GMは1番での起用を明言
ジャイアンツからFA(フリーエージェント)になっていた青木宣親外野手(33)が12月3日(日本時間4日)、マリナーズと1年契約を結んだ。年俸は550万ドル(約6億8000万円)で、故障がなく、500打席をクリアすると2017年の契約も自動的に更新される。その2年目の年俸は600万ドル(約7億3800万円)で、出来高は各年とも150万ドル(約1億8450万円)だ。背番号は娘さんの好きな「8」に決まった。3日(同4日)、シアトルで行われた入団会見も、メジャーで4度目だけに慣れたものだった。
「シアトルには、コーヒーを飲むためにやって来ました。そして、もちろん、ワールドシリーズで勝つためにやって来ました」
青木は冒頭、英語でこうあいさつし、地元記者を笑わせた。スターバックスやタリーズ、シアトルズベストなど「シアトル系」と呼ばれるコーヒーショップで有名な土地。地元記者からすかさず「コーヒーはどうやって飲むの?」と聞かれた青木は「クリームを入れて」と答え、再び笑いを誘った。
マ軍にとって念願のリードオフマン獲得となる。イチロー(現マーリンズ)が2012年7月にヤンキースへ移籍した後、多くの選手が1番で起用されたが、固定できないままだった。青木の獲得を、ディポトGMは「出塁率が.349を切ったことがない。彼は(1番に)最適だ」とし、1番で起用することを明言する。
青木の契約条件は“岩隈が契約すること”?
今季の青木は、ジャイアンツで主に(1番・左翼)のレギュラーを任され、93試合に出場、打率.287、5本塁打、26打点をマークした。しかし、6月に右腓骨骨折、8月には頭部死球を受け、脳震盪の後遺症で9月は出場2試合にとどまった。100%の状態に戻っていれば、青木は間違いなくマ軍にフィットする。本拠地セーフコ・フィールドは外野が広いために、右翼にしろ、左翼にしろ、守備面でも大いに貢献できるだろう。日本人にとってマ軍は馴染み深い。過去、在籍した日本人選手は、投手がマック鈴木、佐々木、長谷川、木田、岩隈。野手がイチローを始め城島、川崎と8人で、青木で9人目だ。これは、メッツの13人(マイナー契約を除く)に次ぐ2番目の多さで、青木にはプレーしやすい環境である。しかも、再契約交渉を進めている岩隈久志投手(34)とは、1981年度生まれの同学年で仲がいい。
会見の前日、その岩隈と電話で「待っているよ。あとはお前だけだ」と話したことを明かした青木は、「自分の契約の中に“岩隈が契約すること”が入っているので、それで初めて自分の契約が完了します」とまたもジョークを飛ばした。
つかみはOK。早くも新天地に溶け込んだ青木に大きな期待を抱いてもいいだろう。