狙いどおり高い旋回性を有したスポーツバイク
国産アメリカンのようなクルーザースタイルのスーパーロー、そのポジションも背筋を伸ばして顔が真正面を向く感じになります。ややアップ気味ながらプルバックなハンドルバーのおかげで、腕が突っ張ることにはなりません。もちろん174センチの私がまたがればベタ足で、160センチに満たない女性でもカカトが浮く程度。それだけ地面に接地していれば、安定させるのは容易いですね。
ポジションがニュートラルで、足まわりもコンパクトなのでライディングは軽快そのもの。コーナーでもその重量を感じさせないほど軽やかにクリアしていってくれます。F19/R16インチのXL883N アイアンと比べると、滑らかに曲がっていく印象です。乗りやすさを重視する方にはうってつけですね。
ストリート?いやいやツアラーだ!
そのスタイルを見れば一目瞭然ですが、スーパーローは積載(荷物を載せること)を要素に含まないネイキッド型のストリートスポーツという位置付けのモデルです。しかしながら、街中には不釣り合いなビッグタンク(ガソリンスタンドの多いシティならタンクは小さくても問題ない)をはじめ、長距離航続を考えたかのような装備の数々を見ると、どちらかといえばツアラーなイメージを抱くところ。
883ccという排気量はハーレーのなかでとりわけ小さい部類に入りますが、ツーリングバイクとして活用されるカワサキW800などと比べると、私たち日本人にとっては十分なパワーを持つモデルと言えます。このスーパーローをベースにツアラーモデルとして進化させたのがXL1200T スーパーロー(排気量アップ&充実の装備)なわけですが、積載力アップを目的としたカスタムをすれば、例えば、たくさんの荷物を積んで北海道ツーリングだって全然へっちゃら。取り回しへの不安が少ないスーパーローがベースなら、旅そのものを存分に楽しめることでしょう。
オリジナリティを前面に出すフルカスタムを考える人には不向きかもしれませんが、「ハーレーで楽しくいっぱい走りたい!それも、なるべく不安なく」と思われる方におすすめと言える一台、XL883L スーパーロー。ハーレー純正パーツはもちろん、社外メーカーからも快適なツーリングを楽しむためのカスタムパーツがたくさん出ているので、それらと合わせて妄想を膨らませつつ、最寄りの正規ディーラーに足を運んでみてはいかがでしょうか。
[HARLEY-DAVIDSON XL883L Super Low SPECIFICATIONS]
全長/2, 220mm
全幅/855mm
全高/1,130mm
ホイールベース/1,500mm
加重時シート高/705mm
車両重量/256kg
エンジン型式/Air-cooled, Evolution
排気量/883cc
フュエルタンク容量/17L
フロントタイヤ/120/70 ZR18 M/C 59W
リアタイヤ/150/60 ZR17 M/C 66W
【メーカー希望小売価格】(消費税込/2016年1月現在)
[ビビッドブラック] 106万円
[ベロシティーレッドサングロ] 108万2000円
[スーペリアブルー] 108万2000円
[クラッシュドアイスパール / フロステッドティールパール] 110万4000円