鉄道/観光・イベント列車

特急「いなほ」と観光列車「きらきらうえつ」の旅(2ページ目)

新潟と秋田を結ぶJR白新線と羽越本線のルートは、いわゆる日本海縦貫線の一部をなし、旅客・貨物ともに重要な路線である。新潟と酒田・秋田を結ぶ特急「いなほ」が走る幹線ではあるが、笹川流れと呼ばれる日本海沿いの景勝区間もあり、鉄道旅行をする場合も見逃せないコースだ。今回は、車窓を楽しむという観点から、特急「いなほ」のグリーン車と観光列車「きらきらうえつ」の旅を紹介したい。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド


羽越本線の観光列車「きらきらうえつ」

派手なデザインの「きらきらうえつ」

派手なデザインの「きらきらうえつ」


羽越本線には、絶景車窓や沿線の旅を楽しむための観光列車「きらきらうえつ」が、新潟~酒田間で週末を中心に走っている。特急「いなほ」と比較する意味もあって、帰路となる、酒田から新潟まで「きらきらうえつ」に乗ってみた。
和風ラウンジ

きらきらうえつの2号車は和風ラウンジ


この列車が登場したのは、2001年11月。数ある観光列車の中では、老舗的存在である。「きらきら」とまばゆいような車体は、旧国鉄形特急電車を大改造したもので4両編成。そのうち2号車は和風の茶屋があるテーブル席のラウンジ。車内で注文した飲食物をすぐにテーブル席で味わうという、かつての食堂車気分一杯の空間だ。
ラウンジのテーブル席

2号車ラウンジのテーブル席


1号車と4号車の運転台後ろには、簡易展望スペースがある。「いなほ」の展望ラウンジをさらに簡素にしたような造りで、これはJR東日本の観光列車に標準装備の施設ともいえる。
簡易展望スペース

運転台後方にある簡易展望スペース




乗り得列車「きらきらうえつ」

笹川流れの絶景

きらきらうえつのラウンジでお茶を飲みながら笹川流れの絶景を堪能


「きらきらうえつ」は、観光列車らしく、あつみ温泉と村上の間にある笹川流れ界隈の鼠ヶ関(ねずがせき)、府屋、勝木(がつき)、桑川といった特急が停まらない駅にこまめに停まっていく。その代わり、「いなほ」が停車する坂町、中条は通過である。
きらきらうえつの座席

きらきらうえつの座席は特急並


「きらきらうえつ」は、元特急車両だけあって、座席はリクライニングの利いた心地よいシートだ。それでいて、快速列車なので、運賃以外は、格安の指定券520円のみ。新潟行きの酒田からの所要時間は2時間20分、「いなほ」の2時間10分程度と比べて10分程度の差であるから、乗り得列車といえるのではないだろうか。

<運賃・料金比較>
新潟~酒田
自由席特急券(1730円)+運賃(3020円)=4750円
普通車指定席特急券(2250円)+運賃(3020円)=5270円
グリーン車特急券(3790円)+運賃(3020円)=6810円
きらきらうえつ指定券(520円)+運賃(3020円)=3540円

<関連サイト>
きらきらうえつ (JR東日本新潟支社公式サイト)

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