本気のブレイクアウトは制御不能?
ノーマルのブレイクアウトより車高が上がったとはいえ、トライアングルのシルエットが美しいソフテイルフレームの足着きは決して悪くはありません。身長174センチの私でほぼベタ足なので、足着きへの不安はさほどないかと。ただ、170センチ以下となると、その重量と相まってやや安定感に欠けてくるやもしれません。
排気量1,801ccのパワーはやはり圧巻です! フューエルインジェクションの設定が日本の排ガス規制値に対応しているため、本来の力を出し切ってはいませんが、それでもスロットルを捻れば他のハーレーモデルとはひと味違った力強いライディングを味わわせてくれます。強烈で野太い走り出しで身体が前へと引っ張られるかのよう。潜在能力をめいっぱい引き出したら、それこそ操りきるのは至難の業とも言えるでしょう。
倒立フロントフォーク&ダブルディスクブレーキシステムを採用したことによってパフォーマンスアップしたフットワークですが、一方でフロントまわりの重量そのものもアップしており、ハンドリングはかなり重ったるいものに。ハイウェイでストレートを突っ走っている分には快適なのですが、ストップ&ゴーと右左折が多い都心部を走ると、バランスを取るだけで精一杯。240ミリという極太リアタイヤもコーナリングを困難にする部位でもあるので、慣れるまでは少々手こずることでしょう。
最旬のアメリカンロードスタイル
ドラッグバーにロケットカウル、フォワードコントロールステップ、パフォーマンスアップしたフットワークに1,801ccのハイパワーエンジンと、ソフテイル版クラブスタイルとして生み出されたCVO プロストリート ブレイクアウト。小柄な日本人にとって、このブレイクアウトを街中で乗りこなすのはかなり困難ですが、直線道路をひたすら突っ走るのならこれほど面白いハーレーはありません。
ブラックを基調としながら、ハンドルバーやマフラーのエキゾーストパイプなどをスモークサテンクロームという仕上げにすることで高級感を演出。まさにCVOでしか実現できない贅沢な仕様もまた、このモデルの大きな魅力と言えます。以前紹介したSシリーズ FXDLS ローライダーSが万能型のじゃじゃ馬だとしたら、こちらは直線のみを勝負の場としたじゃじゃ馬です。そんな利かん坊を操るところにこそ、ハーレーに乗る醍醐味があると言えるでしょう。気になる方は、お近くのハーレーダビッドソン正規販売店へ見に行ってみてください。
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[HARLEY-DAVIDSON FXSE CVO Prostrate Breakout SPECIFICATIONS]
全長/2330mm
全幅/---
全高/---
ホイールベース/1680mm
加重時シート高/660mm
車両重量/318kg
エンジン型式/Screamin’ Eagle Twin Cam 110B
排気量/1,801cc
フュエルタンク容量/18.9L
フロントタイヤ/130/60B19 61H
リアタイヤ/240/40R18 79V
【メーカー希望小売価格】(消費税込/2016年8月現在)
[ステアファイアブラック] 339万円
[ホワイトゴールドパール / ステアファイアブラック] 339万円