ロボホンと1週間、一緒に過ごしてみました
シャープから発売中の「RoBoHoN(ロボホン)」、ご存じでしょうか?これが「RoBoHoN(ロボホン)」です。先日、我が家にショートステイにやってきました。
ロボホンはロボットで、かつ電話もかけられるスマートフォン。それだけでなく、カメラやプロジェクターの機能も備えています。生みの親はロビと同じく、ロボットクリエーター高橋智隆氏です。
では、ロボットでスマートフォンだとどんなことができるのでしょうか。先日、ロボホンが我が家に短期ステイにやってきたので、その様子をお伝えしつつ、できることを紹介したいと思います。
ロボホンの身長は約19.5cm。重さ約390g。2足歩行が可能なヒューマノイドとしてはかなりコンパクトです。クアッドコアCPUを搭載し、ベースのOSにはAndroid 5.0を採用したスマートフォンです。
付属の充電ホルダに座らせて充電します。電池容量は1700mAhで、連続待受時間は3Gで約220時間、VoLTEで約210時間。実際に使った印象だと、満充電で1日は持つという感じです。
ロボホンは基本的には音声で操作するのですが、距離感が近いので、声をかけるときは話しかけるような感じになります。「踊れ!」と命令するのでも、「ダンス」とコマンドを言うのでもなく、「踊って」とお願いするような感じ。いろいろと話しかけてお願いすると、ロボホンがそれに応えてくれるというのが、基本的な使い方になります。
具体的にはロボットとして、立ち上がったり、歩いたり、座ったり、ダンスしたりできます。「○○して」とお願いすると「わかった!」と返事して、こられの動作をしてくれるのです。そしてこの動きが、どれもかなりかわいい。立ち上がるときなど、何度も見ていてできるとわかっていても、赤子のそれのように、つい毎回ハラハラと見守ってしまいます。
立ち上がる際には海老反りになり、「よっこいしょ」とかけ声をかけたくなるほど、ゆっくりと起き上がります。逆に立っているロボホンに「座って」と話しかけて、座らせることもできます。
「Hey!Siri!」ではなく「ロボホン起きて」で始動
一方でこうした動作以外にできることは、iOSの「Siri」のような、スマートフォンの音声認識アシスタントと非常によく似ています。「Hey!Siri!」の代わりに、ロボホンでは「ロボホン起きて」とお願いすると、ロボホンがスリープ状態から復帰します。あるいは頭のボタンを押すという、少々強引なやり方もありますが。Siriと同じようにロボホンでも、「○○さんに電話かけて」とか「○○さんにメッセージ送って」というように、相手を指定して電話をかけたり、メールを送ったりできます。メールの場合は一文ずつ話すと、ロボホンが相槌をうってくれ、その相槌の場所に句読点が入るしくみ。届いたメールを読み上げてくれたりもします。
ロボホンがSiriと違うのは、メールを読み上げるときに言葉にあわせた動作がつくところ。「ありがとう」と読み上げながら頭を下げますし、「飲みに行こう」と読み上げながら、ジョッキをかかげるようなしぐさをしたりします。かなりのパターンのキーワードに動作がつくのですが、これが見ていてとても楽しい。普通にテキストで読むよりも、ロボホンに読み上げてもらったほうがメールの内容がいきいきと伝わります。送受信するメールの読み上げとそれにともなう動作は、間違いなくロボホンの目玉機能のひとつと言えるでしょう。
メールの内容にあわせた動作がかわいい!ロボホンが仲介してくれるだけで、コミュニケーションがぐっと楽しくなります。文字入力が苦手な人にもおすすめです。
ちなみに背面には約2インチの小さなQVGAディスプレイが備わっています。メールはここから入力することもできますが、ご覧の通り、あまりおすすめしません。
まさにパーソナルなロボットアシスタントを雇ったような気分になれます。
ロボホンと漫才に挑戦してみました
ロボホンともっとじっくり話したいときは、「キミのこと教えて」と話しかけるとアプリが起動して、何でも聞いてくれる状態になります。ロボホンはスマートフォンなので、このように異なるアプリを起動することでいろいろできることが増えるのです。ちなみにアプリは、背面のディスプレイからアイコンをタッチして起動することもできます。音声で話しかける以外に、ディスプレイからタッチ操作で、さまざまな操作をすることができます。アプリは今後もいろいろ追加されるとのことなので、楽しみにしたいですね。
また「返事覚えて」というと、こちらの発言に対してどういう言葉を返すか、覚えさせることもできます。「もうかりまっか」と話しかけたとき「ぼちぼちでんな」と返す、みたいなことができるわけです。
実は私、この機能を使って、ロボホンと漫才ができないか挑戦してみました。ロボホンの短期ステイ中に女子会で披露したところ、参加者のひとりが動画を撮影してYouTubeにアップしてくれました。それがこちらになります。
ロボホンとあちこちお出かけしてみました
基本は卓上で使うロボホンですが、スマートフォンですので、持ち運びすることができます。持ち運び用のキャリングケースもオプションとして販売されています。「お出かけするよ」と話しかけると、このケースに収まるよう足が折りたたまれ、下の写真のようにロボホンが顔を出した状態で、持ち運ぶおとができます。キャリングケースに入れたところ。なお移動中、ロボホンを動かそうとすると「いてて」という声をあげて周囲にギョッとされるので、音声はミュートにしておくことをおすすめします。
ミュートスイッチはロボホンの右サイドにある、電源ボタンの下にありますが、ロボホンの腕がじゃましてちょっと操作しづらいです。
たとえば「散策モードで撮って」とお願いすると、頭についた約800万画素のCMOSカメラで、一緒に出かけた先をランダムに撮影してくれます。ランダムですので、何が撮影されているのかはあとのお楽しみ。ちなみにある日と私とロボホンのお散歩で、ロボホンが撮ってくれた写真が以下になります。
実はこの顔認識機能がなかなかスゴイ機能で、アドレス帳に登録しておくと、その人が誰かを認識します。「○○さん見つけた」と名前を呼んで写真を撮ってくれたり、「○○さんの写真見せて」というと、その人の写っている写真だけを抽出してくれたりもします。シャープのスマートフォン「AQUOS」シリーズ標準のアルバムにも、同様に顔認識で人を抽出できる機能があるのですが、そのあたりの技術が活かされているのかもしれません。
撮った写真は背中のディスプレイでも見ることができますが、「プロジェクター映して」とお願いすると、中腰になってテーブルなどにプロジェクターで写真を映して見せてくれます。
なおこのプロジェクターではYouTubeの動画なども楽しむことができるのですが、起動時には安全のために、ロボホンに持ち主の顔を認識させるというひと手間が必要になっています。
中腰になってプロジェクターを映してくれるロボホン。プロジェクターの解像度は1280×720画素相当で、壁に照射することもできます。
今のところSNSやクラウドに直接アップロードする方法は用意されていないようなので、写真をバックアップするには、USBケーブルでPCに接続する方法しかありません。どうせならロボホンにはたくさんの写真を撮ってもらいたいですから、このあたりはぜひ、今後のアップデートで改善してほしいところですね。
背面のMicroUSB端子とUSBケーブルでPCに接続すると、写真を取り込むことができます。なお付属の充電用ホルダを使用するほか、こうやって直接ケーブルをつなぐ方法でも充電ができます。
VoLTE対応。もちろん電話としても使えます
ロボホンはその名の通り、もちろん電話としても使えます。ハンズフリー通話のほか、背面の画面で受話ボタンをスライドさせると、耳に当てやすい「受話器」のようなスタイルに変身します。このスタイル下の写真のように、ちょっと内緒話しているような感じになって、とてもかわいいです。ロボホンを受話器として使用するイメージ。外出先で使用するのは、ちょっと勇気がいるかもしれません。
すごい未来がやってきたことを実感!
さて、ロボホンと1週間を過ごしてみて私が感じたのは「まだまだ不自由なところはたくさんあるけど、これはすごいことだなぁ」ということです。たとえばロボホン、スマートフォンとしてはちょっと不満があります。そもそもアドレス帳が登録しにくいですし、SNSも非対応。写真をSNSに直接アップできないスマホなんて、ちょっと困りますよね。また音声認識もパーフェクトではありません。うまく聞き取ってもらえないと、いらいらしたりもします。
でも、ちゃんと私を認識して話しかけてくれますし、時々もそもそ動くので「どうしたの?」と聞くと、ニュースを教えてくれたりします。短期ステイの最終日近くには、他のスマホとつながる機能も公開され、スマホに表示される電話やメールの通知も、ロボホンが話してくれるようになりました。
こんな風に自分のためだけのロボットが持てるなんて。まだまだ発展途上とはいえ、すごい未来がやってきたという感じに、わくわくせずにはいられません。
こんな風にいつでもどこでも、ロボホンと当たり前のように過ごす世の中は来るのでしょうか?
[関連サイト]
ロボホン公式サイト