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見た目はエイリアン?カワサキ・Z1000試乗

ニンジャ1000の兄弟車両であるZ1000は低い位置に装着した独特のヘッドライト形状が特徴的な一台。ニンジャ1000の扱いやすさや街中での走行性能は格別でしたが、Z1000は果たしてどうか?今回も一週間通勤で試乗し、インプレッションをお届けします

相京 雅行

執筆者:相京 雅行

バイクガイド

ニンジャ1000の兄弟車両 Z1000

Z1000undefinedLEDヘッドライト

低い位置に装着されたLEDヘッドライトは独特の形状


独特なデザインを採用していることから発売と同時に話題となったZ1000。特に話題となったのは独特のヘッドライト形状です。低く構えたヘッドライトはまるでエイリアンのようなルックスです。

Z1000の兄弟車両ニンジャ1000

Z1000の兄弟車両ニンジャ1000


Z1000はニンジャ1000と同じエンジンやフレームを採用した兄弟車両になりますが、タンク形状や特徴的なヘッドライト形状を採用しているため、まったく異なるバイクに見えます。

最近はカウルが付いているバイクのカウルを外してストリートファイター風に仕上げた車両がトレンドとなっており、ユーザーの選択肢を広げています。基本的にはカウルを外してデザインを整えただけという車両が多いのですが、Z1000に関しては仕様が色々と変わっており、違うバイクとして楽しむことができます。

Z1000undefinedフロントビュー

Z1000 フロントビュー


ニンジャ1000が非常に街中でも扱いやすい印象の車両だっただけに兄弟車両のZ1000の期待も高かった今回の試乗。ニンジャ1000と同じ道、同じ時間帯を走る通勤でインプレッションをお届けします。

まずはZ1000の装備をチェック

ハイビーム時には4灯全てが点灯する

ハイビーム時には4灯全てが点灯する


とにかく特徴的なデザインのヘッドライトですが、リフレクターに反射させる一般的なLEDヘッドライトではなく、中央部の二眼のロービームと外側の二眼のハイビームを配置しており、ハイビーム時には全灯が光を放ち前方を照らす特徴的な構成となっています。

肝心の明るさは今まで試乗したLEDヘッドライトを採用している車両の中でも抜群に視認性が良く、光が白いので高級感があります。

美しいラインを描くZ1000の燃料タンク

美しいラインを描くZ1000の燃料タンク


燃料タンクは前述したようにニンジャ1000とは違った形状を採用しており、タンク容量も17Lと2L少ない仕様になっています。またニンジャ1000との違いとして、パワーモードセレクト機能とトラクションコントロール機能が採用されていないことが大きなポイントとしてあげられます。

ブレーキのマスターシリンダーはシースルー!こんなの見たことない!

ブレーキのマスターシリンダーはシースルー!こんなの見たことない!


フルパワーとローモードのパワーセレクト機能やスリッピーな路面でも安心して走行できるトラクションコントロール機能が採用されていないのは残念に感じました。

Z1000のリアサスペンションアは伸び側の減衰調整が可能

Z1000のリアサスペンションアは伸び側の減衰調整が可能


またニンジャ1000には装着されていて、Z1000には採用されていない機構としては工具を使わずにリアサスペンションのプリロード調整が可能なリモート調整機構の採用も見送られています。ただし工具を使えばプリロードの調整自体は可能です。

ライダーのライディングをサポートする機能としてはアシスト&スリッパークラッチはZ1000にも採用されています。

最近、カワサキの重両車量に採用されることが多くなってきた同機構は重両車になれば重く感じるクラッチレバーを軽くし、急なギアダウンなどによってリアタイヤがロックするのを防ぐシステムで特にクラッチの軽さの恩恵は少なくありません。

Z1000サイドビュー

Z1000サイドビュー


数値面での違いとしては贅肉を出来る限り落としたというZ1000は、ニンジャ1000に比べて11kgほど軽く仕上がっていて、さらにファイナルギアの設定も変更されています。

ファイナルギアの数値が低いほど最高速重視、高ければ低速トルク重視となります。Z1000はニンジャ1000に比べて数値が高く設定されているので、低速トルク重視のセッティングのため軽量化されている数値以上に加速性能の向上を感じるはずです。

それでは実際にZ1000を街中の通勤で試乗し、ニンジャ1000との違いを体感してみたいと思います。

Z1000とニンジャ1000は全く別物の味付けとなっている

Z1000リアビュー

Z1000リアビュー


ニンジャ1000に試乗した際に非常に完成度の高いバイクだと感じました。調整機構が色々と搭載されており乗り手がセッティングすることで理想的な乗り味にすることが可能で、スポーツ、ツーリング、町乗りの全てを高次元で快適にこなす事が出来るバイクです。

しかし、Z1000はどうかと言えば……結論としてニンジャ1000ほど「快適」なバイクではありません。まずアクセルを開けた時のレスポンスが圧倒的にZ1000はシャープです。一週間乗ればさすがに慣れて特に違和感を感じなくなりますが、初めて試乗した際はとてもシャープに感じました。

フロントサスペンションはプリロード・伸び側・圧側の減衰調整が可能

フロントサスペンションはプリロード・伸び側・圧側の減衰調整が可能


加速感もとにかくシャープな印象。あっという間に法定速度まで到達します。軽量化以上にファイナルギアの変更が効力を発揮しているのでしょう。

ニンジャ1000にはローパワーモードに変更する機構がありますが、Z1000には搭載されていないため、このパワーに慣れる必要がありますが、逆に言えばバイクを操る楽しさは格段にZ1000の方が上です。

比較的アップハンドルに設定されているニンジャ1000と比べて、出来る限り低くハンドルバーを設定したというZ1000は、前傾にしなければスポーティーなライディングに耐えられないということなのでしょう。

プリロードが若干かかっているので調整すればもう少しマイルドにはなりそうです

プリロードが若干かかっているので調整すればもう少しマイルドにはなりそうです


また、カワサキはZ1000のダイレクトなハンドリングを実現するために乗り心地とスポーツ性を両立したサスペンションセッティングをしたと発表していますが、私が試乗した限りでは乗り心地よりスポーツ性重視といった印象を受けました。

細かい路面のコツコツとした振動はライダーに伝えてしまいますが、スポーティーなハンドリングはニンジャ1000以上。操舵する楽しさがあります。

若干突き出されたフロントフォーク

若干突き出されたフロントフォーク


フロントフォークを若干突き出しており、数値的に比べるとトレールが1mm少ない101mmに設定しています。トレールの数値が大きければ大きいほど、直進安定性に優れ、小さければハンドリングがクイックということになります。

二次減速比の設定やタンク容量などからもニンジャ1000はツーリング向き、Z1000はスポーツ走行向けということがわかります。

ツーリング重視ならニンジャ1000、スポーツ走行重視ならZ1000がお勧め

シートにもZ

シートにもZ


この兄弟車両二台はどちらの車両も1000ccという大きい排気量のモデルながら扱いにくいという印象はありませんが、ニンジャ1000は非常にマルチに使えるバイクという印象です。Z1000もマルチに使えないことはありませんが、セッティングはスポーツ向けなのでどちらの用途を重視したいのかを考えて車両を選ぶと良いでしょう。

低く構えたヘッドライトは獲物を狙う猛獣のよう

低く構えたヘッドライトは獲物を狙う猛獣のよう

 

各車両の紹介ページを見ればパワーモードの切り替えやトラクションコントロールなどが採用されているニンジャ1000の方が魅力的に見えるかもしれませんが、Z1000のスポーツ性能はバイクを楽しみたいというユーザーには最高の一台ですし、LEDのヘッドライトを純正で採用している車両の中ではトップクラスの明るさを誇ります。

兄弟車両なのにそれぞれ違った魅力を吹き込んだカワサキの技術力には脱帽です。

Z1000国内仕様もいよいよ登場

Z1000は基本的に海外仕様車両で国内で手に入れる為には逆輸入車を手に入れるしかありませんでした。

しかしいよいよ2017年4月15日には国内仕様車が発売になります。

今まで販売されていた海外仕様とスペック表だけ見比べてみる限りはほとんど変わらない仕様でリリースされそうです。

Z1000関連リンク

文字や画像では確認できないZ1000のエンジン音やマフラー音は動画でご確認下さい。

■Z1000のエンジン音やマフラー音を聞きたい方はこちら

トラクションコントロールやパワーモードの変更が可能など機能盛りだくさんでツーリング向けの兄弟車両

■ニンジャ1000の試乗インプレッションはこちら

野獣の狩をイメージしたというスズキの四気筒スポーツモデルは対抗馬といえるでしょう。

■スズキ GSX-S1000Fの試乗インプレッションはこちら

Z1000をちょっとカスタムするなら


Z1000の圧倒的な加速時には風の風圧も相当なもの。体の中心に当たる風だけでも緩和されれば走行時の快適性はかなり増すでしょう。

転倒時の車両の破損を緩和するエンジンスライダーは装着しておきたいところです。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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