菅又シェフのセンスが光る!バラエティーに富んだ「Ryoura」のケーキ
前のページで、「Ryoura」でぜひ召し上がっていただきたい菅又亮輔シェフのスペシャリテのガトーやマカロン、新作をご紹介しましたが、お店のショーケースには、さらにバラエティー豊かな生菓子が揃います。「ヴェリーヌ オ エピス」は、菅又シェフの得意分野の一つであるグラス入りのヴェリーヌの一つ。スパイス風味のブランマンジェに紅茶のジュレ、いちじくやプラム、ナッツをスパイス風味のコンポートにしたものを合わせています。フランス・アルザス地方で働いていらした菅又シェフは、当地独特のスパイスを使ったお菓子の文化になじんでいて、スパイス使いが上手なのですが、このヴェリーヌもまさにそんなシェフの本領発揮!スパイスの味わい深さや香りをふわりと立たせながらも、ドライフルーツ類や紅茶と合わせて、日本人にも食べやすい見事なバランスに仕立てています。
「Ryoura」には他にも、ショートケーキをヴェリーヌ仕立てにした「ヴェリーヌ ショートケーキ」(税抜482円)や、バニラクリームと苺、ヨーグルトジュレ、グリオットチェリーを合わせた「フレーズ ヤオー」(税抜482円)などのヴェリーヌが並んでいます。これからも、季節に応じて様々なヴェリーヌが入れ替わりながら登場するのをお楽しみに!
「タルトショコラ」は、ナッツがざくざく入った塩キャラメルソースをアパレイユとしたタルト土台の上に、ムースショコラを重ねたタルト。これも以前の店から人気の高かったチョコレートのお菓子です。中の塩キャラメルは、フォークを入れるととろ~んと流れ出すほどやわらかで、かたやナッツのワイルドな食感との対比がたまりません。それらをまとめあげるのが、しっかりとした存在感のあるチョコレートのムース。ドームの形に、艶々の漆塗りの器のようなグラッサージュがけも美しく、見た目も印象的です。周囲に細かく砕いたカカオニブをまとわせ、カカオ感を底上げしています。
「マカロン ティラミス」は、前のページでご紹介した「マタン」と同じく、菅又シェフのスペシャリテであるマカロン生地を使ったタイプのガトーです。間に挟んでいるのは、マスカルポーネのムース。その中にコーヒーのジュレとコーヒーをしみ込ませたビスキュイを忍ばせ、ホワイトチョコレートをブレンドしたコーヒー味の生クリームを上に重ねて絞っています。
食べてみると、確かにティラミス!と納得。しかも、イタリアの定番デザートであるティラミスが、新しいフランス菓子として生まれ変わっていて、思わず楽しくなる一品です。
「バロン」の上の層は、フランスでは「ヌガーモンテリマール」と呼ばれる蜂蜜を使った伝統的な砂糖菓子をムース仕立てにしたムースモンテリマール。アーモンドをカリカリにキャラメリゼしたヌガティーヌを粗く刻んだものも入っていて香ばしく、ピスタチオや杏などのドライフルーツが宝石のように散りばめられています。その下に、カシス、フレーズ・デ・ボワ(森いちご)、ブラックベリー、グロゼイユといった赤いフルーツ類のコンポートの層、バニラのムースリーヌクリームを挟んだアーモンドのジェノワーズを重ねています。表面に絞られた飾りのメレンゲに、清々しい香りを持つマレーシア産のサラワクペッパーでアクセントをプラスしているのが、菅又シェフらしい一工夫です。
多くの菓子店にあるチーズケーキですが、実は菅又シェフはこれまで、ベーシックな焼きチーズケーキを発売したことがありませんでした。ご自身でも、普段、チーズを召し上がることがあまり無いそうです。
そんな菅又シェフがこの店で初めて、定番として並べたベイクドチーズケーキが「フロマージュ キュイ」。フランス産のクリームチーズとサワークリーム、35%乳脂肪分の生クリームとをブレンドし、底にはサクサクのクランブルを敷いて、濃厚な味わいに焼き上げています。
もう一つのチーズケーキ「フロマージュ クリュ」(税抜445円)は、上がレアチーズのム-ス、土台がしっとりしたベイクドチーズで、土台のアーモンド生地にも、レモンが香るシロップを打ってしみ込ませています。表面は、レモンクリームと生クリームを合わせたクリームと、レモンピールのコンフィでエレガントにデコレーションされた一品です。
他にも、「ルーロ オ シャンテイー」という名のカスタードと生クリームを巻き込んだふんわりロールケーキはホールサイズとカットサイズが揃い、「クレーム キャラメル」という名のプリンなど、気軽なおやつとして楽しめそうな素朴な生菓子も並んでいます。
さらに次のページでは、菅又シェフの新しい挑戦が感じられる、焼き菓子達をご紹介します。手土産にも喜ばれること間違いなしです!