腕時計としての佇まいのあるスマートウォッチ
今年1月に発表するや否や反響の大きさに、スマートウォッチ好きやガジェット好きのみならず、腕時計ファンからの注目度が高かったカシオの「WSD-F10」。さすがにプロトレックやG-SHOCKなど、数多くのデジタル腕時計を展開するカシオ計算機だけに、そのデザイン性の高さはスマートウォッチの中でも抜きん出ています。まあ、デザインに関しては好みというものがあるので、Apple Watchの方がカッコいいとか、そう言う意見もあるとは思いますが、それでも、一定以上の基準をクリアしているデザインだと思います。
発表会場などで見たときは、サイズはかなり大きめという印象。実際、G-SHOCKなどと比べてもかなり大きめです。最初、装着した時もこのサイズの時計をしたことがなかったので、若干の違和感はありましたが、半日もすると慣れてしまいました。ただ、自分は男性でしかも大柄なので、小柄な女性にはちょっと持て余してしまうかもしれません。
サイズは大きいのですが、液晶サイズは他のスマートウォッチとあまり変わらなかったりします。実際は液晶以外の部分が大きい感じです。ただ、デザイン的に液晶画面が小さく感じることはなく、このサイズが電池持ちの良さを誇っているとするとそれはそれで問題ない感じです。
カシオオリジナルアプリがより腕時計らしさを演出
スマートフォンとの連携は、Android用スマートウォッチと同様に「Android Wear」を使います。F10らしい機能としては、まずスマートフォンアプリ「CASIO MOMENT SETTER+」による時計のフェイスデザインと各機能の設定ができるところ。フェイスデザインは如何にもスマートフォンらしいものから、カシオなららではのG-SHOCKテイストのものまで用意しています。
個人的には3つのメーターが入ったデジタル時計の「マルチ」かクロノグラフとアナログ時計の組み合わせの「オーセンティック」が好みでした。メーターやクロノグラフはデフォルトで高度計や気圧計、方位などがあてがわれていますが、カスタマイズすることもできます。携帯電話の電池残量や時計の電池残量、歩数計や消費カロリーなど、スマートウォッチならではの機能も入れられます。
F10にはふたつのボタンが用意されており、上のボタンはカシオのオリジナルアプリである「TOOL」を起動させ、下のボタンはアプリを起動させるようになっています。
「TOOL」はコンパス・高度計・気圧計・日の出日の入り・タイドグラフ・活動グラフから、好きな項目だけを表示させられます。ここらへんはG-SHOCKなどの機能がよりわかりやすく使える感じです。
FR100との連携でさらに楽しさUP!
アプリは他のスマートウォッチと同様にAndroid Wearから必要なものをダウンロードします。カシオならではなのが、プリインストールされている「EXILIM Controller」です。これはカシオのセパレートデジカメ「FR100」との連携をするアプリで、FR100のカメラ部を本体の液晶部ではなく、F10で操作できます。連携するとF10の画面にFR100で撮影した映像が映しだされ、F10の操作で写真も動画も撮影できてしまいます。
さらに撮影した写真の再生も可能です。撮影の自由度の高さがさらに向上した感じになります。この機能は他のスマートウォッチにはマネできない点なので、F10を購入した際は、FR100も一緒に手に入れたいところです。
1日フルで使っても電池は持つ!
スマートウォッチといえば、切っても切れないのが電池持ちです。2週間ほど使ってみましたが朝から夜まで使っても途中で電池切れするほどではない感じです。朝7時くらいから使用し夜は12時くらいに外している生活で、だいたい電池残量は35~45%といったところです。ただ、アプリの利用は基本的にメールやSNSの通知がメイン。アプリをガンガン使っていけばもっと電池が減ることは確実です。FR100と連動して使った時は残量が20%前後になりました。充電は約2時間なので、夜寝ている間にできてしまいます。下手に睡眠時の活動も計測する機能を付けてしまったばかりに、寝ている時も装着しっぱなしになるというようなことがないので、安心して充電できるのも良いです。サイズ的に大型の腕時計なので、寝ている時は外したい衝動にもかられますし。
電池持ちといえば、タイムピースモードです。Android機能とカラー液晶をオフにすることで、2重液晶のモノクロ液晶のみが起動し、時計機能だけを表示する機能です。せっかくのスマートウォッチなのに時計機能だけ?って感じにはなりますが、電池切れで時刻すら確認できないよりはかなりマシです。いざというときに大活躍するのではないでしょうか。
デジタルウォッチとしての信頼性の高さは抜群
F10は、カシオの腕時計のカテゴリーとしては「Smart Outdoor Watch」となっています。高度計や気圧計、コンパスなどのアプリ機能はもちろんですが、デバイスとしても5気圧防水機能を有しており、アウトドアを趣味にしている人にも使えます。このあたりもG-SHOCKをリリースしているメーカーならではと言えるでしょう。また、カシオのモノ作りの姿勢として、プロトレックやG-SHOCKなどの冠を付けずに発売したのは、防水機能や耐環境性能がそれらのブランドが準拠する水準に達していないから。安易にブランド名を付けないところに真摯なモノ作りの姿勢が見え、信頼性の高さの証と感じ取れました。