リフォーム費用/リフォーム予算・相場とその読み方

工事費込みの定額制リフォーム、その仕組みと注意点(2ページ目)

住宅設備と工事費用がセットになっている定額制リフォーム。価格が明確になっているため、非常に安心度の高いリフォームの一つですが、その仕組みや手続きの流れを理解しておかないと、そのメリットを損ない兼ねません。今回は徐々に増えてきている定額制リフォームのチェックポイントや仕組みについてご紹介いたします。

大野 光政

執筆者:大野 光政

リフォームにかかるお金ガイド


価格に含まれていないものをチェック!

本来の定額制リフォームは「これ以上の費用はかかりません」というものですが、見方を変えると「この工事内容に限ります」という意味でもあります。大半は標準工事の範囲で対応できるようになっていると思われますが、著しく建物が劣化していたり、業者が標準で用意している設備・建材以外の材料を取り入れようとすると、追加費用やオプション料金が生じることもあります。

まずは定額制リフォームという言葉を鵜呑みにするのではなく、どのような工事がその価格の中に含まれ、使用する設備・建材の種類などをあらかじめ確認しておきましょう。そして、実際に業者が現場調査に来た時には、改めて内容を確認し、説明をしっかりと受けるようにしておくべきです。

また、デザイン重視のリフォームや特殊な性能・機能を盛り込んだリフォームを検討する場合は、定額制リフォームよりも従来の積算で見積もってもらう方が割安になることが多いので、リフォーム箇所や要望に合わせて「定額制リフォーム」と「見積り」を使い分ける方が良いでしょう。

追加工事の恐れがある場合は事前に取り決めを作っておく

キッチン

あらかじめ使用する住宅設備や建材が設定されており、工事範囲や価格が明確で便利な定額制リフォームなのですが、追加工事や仕様変更の取り決めを最初に決めておくことで安心感はさらに増すはずです。

例えばキッチンの取り替えリフォームの場合に、業者から提示された定額制リフォームでは給水管の取り替えが含まれていなかったとします。しかし、実際に工事を始めて古いキッチンを取り外してみたら、給水管の劣化が激しく、交換した方が良いと判断されることがあります。

最初から定額制リフォームに給水管の交換が含まれていれば心配ありませんが、別途料金となる場合にいくらかかるのか、またどの程度の劣化状況の場合に交換を依頼するのか、などを工事着工前に(工事契約前に)決めておくと安心です。

もしこういった取り決めがないと、業者も工事を途中で中断しなければならず、施主がすぐに決断してくれれば良いのですが、さもないと業者は工事の進行上、劣化状況を施主に伝えないまま施工を続けてしまうかもしれません。

無資格・無知識の業者に注意

定額制リフォームが徐々に注目され、今後様々なリフォーム業者がこの仕組みを採用してくることになると思いますが、残念ながら知識と経験のない業者が安易に定額制リフォームを売り文句に突然営業にやってくることも想定されます。

このような粗悪な業者にだまされないための最低限のチェックポイントとして、建設業許可(※)の有無や建築士事務所登録の有無、在籍担当者の建築関連の資格保有を聞いておくことをお勧めいたします。

※建設業法では500万円未満の請負工事では建設業許可が不要となっているため、許可を持たずにリフォーム営業を行っている業者も数多くいますが、言い換えると「500万円以上の工事をやったことがない」ということでもあり、工事実績や知識に不安があると思われます。

そもそもリフォームには、施主及び家族の何らかの事情・理由があるはずなのですから、困りごとの解決能力・施工知識があるかどうか、類似の解決実績があるかどうかを、商談を通じて見抜くように意識しておきましょう。

リフォームに慣れていない一般消費者にとって、価格がわかりやすく提示されている定額制リフォームはメリットも多いはずです。今回ご紹介したことを踏まえ、皆様のお住まいのよりよいリフォームを検討するための選択肢の一つとしていただければと思います。

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