哲学を感じさせるハードな乗り味!
エンジンは、ハーレーの中で最もスポーツライドを得意とするスポーツスター用のエボリューションエンジンを搭載するロードホッパーType2。しかしながら、リジッドフレームにエイプハンガー、スプリンガーフォーク、極太タイヤを履いた前後18インチホイールなど、そのスタイルを見ただけでかなりハードな乗り心地であることは容易に想像できます。
その大きな理由は、バイクを支える前後のサスペンション機能にあります。現代バイクではここに高性能サスペンションが搭載されるのですが、ロードホッパーに用いられているのは、サスペンションという発想を持たなかった時代に生まれたリジッドフレームと、同じ時代に最低限の衝撃を緩和することを目的に生み出されたスプリンガーフォーク。
いずれも古き良き時代のハーレーダビッドソンをほうふつさせるスタイルに欠かせないディテールながら、機能面では最新型サスペンションには遠く及びません。
もちろんプロトはその点も考慮しており、ゼロスタイルはそのままに、現代のロードシーンに対応できる構造へと改良、機能アップを図っています。実際に乗ってみると、なるほど見た目以上にしなやかで粘りのある動きを味わわせてくれます。
バイクに求めるものを明確にしてくれるロードホッパー
乗り心地という点で言えば、ロードホッパーは極めてハード。ハーレーダビッドソンからリリースされているどの最新モデルよりも、です。機能面を十分考慮してはいるものの、スピードが上がれば地面からの衝撃は増しますし、それがロードホッパーとなると他のモデルの比ではありません。ホイールベースも長く、大きくて重いタイヤは決してコーナリング性能が高いとは言いづらく、ロードホッパーそのものの特性を理解した上でのライディングが求められるのです。
しかしながら、ロードホッパーの魅力はライディング以上にスタイリングそのものにあります。その佇まいを見ればわかりますが、リジッドフレームのトライアングルからなるロー&ロングのスタイルは他メーカーモデルでは絶対に生み出せないもので、徹底的に煮詰められたカスタムバイクだからこその美しさは唯一無二と呼べるもの。高性能バイクとはまったく異なるベクトルを描くモデルなのです。
要は、バイクに何を求めるのかということでしょう。
スーパースポーツ、クルーザー、コミューター、ビッグスクーター、ネイキッドなど、世の中にはさまざまなスタイルのバイクが存在します。ライダーの好みも千差万別で、その好みに合ったバイクを選んで、走る歓びを感じているのです。カスタムバイクとしての美しさを追求したロードホッパーは、ハーレー以上にハードな乗り味ながら、その佇まいにはどのモデルにもない独特の雰囲気が漂っています。
ハーレーのエンジンを持ちながら、さらにその先に広がる世界観をも見せてくれるロードホッパー。そんな深遠なる世界を覗いてみたいというアクティブな人こそ、このモデルのオーナーにふさわしいのではないでしょうか。
[ROAD HOPPER Type2 SPECIFICATIONS]
ROAD HOPPER Type2
全幅/760mm
全高/1,150mm
ホイールベース/1,600mm
加重時シート高/680mm
車両重量/220kg
エンジン型式/4サイクル 空冷OHV V型2気筒
燃料供給装置形式/フューエルインジェクション
排気量/1,202cc
フュエルタンク容量/約7L
変速機形式/常時噛合式5段リターン
キャスター角/33°
フロントタイヤ/4.50-18
リアタイヤ/4.50-18
【メーカー希望小売価格】(消費税抜/2015年12月現在)
228万円