メンタル・ストレスの調査結果にみる男女の違い

ストレスに関する調査で、男女の違いが明らかになってきた。

メンタル・ストレスに関する調査で、男女の違いが明らかになってきた。

厚生労働省により、12月1日から従業員50名以上の事業者に対して、ストレスチェックの実施が義務づけられた。
平成27年12月より施行のストレスチェック制度は、定期的に労働者のストレスの状況について検査を行い、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減させるとともに、検査結果を集団的に分析し、職場環境の改善につなげる取組です。

出典:ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等
ストレスは誰でも抱えるものだが、仕事を休むようになるほど重症化する前に、ストレスを発散させるのが大事なことだ。

それで先日、人材会社iDA(アイディ・アクセス)による「メンタル・ストレスに関する調査」が発表され、なかなか興味深い。この調査結果がおもしろいのは、男女によってかなり回答が違うところ。


仕事で悩んだときに相談する相手の男女差

Q1●仕事で悩んだときに、 誰に相談しますか(複数回答) 2015 年11 月9 日(月) ~ 10 日(火)、全国の20 ~ 49 歳の有職者、女性150人男性150 人を対象に実施。

Q1●仕事で悩んだときに、 誰に相談しますか(複数回答) 2015 年11 月9 日(月) ~ 10 日(火)、全国の20 ~ 49 歳の有職者、女性150人男性150 人を対象に実施。

たとえば、仕事で悩んだとき、誰に相談するかという質問に、女性は、友人、同僚、家族の順。男性は、同僚、上司に続いて、「誰にも相談しない」という回答が2割弱を占める。

やはり男は、仕事のことは仕事をわかっている人に相談することが多く、さらには誰にも言えず、ひとりで抱え込む傾向も高い。自分の弱みを友人や家族には見せたがらないものなのだろう。


心の不調により休職する同僚に思うことの男女差

Q3●同僚が心の不調により仕事を休職することについてどのように思いますか。 あなたのお気持ちの中であてはまるものを教えてください(複数回答) 2015 年11 月9 日(月) ~ 10 日(火)、全国の20 ~ 49 歳の有職者、女性150人男性150 人を対象に実施。

Q3●同僚が心の不調により仕事を休職することについてどのように思いますか。 あなたのお気持ちの中であてはまるものを教えてください(複数回答) 2015 年11 月9 日(月) ~ 10 日(火)、全国の20 ~ 49 歳の有職者、女性150人男性150 人を対象に実施。

また、同僚が心の不調によって休職することになることをどう思うかという質問に対し、「早く復帰してもらわないと困る」と思う男性は18パーセント、女性は8パーセント。女性は「ゆっくり治して復職してほしい」がダントツの47パーセント。

男性のほうが現実を直視し、女性は人の心の痛みに気持ちが向くのかもしれない。男性で目だったのは、「特に何とも思わない」の28パーセント。仕事は戦場、傷んだものには目もくれない、ということなのだろうか。


メンタルヘルスのために気を付けていることの男女差

Q5● メンタルヘルス(精神面における健康) のために気を付けていることはありますか(複数回答) 2015 年11 月9 日(月) ~ 10 日(火)、全国の20 ~ 49 歳の有職者、女性150人男性150 人を対象に実施。

Q5● メンタルヘルス(精神面における健康) のために気を付けていることはありますか(複数回答) 2015 年11 月9 日(月) ~ 10 日(火)、全国の20 ~ 49 歳の有職者、女性150人男性150 人を対象に実施。

さらにメンタルヘルスで気をつけていることはあるかという問いに、女性の1位
愚痴をためずにはき出す」で40パーセント
、男性はたった16パーセント。男性の1位は、「特に気をつけていることはない」だった。

やはり女性は、しゃべることでストレスを発散させているのだろう。一方で、男は無防備なのか、あるいは自分が心を病むことなど考えてもいないのか。

鬱病になるのは女性が多く、自殺は男性が多いとよく言われる。女性は本能的に、命を落とすところまでは自分を追いつめないのかもしれない。男性は、気づいたらもう取り返しのつかないところまで、追いつめられてしまっているのだろうか。


男たちも自分の気持ちを言葉にして、愚痴をこぼして欲しい

好きだから話したい、話してほしい、というのが女性心理。

好きだから話したい、話してほしい、というのが女性心理。しかし、男性は?

アラサー女性のキョウコさんから、こんな話を聞いた。

「社内恋愛をしているんですが、彼は自分がどういう状況にいて、どんなことで悩んでいるのか全然話してくれないんですよね。隣の部署なので、なんとなく彼が窮地にいるんじゃないかとわかったときがあって尋ねてみたんだけど、
『いや、大丈夫だよ』って。私には愚痴も言いたくないのかな……とガッカリしました。でも、彼と仲のいい男性の同僚に聞いてみたら、『恋人にはそんな愚痴を言えないんだよ、男は』って。恋人に弱みを見せられないんだったら、誰に弱みを見せるんでしょうね」(キョウコさん)

確かに。女は、そう考える。いちばん聞いてほしい人に話をしたい。あるいは、共感してくれる女友だちに。

だが、男性は恋人や妻などに、なぜか弱みを見せたがらない。共感してもらうことにプライドを傷つけられるのか、あるいは親しいからこそ「かっこいい自分」であり続けたいと思うのか。

メンタルヘルスから見る男女の違いがあきらかになった。

「彼女に相談するよりも、ひとりで抱え込んだほうがいい」という男性心理とは。

男性側の意見が気になり、アラサー男性のケンゴさんにも聞いてみたところ、

「うーん、何でだろう。僕も同世代の彼女がいますが、やはり仕事の愚痴は言いませんね。やっぱり情けない男だと思われたくないのかもしれないなあ。言って共感してもらったところで解決するわけじゃないし。相手にまで嫌な思いをさせることになるかもしれないし。だったら、ひとりで抱えたほうがいい。そもそも、何でもひとりで抱え込むべきだと思っているのかもしれませんね。人に相談した時点で負けたような気がする……」(ケンゴさん)

それほど肩肘張って生きなくてもいいような気がするが、男たちは小さいときから他人に相談しないことで自分を保ってきた可能性も高い。

「自分の感情をうまく言葉にできれば、もっと気楽に柔軟に生きていけるんじゃないかなと思うんですけどね」(キョウコさん)

私はキョウコさんの考え方に賛成である。

男性たちは、自分ひとりで抱えきれなくなる前に、身近な女性に少しだけ愚痴をこぼしてみてほしい。女性はきっと温かく受け止めてくれるはずだから。
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