定額制リフォームは価格が明示されており、安心感のあるリフォームの一つと言えますが、その特徴や注意点をあらかじめ理解しておくと、もっとリフォームが便利になります。
ですがその一方で、施主側の誤解や思い込みによってせっかくの定額制リフォームの仕組みが使えなかったり、業者側の説明不足で追加料金が生じた際にトラブルになったりというケースが見受けられるようです。
そこで今回は、リフォームの新しい流れとなるであろう「定額制リフォーム」について、その仕組みや手続きの流れ、チェックしておくべきポイントなどをご紹介いたします。
「注文=即工事」とはならない定額制リフォーム
定額制リフォームはあらかじめ工事内容と工事価格が表示されているため、あたかも通信販売のように電話一本で注文して、すぐに工事に来てくれるような錯覚に陥りやすくなりますが、ここにリフォームならではの特殊な手続きが生じます。一般的に定額制リフォームの場合、チラシやインターネットなどで商品を選定し、希望する商品(リフォーム)をまず注文(もしくは問い合わせ)します。すると、工事業者から連絡があり、リフォームを予定しているお住まいを見に来て、その提示価格で施工が可能かどうかを判断します。
もし追加工事が必要であったり、オプション対応となる部分がある時については、リフォーム業者が別途見積りを出してくれることになり、提示価格に施主が納得した場合にのみ、正式な工事契約を交わし、後日工事に取りかかるという流れです。
リフォーム工事の標準化で価格を抑える仕組み
そもそもリフォームは建物の劣化状況、住む人の好み、そして近隣の環境(工事車両がすぐ近くに駐車できるか)などによって施工条件やリフォーム内容が異なるため、通常はフルオーダーメイドの見積りを作成することが多くなりがちなのですが、定額制リフォームはある一定の条件や施工方法を標準化し、打ち合わせを簡素化して、仕入れ商品を絞り込むことでコストダウンを図り、施主に利用しやすい安心の価格でリフォーム提案ができるという仕組みになっています。そのため定額制リフォームといえども、注文後すぐに契約・発注とはならず、施主だけでなくリフォーム業者側も提示した価格での対応が可能かどうか(業者が考える標準工事の範囲に収まるかどうか)の判断をするための「現場調査」が非常に重要な手続きになってくるのです。
次のページでは、定額制リフォームで施主が気をつけておくべきポイントについてさらにご紹介いたします。