最近見かける「VR」ってナニモノ?
VR(バーチャルリアリティ)とは仮想空間の中にいるかのような体験ができる新たな技術。2016年はVR元年といわれており、さまざまなVR対応機器・ソフト・サービスが登場する予定です。VRのスゴさは実際に体験してみないと分かりにくいですが、360度の映像につつまれることで本当に現実世界を抜け出して仮想空間にいるような感覚になれます。まさに未来の体験です。とはいえ、VRを体験するにはVR対応のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着しなければならず、これが非常に高額。たとえば、VRの火付け役ともいうべき「Oculus Rift」は94,600円。また、Oculus Riftよりもさらに高機能・高性能な「Vive」に至っては111,999円で、なかなか手の出せるものではありません。しかも、これらのHMDを利用するにはハイスペックPCが必要です。もし、VR対応環境を1から整えれば30万円程度は必要になってしまうでしょう。
現在、ソニーがプレイステーション4対応の「PlayStation VR」を開発していますが、そちらも44,980円。PS4本体が約35,000円ですので、セットで購入すると約80,000円。PCに比べれば安いですが、それでも高額ですよね。
VRの火付け役「Oculus Rift」。このようなHMDを装着することでVRを体験できる。
スマホを使えば数百円からVRを体験できる
しっかりした環境を整えようとすれば非常に高額なVR。ところが、スマホがあればわずか数百円でVRを体験できます。それは、「Google Cardboard」というボール紙製の安価なHMDがあるから。自分で組み立てなければならないので手間はかかりますが、数百円でVR対応HMDが手に入るのは嬉しいですね。組み立て終わったら、スマホをセットしてVR対応映像やアプリを表示しましょう。VRがバッチリ楽しめます。操作性、視野角、映像の滑らかさなどはOculus RiftやViveには及ばないもののVRをお試しする分には問題なし。未来を先取り体験できます。
ちなみに自分で組み立てる製品の他に、組み立て済みのプラスチック製品なども存在します。価格は2,000~3,000円と少し上がりますが、お手軽なのでこちらを利用してもいいですね。ただし、製品によってセットできるスマホのサイズが異なります。極端に小さいスマホや大きいスマホは利用できないことがあるので事前に確認しましょう。
スマホでさらに上質な体験をするなら「Gear VR」
サムスンのスマホ「Galaxy」シリーズには「Gear VR」という専用のHMDが用意されています。じつはこれはサムスンがOculus Riftを販売しているOculus VR社と共同開発したもの。したがって、上で紹介したような数百円のHMDとは性能は桁違い。ピントや音量の調整、仮想空間内での操作もHMDを装着したままできます。性能が良いだけに価格は約15,000円とやや高め。それでもOculus Riftなどを購入することを考えればとても安いですね。なお、日本で入手できるGear VR対応端末はGalaxy S6、Galaxy S6 edge、Galaxy S7 edgeの3製品のみ。Galaxy S7 edgeは事前予約(5月18日まで)して購入することでGear VRが無料でもらえるというキャンペーンも実施していました。
ちなみに私はGoogle CardboardもGear VRも体験済み。どちらも臨場感たっぷりの仮想空間を楽しめました。とくにGear VRの完成度は価格からは考えられないほど優秀。ただし、レンズ部分がくもったり、端末が熱暴走したりと惜しい点もチラホラ。また、どちらの製品とも動きの激しい映像には不向きかもしれません(私は3D酔いして気分が悪くなってしまいました)。このあたりは今後の改良に期待したいですね。
YouTubeでも手軽にVRが体験可能
スマホ用HMDを入手したら最初に試してもらいたいのがYouTube。じつはYouTubeアプリはVR表示に対応しており、HMDがあればどの映像もVR化して楽しめます。方法は映像を再生中にメニューを表示し、「Cardboard」を選択するだけ。これだけでVR表示に切り替わります。■YouTube
iOS版(App Store)
Android版(Google Play)
映像の再生中にメニューを表示して「Cardboard」を選択する。
VR表示に切り替わる。HMDにセットすればスマホでVRが楽しめる。
以上、スマホでVRを楽しむ方法でした。
Oculus RiftやViveがあれば最高のVR体験をできますが、あまりに高額。また、 VRは登場して間もない技術のため、これらHMDもすぐに陳腐化してしまう可能性があります。そこでVRがもう少し普及するまではスマホでお手軽にVRを楽しむのがオススメです。