6週間連続で、大会が毎週末開催
今日23日から、グランプリシリーズが始まります。グランプリシリーズとは、アメリカ(スケートアメリカ、ミルウォーキー)、カナダ(スケートカナダ、レスブリッジ)、中国(中国杯、北京)、フランス(エリック・ボンパール杯、ボルドー)、ロシア(ロステレコム杯、モスクワ)、日本(NHK杯、長野)の6大会と、グランプリファイナル(バルセロナ)のことです。
まず、ファイナル(決勝)の前に、今週末から6週間連続で毎週末、大会が開催されます。
グランプリシリーズに出場するのは、世界トップレベルの選手たち。どのスケーターも6試合のうちの1~2試合に出場し、その順位から算出されるポイントの上位から6人(組)が、12月10日からのグランプリファイナルに出場できます。
昨シーズンのグランプリファイナル優勝の羽生結弦、エリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア)、メーガン・デュハメル&エリック・ラッドフォード(カナダ)、ケイトリン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェ(カナダ)も、全員出場します。
競技に復帰する選手たち
今シーズンの見どころのひとつは、競技に復帰する選手たちが多いことです。ソチ五輪後1シーズン休養していた浅田真央、パトリック・チャン(カナダ)が、試合に出場します。また、怪我で休養していたアデリーナ・ソトニコワ(ロシア)と、トランコフの怪我による休養中に結婚式も挙げたペアのタチアナ・ヴォロソジャール&マキシム・トランコフ(ロシア)の、ソチ五輪の女子シングルとペアの金メダリスト、そして団体金メダリストのエカテリーナ・ボブロワ&ドミトリー・ソロビエフ(ロシア)のアイスダンスカップルも戻ってきます。
彼らは皆、すでにそれぞれに小さな大会に出場してからグランプリシリーズにむかっています。休養中に感じた試合への切望感や、年齢を重ねたことによる内面の充実などを感じさせる演技が、グランプリシリーズでも見られそうです。
ジュニアからシニアに上がった選手たち
昨シーズンのジュニアで大活躍した選手たちも、シニアに本格参戦してきます。男子シングルの宇野昌磨(17歳)、ボーヤン・ジン(中国、18歳)、女子シングルのエフゲニア・メドベージェワ(ロシア、15歳)、エリザベート・トゥルシンバエワ(カザフスタン、15歳)らは、シニアグランプリデビューでどんな演技を見せ、どんな風を吹き込むのでしょうか。
初めてだからこその怖いものなしの勢いや、シニアに上がった喜びに満ちたフレッシュな演技も楽しみですが、それらが、シニアの選手たちの中でどんな輝きを放つのか、しっかりと見つめたいです。
シーズンはじめの今だからこそ
新しいシーズンが始まると、「あの選手の新しいプログラムはどんな曲で、どんな振付けなのかな」とか、「この選手のコスチュームはどんな感じかな」と気になることがたくさんあって、静かな興奮を覚えます。ときには、「昨シーズンの方がいいプログラムだった」とか、「このジャンプ、以前は跳べたのに」とか、どこか胸がざわめいたり、気が急いたりすることもあります。
ですが、シニアトップ選手たちのシーズンはまだ始まったところ。選手たちの多くは、3月の世界選手権までのスパンで目標を定めています。
グランプリシリーズから、完璧な、100パーセントの演技を求めずに、「シーズンはじめはこんな感じなのね。これからどうなっていくのかな」と、半年後を想像したりしながら、ゆったりと見るのもいいかもしれません。
実際には、毎週ものすごい勢いで放送される試合映像を録画したり見たりすることに明け暮れるものですが、ゆったりとしたスタンスの意識、は大切なものかもしれません。
男子シングルでは、ショートプログラムで4回転を2つ、フリー2~3つとか、女子シングルでも、トリプルアクセルや3回転+3回転とか、ペアでは、スローやツイストリフトでの4回転などなど……どうしてもジャンプなどの大技に目が向いてしまいがちですが、余裕のある方には、それに加えて、自分だけの見どころポイントを見つけることをおススメします。
「ここで振り向くときの視線がいい」とか、「演技前と演技後の表情の違いが格別」などのポイントを見つけて、シーズン中にそのポイントがどう変わっていくのか、もしくは変わらないのかなどを観察していくのも、なかなか楽しいものです。
また、シーズン序盤の今、まだたくさんの選手の演技を見ていない時期に「今シーズンはこんな風になるんじゃないかな」と想像したり、その想像をどこかに書き留めておいたりすると、3月の世界選手権後、意外な結果に驚かされることもあるかもしれません。
ひとまず、グランプリシリーズ第1戦のスケートアメリカは、今日スタートします。
結果は、こちらのサイトから確認できます。