本場で学んだシェフによるフランス菓子が魅力の「アヴランシュ・ゲネー」

「アヴランシュ・ゲネー」外観

「アヴランシュ・ゲネー」外観


2015年9月5日、文京区・春日駅A2出口から徒歩1分の好立地に、フランス菓子店「アヴランシュ・ゲネー」がオープン。少し耳慣れない響きの店名は、オーナーパティシエである上霜考二シェフがかつて修業したフランス・ノルマンディー地方の町「アヴランシュ」と、その地でお世話になった店「ル・パベ・デュ・ロワ」のオーナーシェフ、シルベール・ゲネー氏の名前からいただいたものです。
赤が印象的な外装が、ノルマンディの名産であるりんごをイメージさせます。ショップカードや紙袋に印されたお店のロゴデザインも、赤いりんごがモチーフとなっています。

「アヴランシュ・ゲネー」の上霜考二シェフ

「アヴランシュ・ゲネー」の上霜考二シェフ


上霜シェフは、神楽坂の「アグネスホテル アンド アパートメンツ東京」のパティスリー「ル・コワンヴェール」オープニングの2008年12月から約6年半に渡ってシェフパティシエを務めてきました。
それ以前は、製菓学校を卒業後、1994年よりノルマンディーのパティスリーで修業し、帰国後、「インターコンチネンタル東京ベイ」や「オテル・ド・ミクニ」などを経て、2005年「パティスリー・ジャン・ミエ・ジャポン」のシェフパティシエに就任。2011年公開の映画『洋菓子コアンドル』では製菓監修も務めた、若き実力派シェフです。

「アヴランシュ・ゲネー」の店内とショーケース

「アヴランシュ・ゲネー」の店内とショーケース


扉を開けると、ダークブラウンの木製家具が基調の、落ち着いた雰囲気。上霜シェフならではの骨太なフランス菓子の印象と、違和感なくマッチしています。
奥には数段の階段があり、その左手にカウンター席が4つ。オープン後、営業が落ち着いてきたらイートインも可能にする予定だそうです。
厨房には窓が設置されていて仕事の様子が見え、逆に厨房からも売り場や来店したお客様の様子が見えるようになっています。売場が約8-9坪、厨房は約12坪という、細やかに目の行き届きそうな程良い広さです。
焼き菓子が置かれている壁の棚には、ゲネー氏夫妻の若かりし頃と、現在の写真も飾られています。持ち帰り用の紙袋のサイド面には地図が印刷されていますが、これはアヴランシュの町のゲネー氏のお店の場所を示しているのだそうです。

「アヴランシュ・ゲネー」の「モン ドル」(税抜450円)

「アヴランシュ・ゲネー」の「モン ドル」(税抜450円)


「モン ドル」は、シンプルなレアチーズケーキですが、上霜シェフの来歴を知るうえで、ぜひ召し上がっていただきたい品の一つです。フランス語で「Mont-dol」。これは、ブルターニュ地方の世界遺産・モンサンミッシェルに行く途中の、丘のある町の名前で、その小さな山のことを指しています。ノルマンディー地方からも近いこの辺りには、上霜シェフが働いていた当時、週末になると、オーナーご夫妻や同僚達とピクニックに行ったりしていたそう。ノルマンディーを代表する白カビチーズ、カマンベールをクリームチーズとブレンドして使っていることや、土台のアーモンド生地に打っているシロップにノルマンディー特産のりんごのブランデー、カルヴァドスを効かせていることなど、現地の思い出が詰まったお菓子となっています。

「アヴランシュ・ゲネー」の「タルト リュバーブ フレーズ」(税抜450円)

「アヴランシュ・ゲネー」の「タルト リュバーブ フレーズ」(税抜450円)


「タルト リュバーブ フレーズ」は、上霜シェフの生菓子の中でも、私がぜひお勧めしたい、しっかりした焼き色や焦がしたキャラメル色が魅力的な「茶色系ライン」の代表作です。サクサクのタルト生地の中には、アーモンドクリームにカスタードを加えてよりしっとりやわらかな食感にした“フランジパン”をベースに、カットした赤いリュバーブを焼き込んであります。それを一度焼いてから、リュバーブと苺を合わせた自家製ジャムを塗り、乾燥しすぎないように二度目の焼きを入れるという細やかさもポイント。そして、ワイルドな盛り方のメレンゲは、自家製で挽いたヘーゼルナッツのプラリネ入りで、かなりの量がのっているにもかかわらず、甘すぎず香ばしさが立ち、ボリュームたっぷりでもぺろっと食べられてしまいます。

次のページでも、まだまだ、ぜひ召し上がっていただきたい個性豊かな生菓子をご紹介していきます。