メガクルーザーの真髄を体感
高速道路に乗るまで、東京都内をぐるぐると走ってみましたが、思っていた以上に乗りやすい。混雑したストップ&ゴーの多い都内だと、ときおりバランスを保つのに神経を使うことがありますが、以前のモデルに比べたら格段にグレードアップしていると感じました。間違いなく新型フレームと前後サスペンションの恩恵でしょう。ある程度流れに乗れば、3速パーシャルでくるくる乗り回せる軽快さ。もちろんストリートシーンを楽しむためのハーレーは他にも数多くラインナップされていますが、新型ウルトラなら必要以上に都心部走行を怖がらなくても大丈夫です。
そして、ウルトラがもっとも得意とする舞台、ハイウェイへ。スピードに乗って走り出せばその重量感はどこへやら、アスファルトを踏み締めながら力強く駆け抜けていきます。時速90キロぐらいなら4速で十分、それ以上なら5速ギアで調整する感じ。このウルトラは6速ミッションなのでもう一段階あるわけですが、時速100キロ前後で流す程度なら特に使うシーンは見られませんでした。
ウルトラには隠された力が眠っている!?
それよりも、アメリカよりも基準値が厳しい排ガス規制の影響からか、日本仕様のウルトラはその潜在能力を発揮できていないようでした。街乗りにおける中低速で引っ張る分にはさほど感じない“力が抜けた感じ”が、ギアがあがるごとに顕著になってきます。エンジン熱についても、やはりセッティングの問題なのか100キロに達する前にかなりの熱さを持つように。私がアメリカでこの最新モデルに乗ったとき、数百キロ走っても平気だったのがウソのよう。購入を検討される方は、自分に合った仕様にしてくれるインジェクションチューニングというメニューも合わせて、販売店に相談してみてください。
ブレーキングシステムのテストということで、ある程度の速度域からハンドブレーキをかけ、前後の効き具合をチェックしてみました。すると、以前のモデルだと不安定な制動になるところが、車体が落ち着いたまましっかりと減速していくのを体感できたのです。この超重量モデルをこうもバランスよく制動させるとは、なかなか上質なシステムだと言えますね。
アメリカが、ハーレーダビッドソンが生んだ究極のメガクルーザー、エレクトラグライド ウルトラクラシック。アメリカの息吹を感じつつ、極上のロングツーリングを楽しみたい方にこそふさわしい一台です。
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[HARLEY-DAVIDSON FLHTCU TC SPECIFICATIONS]
FLHTCU TC Electra Glide Ultra Classic
全幅/960mm
全高/1440mm
ホイールベース/1625mm
加重時シート高/740mm
車両重量/408kg
エンジン型式/Twin-Cooled™ High Output Twin Cam 103™
排気量/1689cc
フュエルタンク容量/22.7L
フロントタイヤ/130/80 B17 M/C 65H
リアタイヤ/180/65 B16 M/C 81H
[主要装備]
・ABS搭載 Reflex リンクドブレーキ
・セキュリティシステム&スマートサイレン
・Boom! BOX 4.3GTオーディオシステム(4.3インチカラータッチディスプレイ搭載)
【メーカー希望小売価格】(消費税込/2015年7月現在)
[ビビッドブラック] 344万円
[モノトーン] 347万9500円
[ツートーン] 351万9000円