ハーレー版カフェレーサー
ハーレーのラインナップの中でもとりわけスポーティなモデルを揃えるカテゴリー「スポーツスター」に新型モデル XL1200CX ロードスターが加わりました。エンジンは排気量1,201ccの空冷Vツイン「エボリューション」で、足つきの良いローダウンモデルとは一線を画した立ち姿が美しいスポーツバイクです。
1960年代のイギリスで、レーシングバイクに憧れる若者が、自身のネイキッドバイクをレーサー風にカスタムし、カフェとカフェの間でストリートレースを繰り広げたことに端を発する「カフェレーサー」がコンセプトのXL1200CX ロードスター。スポーツスターが持つ本来のクラシカルな佇まいはそのままに、人気モデルのXL883N アイアン883やXL1200X フォーティーエイトよりもさらにスポーティで戦闘的なバイクに仕上げられています。
装備されているパーツのグレードを見れば、ロードスターのスペックが伺えようというもの。エンジンはフォーティーエイトと同じ1,201cc仕様ですが、このロードスターだけ特別に高い性能を引き出すセッティング値に変えられています。そのエンジンパワーを最大限に生かすため、フロントに43mm倒立フォークが、リアにH-Dオリジナルのプレミアムサスペンションが備わり、通常だとシングル仕様のフロントブレーキもダブル仕様へとアップグレード。文句なしのフットワークでパワフルなライディングを支えます。
伝統のフットワークが再現されたクラシックレーサー
ロードスタ最大の特徴は、フロント19/リア18インチというホイールサイズにあります。アイアン883に見られるように、現代のスポーツスターのスタンダードなホイールサイズはフロント19/リア16インチでした。これは直進安定性を高めるクルーザーとしてのキャラクターを付与することが目的なのですが、今回ロードスターのリアが18インチ化したのは、スポーツスターとしての表情を決定づける19インチはそのままに、前後ホイールサイズを近づけることでコーナリング時の旋回性を高めるところにあります。
また、1978年以前のスポーツスターモデルはフロント19/リア18インチがオーソドックスなものであったことから、60's カフェレーサーというコンセプトに則った足まわりの再現とも言えるのです。
18インチ化によってリアとシートが高く持ち上がり、ライディングポジションは前屈気味に。クルーザーモデルのイメージが強いハーレーとして見たらあまり馴染みないスタイルではありますが、ロードスポーツバイクという観点から見れば、標準的なシルエットだと言えます。気になる方は、最寄りの正規ディーラーでこの2モデルでまたがってみてください。
そんなロードスターのライドフィールはどのようなものか? 海外で催されたメディア向け試乗会に赴き、いち早くロードスターに試乗してきましたので、そのレポートを次ページにてお届けします。
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