業界初の技術を搭載した“くらしカメラ AI”
日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社は2016年9月6日、都内で新型ルームエアコンの発表会を開催。「ステンレス・クリーン 白くまくん」Xシリーズ全11機種を2016年10月末に発売することを明らかにした。価格はオープンで、想定販売価格は24万~40万円となっている。2013年度のモデルで搭載された初代“くらしカメラ”を皮切に、くらしカメラツイン(2014年度)、くらしカメラ3D(2015年度)、くらしカメラ 4(2016年度)と毎年進化を重ねてきた白くまくんのカメラによるセンシング技術。今回発表されたXシリーズの“くらしカメラ AI(エーアイ)”は業界初の独自技術を搭載し、さらなる進化を遂げている。
人を認識し、在室時間を把握する方法とは?
リビングなどで長時間をエアコンを利用している環境では、在室時間が長くなればなるほど寒すたり、暑すぎたりになりがち。また、帰宅直後の場合、エアコンの効きに物足りなさを感じることも少なくない。そこで日立ジョンソンコントロールズが着目したのが、室内にいる人の“在室時間”だ。くらしカメラ AIでは室内にいる一人ひとりを識別し、さらに各々の在室時間を計測して体感温度の変化を予測。これに従来技術のステンレスフラップ6による気流コントロールを組み合わせることで、「暑い」「寒い」といった不快さを感じる前に空調を適切な状態に調整することが可能となっている。
顔認証を始め人識別処理技術自体はすでに実用化されているものだが、それらについては基本的に事前に人物登録が必要。しかし、今回のくらしカメラ AIでは事前登録をすることなく、人識別と在室時間のセンシングを実現した。
その仕組みは、まず人がいることを認識した後に、人物の頭、顔、服の特徴を“色”によって判別して個人を特定するというもの。色は明るさの影響によって変化するので、カメラで検出する際には画像変換で明るさと色味を分離し精度を高めているそうだ。
人識別は最大15人まで対応しており、電源をオフにするか10分程度カメラから外れると識別はリセットされるが、トイレに行く時など短時間部屋を空ける場合は在室時間がリセットされない。
除湿にも業界初の技術、暖房運転も進化
従来から搭載している、寒くならずに除湿ができる“カラッと除湿”には、こちらも業界初となる“湿度カメラ”を採用。温度センサーと湿度センサーで室内の湿度分布を算出してくれるもので、これを活用した機能が“ランドリー除湿”だ。センシングで室内に干された洗濯物などを検出し、優先的に除湿してくれるというもの。そのほか、カビが発生しやすい状態になると、湿度の高い場所に優先して気流を送る“カビ見張り除湿”モードも搭載されている。
暖房運転では、「スピード暖房」機能が進化。運転スタート時には、人のいる方向に温風を吹き出して足もと付近を暖め、人の周囲が暖まったら部屋全体を暖める自動運転機能を新たに搭載している。
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日立:ルームエアコン