ふるさと納税が急拡大中
ふるさと納税を利用する人がここ数年大きく伸びています。平成27年1月から控除上限額が約2倍に拡大し、平成27年4月から手続きが簡素化(ふるさと納税ワンストップ特例制度創設)されたことで、ふるさと納税を利用する人が増え始め、テレビや新聞でも取り上げられることでさらに増えていく好循環が起きています。下記は、制度が始まった2008年から2015年の各年1月~12月の寄附金額と寄附者数(税額控除適用者数)の推移を表したものです。 資料:総務省『ふるさと納税に関する現況調査結果(税額控除の実績等)』
※寄附金額は寄付金控除の申告があった寄附金を、寄附した人が居住している区市町村ごとに集計しています。平成23年は、東日本大震災の被災地支援にふるさと納税が活用されたことで一時的に増加しました。
平成20年は寄附金額が73億円、寄附者数が3万人でしたが、平成27年には寄付金額が1470億円(平成20年比で約20倍)、寄附者数が130万人(平成20年比で約39倍)にもなっています。寄附金額や寄附者の拡大に伴い、寄附を受け入れる自治体も競争が激化しています。寄附金の使い道に趣向を凝らしたり返礼品の種類を増やしたりして、多くの人に寄附してもらえるよう努力しています。
返礼品は生活必需品に注目!
ふるさと納税だからこそ、普段買うことのない地域の名産品等を返礼品に選んで、その地域のことを知ったり貢献したりするのは勿論良いことです。しかし、返礼品を家計に最大限活かすことを考えるなら、やはり生活必需品を受け取るのが良いでしょう!下記は各世帯(2人以上の世帯のうちの勤労者世帯)で、食べ物や飲み物に毎月いくら支出しているかをまとめたものです。生活に必要な支出をふるさと納税の返礼品で代用できれば、その分だけ家計の支出減に貢献できます。 ふるさと納税で1万円寄附をすると、おおよそ3千円~5千円程度の返礼品が期待できます。仮に4千円の生鮮肉を返礼品で受け取れば、半月以上は肉を買わずに済み、生鮮肉の支出額は4千円減る計算になります。
調理食品や菓子類だともともと支出額が多いので、返礼品で受け取っても短期間で消費しやすく、さらに長期保存もできそうなので、家計に活かせる理想的な返礼品と言えます。生鮮肉や生鮮野菜も支出額は多い方なので、ある程度保存できるなら選ぶべき返礼品と言えます。
逆に普段支出額があまり多くない麺類や牛乳、乳製品等は、返礼品として受け取ると、長期で保存できるものでなければ過剰な消費になってしまいます。食べたいものを食べるのは良いことでしょうが、家計への貢献度から言えば、優先して選ぶ返礼品ではないと言えます。
ふるさと納税は現在居住している地域以外へ直接貢献できる素晴らしい制度であり、返礼品を受け取る楽しみもあります。細かいことを考えずに好きな返礼品を選んでも良いとは思いますが、厳しい時代なので、支出額の多い生活必需品を受け取って、少しでも家計に活かすことを考えてみても良いのではないでしょうか。