彼さえいなければ……

――結婚したいとか子どもがほしいとかは思わなかったんですか?
メグミ:思いましたよ。その欲求がいちばん強くなったのが35歳の声を聞いたときですね。ちょうど体調を崩して、3日ほど入院、その後、自宅で4日間静養。会社を1週間ほど休んでしまったんです。彼は心配して来てくれたけど、ずっといるわけにはいかない。夜中にひとりで寝ていると心細くてね。どうしてちゃんと結婚しなかったんだろう、このままひとりで老いていくのかと思ったら、たまらない気分になった。
結婚への欲求

結婚したい欲が高まることもあった

それで友だちに頼んで合コンを開いてもらったり、結婚相談所に登録したりもしました。もちろん、彼には黙って。

――それでも、つきあおうと思える人には出会えなかった……。
メグミ:ええ、しかももともと相性がよかった彼とのセックスが、ますますよくなっていって。体がわななくような快感を得られるようになったんですよね。お互いに身も心もいちばん充実している時期だったのかな。それで、やっぱり私にはこの人しかいない、という気持ちにもなっていったんです。

――それがまた最近、少し変わってきたんですか?
メグミ:ついに40歳になっちゃったんだなと思ったとき、もう子どもはあきらめるしかないなと感じて。0歳の子が中学を卒業するような期間、私は彼とつきあってきた。でも結局、何を得たんだろうと考えたら、何も得てない。引き換えに、結婚も出産もできない状態。

一方で彼は、子どもも大きくなって家族は安泰。最近では妻との仲もうまくいっているのか、一家で海外旅行なんかしているわけですよ。ああ、バカバカしいと思いました。

それにね、こんなこと言っていいかどうかわからないけど、最近、彼がオッサン化してきたのが気になって。

――加齢臭?
メグミ:それもあるし、口臭がひどい。本人も気にして医者に行ってるみたいだけど、歯周病なんじゃないでしょうか。セックスも弱くなった。私はもっともっとしたいのに、最近、疲れてあんまりできないって言い出して。バイアグラくらい飲んでくれてもいいのに。

――自分のために彼は何も犠牲にしていない。そんな気持ちがあるのでしょうか。
メグミ:ありますね。確かに私が選んだ関係なんです。それがわかっているだけに、よけいイライラするんです。一生を棒に振ってしまったのかもしれない。彼が本当に私を好きなら、どこかで私が結婚するように仕向けてくれてもよかったんじゃないかとさえ思う。ずるずると関係を続けてきて、ここでひとりになることもできなくなってる。

――まだ40歳ですよ。
メグミ:
女としては、もう40歳とも言えますよね。もし私が一度でも結婚していて、離婚したあと彼とそういう関係になったのなら、40歳を迎えても、それほど焦りはなかったかもしれません。でも一度も結婚せず40歳を迎える状態になるとは思ってもいなかった。

――でも、たとえ相手が結婚しているとはいえ、本当に好きな人と15年、ともに歩んできたわけだから……。
メグミ:
それをよしとできない自分がいるんです。この15年、仕事はそれなりにがんばってきたけど、私の代わりなんていくらでもいるとわかってる。

私、一人っ子なので、親も本当は孫を抱きたいと思っているはずなんですよね。だけど、「仕事がいちばん大事なら、それもいいよ、あなたの生き方だから」って母は私を認めてくれている。それも心苦しいです、この年になると。
私の人生、こんなはずじゃなかった。最近、そればかり考えています。彼さえいなければ、私がこんな気持ちになることはなかったのに……。


それでも、メグミさんは彼ときっぱり別れることができないでいる。15年間、慣れ親しんだ心も体も、そう簡単には離れられないのかもしれない。自分自身を、そして、自分の生きてきた道を否定してしまったら、生きることがつらくなってしまう。もう少しだけ、自分を許すことができたらいいのに……。

■短期集中連載【アラフォーの“傷跡”。ずっと誰かに言いたかった】
次回は、「親との関係」に悩む女性のお話です。
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