元祖カスタムスポーツスター
現在のハーレーダビッドソン・スポーツスターファミリーには、XL1200X フォーティーエイト、XL1200V セブンティーツー、XL883N 883アイアンといった華やかなファクトリーカスタムモデルが並んでいますが、"カスタム"の名称を持つこのXL1200Cは、これらファクトリーカスタムモデルの先駆けとしてハーレーが取り入れた元祖カスタムバイクなのです。
XL1200C(XLH1200C)というモデルが世に登場したのは1996年。今のラバーマウント・スポーツスターの一世代前にあたるリジッドスポーツ(エボスポーツとも)のカスタムバージョンとして生み出されました。特徴的だったのは、メッキで覆われたエンジンやボディまわり、21インチスポークホイール、その他専用パーツを配したオリジナル感です。1999年からはステップ位置がフォワードコントロール化するなど、2010年以前のXL1200Cは、どちらかと言えば現在のXL1200V セブンティーツーに近かったモデルでした。
2011年以降のXL1200Cは、それまでのイメージを一新。一足先にデビューしていたXL1200X フォーティーエイトをベースに前後16インチ化され、専用のヘッドライトバイザーにハンドルライザー、テールランプなどを備えたモデルとなっています。メッキ仕様のスポークホイールもXL1200C専用ですね。
フォーティーエイトの一歩手前
プルバック型ライザーと組み合わさるハンドルバーにミッドコントロールステップ、そしてポジションの良いダブルシートという組み合わせは、非常にニュートラルなライディングフォームを形成してくれます。加えて、排気量1,201ccエボリューションエンジンに容量17リットルというフューエルタンクも備わっているので、装備が揃えばロングツーリングを存分に楽しめるモデルと言えるでしょう。
フォーティーエイトやセブンティーツーと言ったキャラクターの強いモデルに比べると、やや薄味な印象のXL1200C カスタム。言うなれば、フォーティーエイトの一歩手前といったところでしょうか。フォーティーエイトになりきる前の、オーナーの味つけを待っているおとなしめの愛犬といった印象です。
>> 次ページ 意外なほどスポーティに楽しめるXL1200C!