カヌー・カヤック

カヤックの基本用語とは?川の流れの大きさを知る方法も

カヤックを行う時の基本のひとつ、川の流れ(瀬)の大きさです。命にかかわることで、とても重要なことです。瀬に対するスカウティング(偵察)も解説してまいります。カヤック用語についても覚えましょう。

執筆者:葛石 英知

<目次>

瀬の大きさ・激しさについて

基本カヤック用語・川の流れの大きさを知る方法

カヤックの基本用語とは

川の流れが激しい箇所を“瀬”と呼びます。 また、カヤックを行う時に瀬の大きさを測る一つの目安として“級”(きゅう)という単位があります。 1級から6級まであり、数字が大きくなるほど激しさが増します(国土交通省が定める一級河川・二級河川とは関係ありません)。
 

「瀬」のグレード

カヤック用語を覚えよう

カヤック用語を覚えよう

瀬のグレードになりますが、目安として考えてください。

[1級]
静かな流れ。しぶきはほとんどなく、初心者でも全く問題なく下ることができます。

[2級]
やや高い波はあるが、素直な流れ。少しスリルはあるものの、規則正しい瀬なので漕げば大丈夫。

[3級]
高い波で流れが複雑になります。流れ自体にもパワーがあり、大きな渦や落ち込みも現れます。初心者だけではくだらない方が無難でしょう。

[4級]
激しい急流。パワーがあり、2~3メートルある高い波の急流が続きます。初心者はほぼ沈(ひっくりかえる)します。中級者・上級者のテクニックが必要。

[5級
非常に速い流れで、かつパワフルな水量が襲ってきます。大きなストッパーもあり、かなりのテクニックを必要とします。

[6級]
航行不可!滝です。命知らずの人だけがチャレンジするようなグレードになります。

なお、時期や水量によって、同じ場所・同じ瀬でも級数が変わる可能性もあるので気を付けてください。仲間うちで“あの瀬は3級あった”、“2級はなかった”など、情報交換したり、地図に書き込んだりするときに便利です。

スカウティング(偵察)の重要性

003

【3級の流れ】


スカウティングとは、カヤックから降りて徒歩などで瀬を下見することです。実は同じ場所でも瀬の大きさは水量によって変わります。 普段はなんでもないような場所でも、渇水の時に隠れ岩が出てきて大きな瀬になることはよくあります。

少しでも瀬に不安を感じた時は必ずスカウティングをしましょう。 また、できる限り川に近づいてスカウティングすることをお勧めします。

瀬は橋の上などから見た時と水面に近い位置から見たときの印象では、まったく異なることが多々あります。 上から見ると大したことのない瀬でも、近づいて見ると結構大きな瀬だった、ということがよくあります。上から見るとどうしても平面に見えてしまうので、近い位置から偵察するのがおすすめです。
 

スカウティングの効果

004

【4級の流れ 偵察が必要です!】

カヤックを乗ったり下りたりする必要があるスカウティングは、どうしても面倒に感じてしまうもの。しかし、「級」の確認以外にも実は別の効果があります。

スカウティングした時、瀬に入ってどの方向に漕ぐかをイメージしておくと沈(=ひっくりかえること)の 可能性は減ります。 右に漕ぐか、左に漕ぐか事前に考えておけば、瀬に入った時にパニックになりません。 ぜひトライしてみてください。
 

瀬のクリアについて

大きい瀬を沈せずクリアすることがカヤックの目的ではありませんが、 川の瀬に突入し、クリアした時の達成感も素晴らしい体験となります。 ただし瀬の大きさを見極めて、漕ぎ進むことが難しいと思った時にはポーテージ(=カヤックを運んで瀬をやり過ごすこと)する勇気も重要です。 自分の心と正直に向き合うこともカヤックの楽しさの一つです。進むべきか撤退すべきか、迷う時は撤退!が鉄則です。

自分の力を過信せず、カヤックを楽しみましょう!

【関連記事】
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます