ごほうびの種類はおやつや着せ替えなどさまざまで、子どもの“集める“意欲を刺激し、歯磨きへのやる気も促す狙いだ。 アプリには保護者向け画面も用意されており、子どもたちの歯磨きの状況や、オリジナルのごほうびを設定することが可能。ちなみに“オリジナルのごほうび”とは「6日間ちゃんと歯を磨いたら遊園地」など、親御さんが現実世界で用意するもの。アプリに任せっきりでなく、保護者もいっしょに歯磨き教育に参加できるというわけだ。
歯の王様を守るためには、幼少期の歯磨き習慣が不可欠
説明会の中では、歯科衛生士の青木薫氏による歯の健康に関する解説も行われた。同氏は、子ども時代――とくに5~6歳のころに初めて生える永久歯の“6歳臼歯(第1臼歯)”をしっかりケアすることが、大人になってからも歯を健康に保つ秘訣と話す。噛む力がもっとも大きく“歯の王様”とも呼ばれる6歳臼歯は、同時に虫歯になりやすい歯の代表でもある。生え始めのころは手前の乳歯よりも背が低いために歯ブラシが届かかず汚れがたまりやすいことに加えて、完全に生えるまで半年以かかるためエナメル質が弱い初期において酸に侵されやすいというのがその原因だ。
青木氏の説明によれば、60歳以降に6歳臼歯の抜歯を余儀なくされた原因を遡ると、学齢期にできた虫歯に行き当たることが多いという。つまり、生涯6歳臼歯を使い続けるためには、幼少期からの適切なケアが重要となる。そのために不可欠なのが、歯磨きの習慣づけ。青木氏はこれらの点を踏まえたうえで、今回発表されたソニッケアー キッズは“初めてのおとなの歯”を守るための有効な手段としておすすめできると話していた。
【関連サイト】
フィリップス:ソニッケアー キッズ
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